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野口悠紀雄の大風呂敷<食料自給率・他

2008-09-29 21:33:37 | Weblog
「食料自給率40%」の虚構さえ見抜けぬマスメディアの不勉強【野口悠紀雄コラム】(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース


まぁ、このおっさんの大風呂敷の論調にはいつも食傷するよな。
前にも書いたが、この人は現在の分析や批評はするが未来に対する提言が全くないのが特徴だ。だから、「超整理法」や「超勉強法」などがベストセラーになったが直ぐ飽きられるのだ。

では、個別に書いてあることに対する僕の所見を以下に書く。
1、<食料自給率の問題>
鶏卵を例に出して40%の欺瞞を書いているが、飼料の高騰は輸出規制ではなく、原油価格高騰の為に大量のトウモロコシがエタノール燃料に使われた為だ。
そして、今後も原油価格は高止まりするので鶏卵業者の経営の未来は危ういといえるだろう。従って、輸出先の農民は困らないが、困るのは日本の鶏卵業者だろう。

2、<米に関税をかける事にだまされている>
黙っていても、日本の米作農家は徐々に消滅するだろう。なぜなら、米作農家の半分以上は高齢世代が運営しているからだ。
このような状態の時に、関税を撤廃したら1~2年で日本の米作農家は全滅だろう。そして、一旦全滅したら、復活するのは容易ではない。
現在も減反政策で一部の田んぼが荒地に変わっているが、一旦荒地になった田んぼを復活させるのは至難の業である。

3、<出生率の引き上げが必要か?>
この意見だけに付いては、基本的に賛成だ。僕の過去のブログを見れば分かる。
就職率が上がれば出生率は自然に上がる。子供を生んでも、大人になって働き先がない国家で子供を生むことは子供を不幸にする。
だが、高齢者と子供に対する社会的な福祉をみれば、もっと子供を大事にすべきと思う。

4、<貯蓄から投資?>
いつの時代のことをいっているのだろうか?
日本は長期のデフレに苦しんだことを忘れてしまったのか?
最近ようやく原油などの資材が上がったけれど、この現象はここ1年間少々だ。
デフレ化では誰も投資なんかしない。物価が下がれば現金を持っているほうが有利だからだ。

5、<金融緩和はなんのためだったか?>
デフレ脱却の為に金利を上げようにも上げられなかっただけだ。

6、<小泉構造改革は何だったか?>
一つは、既得権打破のスローガンを掲げて「特定郵便局廃止」の為に郵政民営化したこと。
次に、竹中平蔵の市場原理主義を掲げて社会のセーフティネットを削減し、金持ち優遇税制へと移行した。そして、「日雇い派遣」などの労働市場流動化を加速させ、アキバ事件発生の土壌を作った。また「勝ち組・負け組み」などの言葉を生み出した。そして、負け組みに対しては「自己責任」といって、放置した。
現在、どの雑誌を見ても「どこどこの会社の給料はいくら」とか「こんな商売はもうかる」とか「おれおれ詐欺」とか拝金主義の社会には辟易する。

<最後に>
前にも書いたが、野口悠紀雄はただのガリ勉秀才が大人になっただけである。
現状の批評と分析は秀才そのものであるが、相変わらず将来に対する提言が全くないのは自信のない表れだろう。