絵入り随筆 エッセィ・つぶやき

自作の油絵・水彩画、デジタル写真等を入れて、季節の移ろい、雑感などを書いていきます。

ご自慢のプール

2005-12-31 08:04:25 | Weblog
サージさんご自慢のプールはゴミひとつ無い澄み切った水を湛えていた。その秘密はお掃除ロボットだ。プールの中を自在に動き回って勝手に清掃している。傍らの小屋にはコンピュータ仕掛けの水質管理装置があり、塩素の注入とかの水質をコントロールしている。
サージさんの敷地は傾斜地にあり、土質はブドウ栽培には好適な砂礫混じりの土地だから、プールを埋める為めの掘削とか(プールは強化ガラスファイバーの既製品)水の重量を支える為の工事とか、排水の処理とか、出来上がるまでの苦労は逐一メールで送ってきてくれていたので、こうして完成した実物を見るのは感慨一入であった。
このプール設置の目的は、愛娘エロディーを引き寄せるための他に、もちろん自分たちの健康管理もあるだろうが、南仏は山火事の多い所だから、防火用水としての役割も重要である。
私も水着を用意してきたが、9月下旬の気候は皮下脂肪の少ない私には少し水温が低すぎるので諦めた。

エロディーとミッシェル

2005-12-30 00:42:05 | Weblog
サージ家の愛娘エロディーは私が初めて会ったのは彼女が高2の時、素直で美人でサージさんは彼女にメロメロといった感じだった。エロディーも「パパァ~ン!」なんて甘えていて微笑ましかった。
エロディーは高校を卒業してから近くにある看護学校に入って看護婦の道を歩むことになった。私はここ二年ほど彼女には会って居ない。彼女はツーロン(軍港で有名、フランス海軍の主要な基地になっている町)に部屋を借りて、消防士のミッシェルと同棲生活を始めたからだ。看護学校はちゃんと通っているしバイトもしているという。サージさんもマダム・ローランドもどこか寂しそうな顔をすることがあるのは仕方ないことだ。水泳が好きなエロディーを少しでも家に来させようと、なんと庭にプールまで拵えてしまったには驚かされる。

マダム・ローランド

2005-12-29 22:37:28 | Weblog
ローランドはサージさんの奥さん、ふくよかなタイプですが、お茶目で子供みたいに甘ったれだったり、日本人は魚が好きだからと、魚のソーセージをオードブルに出してくれたりする繊細さも併せ持っています。料理を作るのは好きなようで、我々のために前日から取り掛かっていてくれるようです。この次の時にはムール貝のワイン蒸しをリクエストしたら凄く喜んでくれました。いつも献立に苦労しているらしいのです。私が何を作ってくれてもほんの一口しか食べないから気を遣ってくれるのです。料理が気に入らないのではなくて小食だと言うことは理解してくれているのですが、自分たちの半分も食べないと、やはり気になるらしいのです。
ローランドは地元の鼓笛隊のメンバーで太鼓を受け持っています。ちゃんと騎兵隊みたいな格好いい制服もあって、大の大人が隊列を組んで演奏しながら行進する様は圧巻でしょうね。

チンチン!乾杯!

2005-12-28 09:44:05 | Weblog
乾杯の時の言葉は各国にありますが、ローランドさんはチンチンがお好きのようです。カンパイも覚えてくれました。彼女の知っている日本語はそのほかにはアリガトウがあります。アリゲーター(鰐)に似ているから覚えたんだそうです。
ローランドがお淑やかだとは言っても、チンチンにオを付けたりはしませんけど・・・
昨年の12月30日にも私はBeaussetの近くを通過したのですが、Serge さんが仕事で不在だったのでパスしたから、1年半振りの再会を祝してのカンパイです。
30分ほど前にシャンパンで乾杯したけど、今度はワインでランチ前の乾杯です。
美人の一人娘エロディーは居ないし、老犬コルトは他界してしまったし、バーニー(うさぎ)も死んでしまって、一寸寂しい乾杯でした。

Sergeさん宅

2005-12-27 09:48:01 | Weblog
南仏Beaussetに住んでいるSerge Berthonさんの家を訪問、彼は早速シャンパンの栓を抜いて振る舞ってくれた。シャンパンを開けると言うことは、かなり気を入れて歓迎してくれていることだから、私も神妙に彼の手つきを眺めていた。
シャンパンを開けるときに派手な音を立てて瓶から泡を吹きこぼすのは、映画ではよくお目に掛かるが品の良くない開け方のようで、Serge さんはそっと栓を抜いて、貴重な液体は一滴もこぼさなかった。彼の背後に掛かっている絵は私が描いたMarseille郊外のl'Estaqueの風景(水彩)です。


