リカリズムな日常

6拍子に彩られた破天荒な毎日

血がたぎる瞬間

2007年10月08日 | Weblog
文学座の研究科にいる友人のお芝居を観てきてました。

木下順二作の『山脈』。
さんみゃくと読むのかと思ったら、「やまなみ」と読むのだそうです。


戦時中、戦後の人たちの思想をもとに演劇化した、昭和20年代の作品だそうです。
とても当時に書かれたものとは思えないくらい、面白い作品でした。



しかし・・・とてもとても難しい台本・・・・・!
これを私に渡されたら、いやもう、大変なことになるっ!

これを見事演じきった皆様をとても素晴らしいと思いました。
何しろ上演時間およそ3時間!(途中休憩も挟みましたが)
3時間あまりお客様の集中をつなぎとめておけるだけでもすごいわ。


上演のあと、出演していた友人と、観にいった仲間と飲みに行きました。
芝居について、木下順二さんについて、いろんなお話が聞けて
本当に楽しかった・・・!

私は新劇や文学作品にはうといのだけれど、芝居熱にうかされたように語る友人たちの世界にのめりこんでしまいました。

ああん、もう。。。
芝居やりたくなっちゃう。。。。



以下、友人たちの言葉です。

「芝居はさ、台本渡されて公演終わるまで、悩んで悩んで、体力を消耗するよね。
そりゃあもう死ぬんじゃないかってくらいのめりこんじゃうんだよ。
でも、公演が終わったあともさ、頑張って続けてきたことがぽっかりなくなって、ここでもまた、心が死ぬんだよね。もう何していいかわかんないくらい。
演劇続けてくってのは、本当に体力が要るよ。」


ああ、すごくよくわかる。。。

そう、だから、走れなくなった芸術家は
それでも生きてゆく術を見つけなくちゃなんだ。

その術を見つけられない芸術家ってのは、どうしても死んでしまう。
自殺したり、身を持ち崩したり。

なんとか生きていたとしても、もう心が死んでしまうんだよね。


私は一体どうなるのかな。

たとえどうなったとしても。
じゃあ、この道を選ばなかった私は、それこそ想像を絶するもの。



血がたぎる、って感覚の為だけに、生きてきた。
これからも、その為だけに、生きてくんだろうね。

素敵じゃない?