絵入り随筆 エッセィ・つぶやき

自作の油絵・水彩画、デジタル写真等を入れて、季節の移ろい、雑感などを書いていきます。

網代の深田干物店

2005-07-23 21:03:09 | Weblog
伊豆に旅行した帰りには網代の深田干物店に立ち寄るのが 私の習慣みたいになっている。
今回の伊東温泉の帰りにも、当然お店の前に車を止めた。
網代は夏祭りの最中で、家々に紅白の横縞の幕が飾られていた。
店では、客に好きな干物を焼いて試食させている。
試食は何処の店でもやっているサービスだが、深田のサービスはその上を行っていて、缶ジュースや缶ビールまで無料提供してくれる。運転手にはビールは呉れないが、、、、
おかみさんには以前、網代港を描いて欲しい、と頼まれて、小品を買って貰ったこともある。
おかみさんが、通りが寂れているでしょう?と言う。
えっ?祭りで休んで居るんではないの?と聞くと、やっているのは3分の1しかない。と言う。
なんで?と聞くが、やって行けないんだよ。としか答えはなかった。
若い人たちが魚を食べなくなったのか?
魚を焼く匂いと煙が嫌、魚の目が怖い、骨が喉に刺さる、、、色々あるんだろうね。
網代の干物屋はおやじさんが漁をして、おかみさんが干物につくって店で売る、と言うパターンである。
輸入品の鰺を工場で捌いて、冷凍庫で水分を取って干物の出来上がり、と言う製造法ではない。
手作りだからお値段はスーパーに並んでいる干物よりかなりお高い。
干物屋の中には、安い工場製の品物を並べる所も出てくるだろう。
そんなこんなが客離れに拍車をかけてしまったんだろうね。
帰りがけにおかみさんは、毛糸で作った手製の小袋を呉れた。
開店50周年記念にお得意さんに配っているという。
嬉しかったけど、心配になった。
手作りで小袋を編む時間があると言うことは、深田干物店もお客が減って居るんだろうからね。

                              23th. JUL. 2005.

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