イタリア領内からフランスを見たら、

2005-12-26 09:29:57 | Weblog
伊仏国境の両側は道路が広く取ってあり、格好の休憩地点になっている。私はここを通るのは7,8回目になると思うが、いつもここで小休止を取るのが習慣になっている。トイレも売店も、コーヒーショップもないし、自動販売機もない。
あるのは駐車スペースと青々としたコートダジュールの海だけである。
イタリア側の天気は快晴だったが、フランス側のニースやモナコ方面には雲がかかっている。西の空の雲行きが怪しいのは天気が下り坂なのかも知れない。
今夜の宿は、La CiotatのHotel Rose Theと言う小さなホテルでここは南仏に来たときの私の定宿である。もうお20泊以上しているだろう。Rose Theは夜は無人となるが、入り口のコード番号は知っているからチェックインの時間は気にしなくて良い。半年ぶりの紺碧海岸のドライブを楽しもう。

伊・仏国境

2005-12-25 17:13:36 | Weblog
ECになってからは欧州が一つの国みたいになって国境は単に地図上の区切りに過ぎないと言った感じですが、道路標識にはここからフランスよ!と書いて有るし、検問所の建物も取り壊されずに残っています。壊す金が勿体ないからか?何時かまた必要になるかも知れないから残してあるのかは分かりませんが・・・
この写真の左に一部見えるのがイタリアの国境事務所、前方の景色はイタリア領です。10日程のイタリアドライブもここで終わり、この後は南フランスに2泊したら帰国の予定です。

あたらしい橋

2005-12-24 07:24:37 | Weblog
Baiardoの集落に掛かっているあたらしい橋です。あたらしいと言っても数十年はたっているのでしょうが、こちらは鉄とコンクリートの橋でなんの変哲もありません。車も通れるから私もこの橋を使って入らせて貰いました。観光客用の駐車場というものは無く私も他の観光客に倣って邪魔にならないであろう場所を探し路上駐車しました。
そこから巌の街をぐるっと回って上の方に上っていきました。写真にある廃城よりもっと上まで登って展望台にたどり着きました。展望台と言ってもそま道がそこで終わっていて見晴らしがよい30平方メートル程の空き地です。
日本だったら先ず転落防止の柵があり、お金を入れるとレンズが開く望遠鏡があり、清涼飲料の自動販売機が有るでしょうけど、、、、。
総じてヨーロッパでは危険回避は個人の責任と言う考えがあるようで、曲がりくねった山道にもガードレールはないし、観光施設でも絶対に落ちないような大袈裟な柵などは有りません。日本の過剰な危険防止策は過保護な感じさえします。
東京タワーの展望台は物理的に飛び降りは不可能に出来ていますが、エッフェル塔の展望台は視界を遮るガラスや柵は有りません。乗り越して飛び降りるのはやる方が悪いという考えからでしょうね。

隣席のイタリア人

2005-12-23 11:16:48 | Weblog
私の席の左隣にはイタリア人の男性3人が陣取っていました。
私がフランス人のご夫婦との会話に気を取られていたので気づきませんでしたが(私の能力では外国人と会話すると言うことは、全知全能を総動員して対応して居るんですからね。)彼らの持っているデジカメが私のと全く同一機種だ、と言うことを私にアピール居ていたんです。私としては、貧弱な私の頭脳に、思考の切り替えを命じて、左の男性諸君との会話に専念することになります。
その結果、と言うほど大袈裟な話ではなかったのですが、「あなたの持っているカメラと私のとは同じだ。」と言って、すごく嬉しそうな笑顔を向けてくれました。
私のはコダックのDX3900と言うデジカメで、買って3年はたっていますし、もう製造中止になっている機種です。ホワイトバランスはオートで綺麗に写るし、良いカメラですが、日本では不人気で何処の店でも置いていません。イタリアの片田舎で隣り合わせで遭遇するなんて奇遇でした。
それより何より、一寸した切っ掛けで、見知らぬイタリア人から声が掛かる、田舎歩きは本当に楽しいです。

