難波に到着し、そこから電車で三国ヶ丘へ。
三国ヶ丘で車をレンタし、ダリンと共に奈良へ。
二人っきりの旅は久しぶりです。
少し楽しくて、でも少しさびしくて、そんな不思議な感じで奈良県へ突入しました。
奈良県へ入ったとたん、空気が一気に変わるあの感じは一体なんなんでしょうか?
ツアー中、移動のために少しだけその県をつっきることがありましたが、
それだけでも空気が全然違う。
奈良、三重、京都、この三県はすぐわかります。すげえっすよ?
車の中にいてもわかる空気の違いは、やっぱ神のおわすとこだからでしょうか。
天河大辨財天のある天河村を目指し、山々を縫って駆ける時間は本当に気持ちよかった。
新緑のふきだす木々、木々、木々。
山、山、やま、
宝石のような川。
どれもこれも言い表しようのない心地よさにあふれてて、
なんだかぐんぐん元気になる感じ。
地図で天河村を見たときに勝手に想像してたのは
うっそうたる森の奥地、でしたが、全然違う!
もっと軽やかで美しくて、天女の羽衣のような緑ばかりでした。
なんだかもー、すんげーテンションあがっちゃって。
車の窓をおろして叫んじゃいました。
「こんにちはーー!!葛飾区から来ましたーーー!」
って。笑。
ダリンは隣で大笑いしてました。
そして到着。
思っていた以上にこじんまりした神社。
山と山の間にあるここは時間がとまったような、音がほとんどないところでした。
ただ、さーーっと流れる水の音だけがある。
そんな中、バイクで到着した3人の旅の方々がやってきまして。
「ここってパワースポットなんでしょ?」
と、どやどやとやってきた。
あ、う。
ちょっとニガテなタイプの方々。
境内から本殿から遠慮なくパシャパシャカメラを撮って、
本殿のとなりに置いてあった大太鼓までどんどこ素手で叩いてらした。
人のする事は基本的にジャッジすべきじゃない、とはいえ。
畏れを知らない日本人が増えすぎです。
パワースポットがどうとか言ってたけど、ここ天河村全体がすでにパワースポットじゃい。
そんなんも感じられなくなっちゃった癖になんでパワースポット、パワースポットと騒ぐのでしょうか。
ま、でも。。。
窓おろして叫んでた私も似たようなものなのかな。。。
ちょっと反省。ごめんなさい。
そういう人間の勝手な部分も全部受け入れてくださる神様って本当に、本当に。。
ああもう、言葉になんない。
頑張って生きなくちゃ、って思うばかりです。
本殿にお参りさせていただいとこ。
天河大辨財天さまは背を向けたまま、ちらともこちらを向いてくださらなかった。
「何も言うことはない、さっさと去ね。」
「今のお前には何も言うことはない、天の岩戸を3枚くらい開かないとたどり着けないとこに居るから。」
と、おっしゃって、あとはブドウをお召しになってた。
あ、ちゃー。。。
おみくじをひかせていただいてもやっぱし「凶」。
さすがに落ち込んで、その意味を飲み込むまで境内にあったベンチに座らせてもらって
じっくり考えさせてもらってました。
ダリンもおみくじをひいたのですが、お告げとおんなじことが書いてあったそうです。
私のおみくじは浅草寺でいただいたのと似たような内容。
何をしても全然ダメ。とにかく深く反省して神仏にすがりなさい、と。
すがる気持ちでここへ来たのですが、うむむ。
その神様に「何も言うことはない」と言われちゃったら。
これはもう、決定的です。
「好きに生きろ」ってこと。
つまりは、自分ですべて決めなくちゃダメなんだと思ったのでした。
おみくじやお告げをもらおうとする姿勢が今の私にはダメなんだわ。
わかった!天河大辨財天さま。
とにかく自分で岩戸を開いていくよ!
落ち込んでてもしゃーない。
さて、帰ろうか。
でもその前に。
お守りを誰かに買って帰ろうかな、と社務所を訪れると
さっぱりとした薄茶色の袈裟衣を来たお巫女さんがにこにこと近づいて来てくださって。
お守りそれぞれの値段やらをうかがいながら、実はおみくじで凶が出て少し落ち込んでいたんですって話に。
そしたらお巫女さんは春風みたいにふふって笑って
「ウチは凶が多いんです。だから全然お気になさらなくて大丈夫ですよ。」
とやわらかい京ことばでおっしゃった。
ああ、なんだろう。この感じ。
一見さんお断りを食らった修学旅行生が旅館の女将に優しく慰めてもらったような。
威厳ありすぎる営業先でお叱りをくらったあとに、
そこの秘書さんに「ウチの社長はいつもあんななので。」と
お茶を出してもらえたような。
天河大辨財天社のお巫女さんはお巫女さんっぽくない方が多かったです。
昭和のお母さんを思わせてくれる安心感。
素敵だなぁってぽーっとなっちゃいました。
あの時お話してくださったお巫女さん、ありがとうございました。
そして、バスの中で反省してたことを改めて決意。
霊感は、封印します。
神社やお寺におまいりにいってもご挨拶だけ。
お告げは、いただかない。
まずは自分で今を生きなくちゃ。
そんなこんなで天河大辨財天を後にしました。