
美食天堂 「金威」(カムイ)
最寄駅は下北沢。南口を出て右手の南口商店街を進行した左手側。
両脇を飲食店に挟まれ、うっかりすると見落としてしまいそうなロケーションです。
細い階段を上り、2Fの店の入り口まで。
当店は「神田雲林」さんで研鑽を積んだ福田氏が独立し、オーナーシェフを務める中国料理店。
オープンは2016年6月29日です。
ランチコース@2,200を予約のうえ、2名で訪問。
扉を開けるとカジュアルな装いの店内は、左手に厨房とその前にカウンター席を配し、
右手側にテーブル席が数卓とコンパクトな印象です。
今回リザーブされたのは、その中でも一番空間にゆとりを感じられる窓際2卓のうちの1卓。
片側ソファ席でした。
厨房はシェフのほかに男性コックさんが1名。フロアを担当する女性は1名。
この日の昼の時間帯は3人体制です。
食事を共にする友人とは現地集合。
テーブルクロス:なし
卓上調味料:なし
その他:爪楊枝
着座後:タオルおしぼり(直置き)、氷水、メニュー
卓上に菜譜の用意はありませんでしたが、ランチコースの内容構成は
・金威特拼盆(本日の前菜三種盛合せ)
・則日蒸点心(自家製点心2種のセイロ蒸し)
・時菜炒蝦仁(むき海老と旬野菜の強火炒め)
・客家式封肉(7時間コトコト煮込んだ豚の角煮)
・任選麵飯(四川麻婆豆腐or金威担々麺)
・任選甜点心(プーアル茶と本日のお菓子) というもの。
料理は全て各自分での提供で、サーブ時にも口頭説明を受けられるスタイル。
タイミングとしては、ある程度、食事の進行を見てくれているようですが、まだ食べ終わって
いない段階で、次のお料理が出てくるときもあり、卓上が賑やかになることもありました。
金威特拼盆(本日の前菜三種盛合せ)
①よだれ鶏・・・ナッツの浮かぶ麻辣タレはしっかり痺れる辛さ。八角が鮮やかに香った。
②ワカサギの揚げ飴炊き・・・カリッと甘く、スナック感覚でつまめる飴炊き。
③豆腐とキャベツの酢塩山椒和え・・・さっぱりテイスト。もう少し山椒のパンチを効かせても良いかも。
3種とも味の方向性をきっちり違える細やかな配慮が嬉しいです。
時菜炒蝦仁(むき海老と旬野菜の強火炒め)
彩り豊かな季節野菜は、その持ち味を大切にシャキシャキとした魅力的な歯触り。
海老は齧りついた瞬間ふわっと柔らかく、そこからぷりっとした弾力に移行する
2段構造型の食感で、あっさり強火炒めは塩の塩梅も申し分なし。
シンプルですが、素材の旨味を引き出した迷いのない火入れは、技量の高さがあればこそ。
先の料理が楽しみです。
友人のお皿の時菜炒蝦仁。こちらの方がフォトジェニックかな。盛り付けで印象も違いますね。
則日蒸点心(自家製点心2種のセイロ蒸し)
海老焼売と小籠包。針生姜を浮かべた赤酢もセット(小籠包用)。
(レンタロー) おお!シューマイに凄うまオーラをびんびん感じるだ。
お肉感たっぷりな自家製焼売は手切り肉と推測。
その手切り肉の上に海老をまるまる握るように乗せた圧巻のビジュアル。
齧るとジューシーでしっかりとした肉の食感と海老のぷりっとした歯触りが合わさって
吃驚するほど美味い。なんとグラマラスでセクシーな焼売なのだろう。
(レンタロー) ヤバイで!めちゃ実力のある新星が登場しただ。
オラの中で“キング”の座をめぐるシューマイ戦争勃発だで。
管理人、あまりの衝撃に小籠包のことはすっ飛んだだな。
客家式封肉(7時間コトコト煮込んだ豚の角煮)
山芋をクッションにしたホエー豚の角煮。眩いばかりの照りと立体感のあるフォルムに目を奪われる。
じっくり煮込まれた皮つき肉は、コクのある濃厚な甘さで、肉はほろほろ、脂はとろんとろん。
残ったソースを花巻につけて食べたいくらいでしたよ。味に艶があり、嫌味がないのです。
任選麵飯(四川麻婆豆腐)
〆の麵飯は各自違えて注文可能。シェアして食べたい欲張りな私達。
サーブ時には紙エプロンの提供があり、麻婆豆腐には白飯がつくということで、
小碗で2つもらえました。
もちろん、オンザライス!豆腐は木綿タイプで私好み。
苦味と辛味が共存し、ビリリと痺れるコクのある大人味で好感触。
本場四川バリバリの直下型な辛さと油を好む方のツボにははまらないかもしれませんが、
日本人シェフの作る繊細な味の豊かさとバランス感があり、なかなか美味いではありませんか。
任選麵飯(金威担々麺)
担々麺は温or冷を選べたので、冷やしでお願いしました。
取り碗ももらっていますが、写真はその取り分け前のビジュアル。
ゴツゴツとした肉そぼろに、トッピングは白ネギ、カイワレ菜、錦糸卵。
当該担々麺が冷やし、ということも関係するかもしれませんが、胡麻が優勢したさらり系の担々麺で
味の深みもいまひとつ。さらっとタイプで供するなら、もう少し酢を効かせた方が良いと思うのですが、
芝麻醤のコクを軸に攻めたいのか、何がしたいのか振り切れていない印象で、そこが自分には歯がゆく、
さらに生意気を言わせていただくと、カイワレ菜も錦糸卵も余分。
個人の見解では、麵飯は麻婆豆腐に軍配が上がりました。
任選甜点心(プーアル茶と本日のお菓子)
あんずとサツマイモのパウンドケーキ。
香り良く、しっとりしたケーキでお茶菓子力高し!こいつはいいわ。
急須は茶漉しパック入りで各自に1つ。
茶葉の量が多いのか、お湯を足してもらっても、すごく濃かったです。
ドリンクは、キリン一番搾り(中瓶)@630、
陳年紹興酒(5年)古越龍山デキャンタ@2,200を注文。
お会計は、1人当たり4,000円(千円未満四捨五入)
お手頃価格のランチコースも利用する側にとっては有り難いのですが、
本日の1番の収穫は何といっても自家製の海老焼売。
メニューを見ると通常では2個で350円ということなので、再び驚いた。
必食の価値ある美味しさ。オススメです。機会があれば、ぜひお試しください。
美食天堂 金威
東京都世田谷区北沢2-14-3 喜多ビル 2F
TEL 03-6450-8876
営業時間/11:30~23:00(22:00LO)
定休日 火曜日 -店舗情報「食べログ」より-