隣席のフランス人

2005-12-22 09:28:42 | Weblog
レストランで隣の席にいたフランス人のご夫婦、料理を待つ間、四方山話に付き合ってくれた。ご夫婦は三菱の車に乗っているのだと、私が日本人なのを知って、自慢そうに話してくれた。どうもフランス人の間では日本車に乗るのがスターティスらしい。2003年にローザンヌのホテルで知り合った保健婦さんもホンダに乗っていて、ホンダは壊れないから、と話していた。この保健婦さんはカシに住んでいて、私が滞在する予定のラ・シオタの隣町なので、後日、ご自宅を訪問したりして親しくしていただいたことがある。
話は回り道してしまったが、三菱のご夫婦もかなりの健啖ぶりでピザは一枚づずつ召し上がっていたし、他の料理も仲良く分け合って食べていた。写真を送るからと、住所を書いて貰ったら奥さんが書いてくれた住所が私には読めなかった。フランス人の筆記体は私には半分位しか判読できない。困っているとご主人が活字体で書き直してくれた。後日写真を送ったら礼状が届いたがこれがフランス語、辞書と首っ引きで読ませていただいた。

お通しにオリーブ漬け

2005-12-21 06:11:04 | Weblog
昼食を摂りに入ったレストランでビールを頼んだら、パンと一緒にオリーブ漬けが出てきた。イタリアではおつまみにオリーブ漬けを出すのが通例になっているようだ。パンと同じで料金は取られない。日本の小料理屋で頼みもしないお通しを出して、数百円ふんだくるのとは違う。イタリア最後の昼食だからピザを頼んだ。私には半分で十分、それでも持て余す程のサイズだが、周りのお客さんはお年寄りを含めて皆さん一人で一枚召し上がっておいでだった。作りつけの大きな石釜で、長い木のヘラを使って器用に出し入れしている。釜が大きいせいか、そう時間が掛からずに焼き上がる。ふっくらジューシーでヘリはパッリトしたおいしいピザだった。

城内と外を結ぶ石橋

2005-12-20 21:39:19 | Weblog
この橋が城内と外とを結んでいる石橋です。私は少し違う角度から絵を描いています。石のアーチでかなり長いスパンを保たせています。長崎などにある眼鏡橋とか皇居の二重橋に比べるとかなり大きい橋です。人道橋で幅は狭く3m位です。
石を組み合わせただけで、鉄筋とかは使っていないのですから、その技術には感心します。こうゆう構造なら構造計算のごまかしなどあり得ませんよね。ちょっと間違えただけで、一瞬にして崩れ去るでしょうからね。石の重量と地球の引力、それに摩擦力を巧みに組み合わせて築き上げた芸術品です。

水飲み場

2005-12-19 09:36:06 | Weblog
イタリアでもフランスでも山や丘の天辺に作られている街(ゴドバとかメネルブとかエズとか、この街もそうですが。)大抵2,3箇所はこのような水飲み場があって、チョロチョロ水が流れています。人だけではなくて馬とかも使ったのかも知れませんが・・・
高台なのにどのようにして水を供給しているのか不思議です。大昔からの施設ですから、深井戸を掘ってポンプアップなんてことは出来ませんからね?
それにしても、動物をかたどった彫刻から出てくる水を飲むというのはちょっと抵抗があります。出来ることなら美女の口からにして欲しいなぁ!小便小僧のだったら私なら我慢しますね!

歴史遺産の中で生活

2005-12-19 00:28:36 | Weblog
歴史遺産であるこの町は同時にここに住んでいる人の生活の場でもあります。私たち観光客は、その中におずおずと入り込ませて貰っている訳です。当然よそ者である観光客は控え目に行動して、住民の生活を脅かしたり邪魔をしたりしてはならないのは当然です。この町へ来る観光客は皆それを受け入れて守っているようでした。
同じような歴史的建造物の村である、妻籠宿とか馬籠宿は住民は皆そこには住んでいないように思えました。住んでは居るのかも知れませんが、そこに生活の臭いがしないのです。道路は御影石の石畳になって居たりします。山の中の宿場町が御影石で舗装してあるなんてぞんな贅沢は出来なかったと思うのです。
住民は接客業に身をやつし、観光客は俺たちが使う金で村が成り立って居るんだ、みたいな傍若な振る舞いが目立ちます。映画のロケのセットを見ている思いです。
この町のように両者が自然体で振る舞えるのは素敵です。

運搬車

2005-12-18 21:47:36 | Weblog
工事の資材とか廃材を運搬しているキャタピラー付きの運搬車です。すごい排気音を響かせて石畳の階段状の通路を動き回っています。何しろ狭い道ですからこの小型の運搬車が通るときには人間は脇に身を寄せてやり過ごします。大昔、この町を作ったときにはもちろんこんな便利な道具はなかったから、資材は人の手か馬の背に乗せられて運んだんでしょうね?ピラミッド程ではないにせよ、莫大な労力が必要だったことでしょう。外敵から身を守るためには必要な出費だったのでしょうがそのお陰で現代まですばらしい遺産が残ったのですから無駄な投資ではなかった訳ですね。