カミングアウトします。
実は私、腐女子でした。うふふ。
小学校2年で朗読を誉められ自信を持ち、朗読を仕事にできる職業はないものかと探したところ「声優」という職業を見つけ、
声優になるには舞台の役者としての実力もないと成れないと知って高校演劇に飛び込み、明け暮れ、
演劇部となりゃー腐った女子はやっぱり居るわけで、そのコたちとその世界に顔ごと突っ込んでひーひーきゃーきゃー言ってました。
がっかりした方いたらごめんなさいね。
どこにもやれない情熱を演劇か二次元かにぶつけて現実逃避してた感はあります。
そうじゃないと高校やめて飛び出して玉砕してたかも。ってくらいだったから。
時がたっても。稚拙な憧れが始まりだったとしても。
本当に愛したものへの愛情は今も変わらず残るものです。
声の表現力しかり。
腹筋背筋の鍛錬しかり。マイク前への執着心しかり。
そして当時、焼け焦げそうになるくらい憧れた役者さんたち。
腐女子卒業してなお、緒方恵美さんという声優さんから目を離せずにおりました。
それは緒方恵美という役者の魅力の成せる技でしょう。
あの、エヴァンゲリオンの碇シンジ役の声優さんです。
そして。
演劇のエの字もわからなかった私が、発生練習本をにぎりしめて夢中になったのがキャラメルボックスです。
今や数十年トップを走り続けるマンモス劇団。
当時、大好きだった「銀河旋律」という台本でおもしろすぎる女子高生を演じていた、真柴あずきさん、坂口理恵さん。
あの間とセンスをなんとか盗めないものかと、友人にかりたビデオを擦り切れるくらい観たもんです。
都会を田舎で彼女たちに触れられるのは、ラジオかテレビ(ビデオ)の中だけでした。
そんな彼女たちが、なんと、急遽ユニットを組んで月見ル君想フでお芝居をうつというじゃありませんか。
なんで!?なんで憧れた人たちが仲良しなの??!と耳を(目を)疑いたくなる事実。
こりゃあ行かなきゃ!…ってならないのが、私のおかしな意地。
「タダのいちファンに成り下がってなるものか!」的な。
…アホやね。わかってんのよ。
緒方恵美さんが音楽活動をされているのは知ってました。
私が出演するようなハコで通常ブッキンでライブされてたことも。
でも!行かなかった。嫌だったのです。
いつか、どこかの仕事で同じ芸術家として出会うまでは、私からは会いにいかん。
今回の芝居も行くつもりなかった。
へー、月見ル君想フでやるんだー、ぐらいで。
でもね。
そんな頑固オヤジな私の意地を
「ホラ!いいからいっといで!!」と、
ツアー中火の車の家計なのに芝居に叩き出してくれた旦那様。
本当に本当に、ギリギリまでうだうだしてた。
その日が千秋楽で、しかも今出ないと開演時間に間に合わない。
身だしなみも二の次でバックひっ掴んで飛び出しました。
走りだしたら、やっと素直になったら。
変に涙出てきた。…アホやね。ほんと。
だから、やっぱりただのファンなんだって。それでいいじゃんか。
腐女子の過去に大きなコンプレックスがあった私は素直に好きだと思うのにどうしてもひっかかりがあったんですが。
もう、いいや。
だから、こうやってブログにも書いちゃってます。
お芝居は。
すばらしかったです…。
お芝居のパンフだけでも。
やっと本物のご本人に会えた!という感慨をゆうに飛び越えて、
自然で本物の言霊にリンクしっぱなしでした。
やっぱり。私の憧れは間違いじゃなかった。
やっぱり、この人たちはすごい。
役者さんのバックボーンと、台本の世界と、
私の過去へのこだわりと、強すぎた願いと、
いろんなものがあぶり出しのように出ては消えて、ああ、なんと言ったらいいんだろう。
ひとつの脳みそで5チャンネルくらいをいっぺんに観てる様な。
全部観終わったあと。
渡そうかどうしようか迷っていたSexRexのCDをスタッフさんに。
なんていうか。
ちんちくりんだった田舎娘の私が、この人たちに突き動かされてエネルギーをもらって、
東京に這い出てきて。そしてやっと形にできたCD。私のすべてがここにある。
ご迷惑かと思ったけれど、やっぱりお渡ししたかった。自己満足で申し訳ないけれど、受け取っていただきたかった。
精一杯の、ファンレターのつもりで。
こうやって書いてる今でも泣けてきます。
…あほやね。
芝居中、緒方さんが2曲ほどオリジナル曲を歌うシーンがあったのですが、
歌、上手すぎる!!
ただピッチがとれるだけとか、響きがいいだけとかじゃないんですよ。
きれいなのにエネルギッシュで、なにより一番伝えたい感情がズンと届く。
あたしのやりたい表現そのものでした。
そりゃあ、緒方さんの方が芸術ではずっとずっと先輩だし、第一線で活躍されてるすごい人だから。とはいえ。
とはいえ!
ボーカリストを名乗る私、立場がねぇ!!
こんなんじゃ本当にタダのファンで終わっちまうぞ!!
もっともっと、実力をつけたい!!
そして、あの頃よりもっと身近なエネルギーになって還ってきたのでした。