スティーヴィー

僕に出来る事、
それは君のそばにいること。

児童虐待を受けて育ち、性犯罪を起こした青年と
彼を取り巻く人々を描いたドキュメンタリー映画です。

「フープ・ドリームス」など社会派ドキュメンタリーで知られる
スティーブ・ジェイムス監督の作品です。

ジェイムスは大学在学中、１１歳の少年スティヴィーの代理兄になる。
（お兄さんがわりになって非行少年の更生を助ける制度の事）
数年後ジェイムスは映画の勉強のためシカゴへ移った。
出来るだけ少年に手を貸さねばと思いつつ、いつしか疎遠になった。

１０年後映画監督になったジェイムスはスティービーと再会する。
２４歳のスティービーは軽犯罪を繰り返し荒れた生活を送っていた。

ジェイムス監督は音信不通だった１０年間、
彼の身に何があったのか、その軌跡を辿る映画を作る事にした。

しかしスティービーが重大な犯罪の容疑者になった事で
映画製作は思わぬ局面を迎える。
この映画作りはやめるべきか、続けるべきか・・

気がつけば、監督自身も出演者のひとりになって
スティーヴイーの家族や恋人と共に、
スティーヴィーにとって何が最良の道なのかを、
見つけようと、もがき苦しみながら模索することになる。

時にはスティーヴィーを作品の素材として見ている自分を嫌悪したり
行動を共にしている時にも泥酔し喧嘩騒ぎを起こすスティーヴィーに
うんざりする。でも彼は逃げない。
そして、いつも「僕は君の味方だよ。」
「いつもそばにいるよ。」と言いつづける。

ジェイムスはカメラを回しつづける。

スティーヴィーを虐待した母親、かばって育てた祖母
父親の違う妹、そして叔母、障害のある恋人・・
スティーヴィーを取り巻く人達の話はそれぞれにズシリと重い。

かつてこんなドキュメンタリーがあったでしょうか？
監督自身が思わぬ展開に驚いているのかもしれません。
これは４年半にわたる偽りの無い魂の記録です。

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