奈良井宿の中には数軒の民宿がありました。昔のままの作りの建物に泊まってみるのも一興ですが、私は以前妻籠宿の宿に泊まってこりごりしたことがあります。
その日の宿は満室のようでしたが、古家をそのまま使っているから廊下との境は障子一枚、隣室との境は唐紙一枚です。人が廊下を歩くとギシギシ音がします。
昔の旅人は皆こんな宿に泊まったのでしょうがプライバシーは皆無だし、歩く音、話し声に悩まされ煎餅布団にくるまっていても一晩中微睡む(まどろむ)程度で熟睡出来ませんでした。
宿の好意なのか食事も粗末で、こんなものを昔の人は食べていたんだよと、諭されているような気分でした。この写真の宿がそうだとは限りませんが、おそらく五十歩百歩ではないかと思います。
全て昔にタイムスリップしてみたいという方にはお奨めですよ。