2004年2月3日に日本を出発した第1次イラク復興支援群の先発隊は、翌4日にクウェートに到着しました。
クウェートでは、イラク・サマーワに陸路で移動するためのリハーサルや車両走行訓練を行い、先発隊約90名のうちの約40名が、第1陣として8日にサマーワに向けて出発しました。
前回の先遣隊のイラクへの移動時とは違い、今回はオランダ軍の護衛は無く、陸自の先遣隊の先導での移動となりました。
住民に歓迎されながらのサマーワ到着です。
それでは、先発隊の第1陣がサマーワ入りした当日、2004年2月8日のイラク派遣部隊活動報告を見てみましょう。
◎サマーワ主力
・先発隊第1陣受入
先発隊第1陣は、0500キャンプ・バージニア発、0725サフワン、1218シダーに、サマーワのキャンプ・スミッティへは1703それぞれ無事到着。
先遣隊はキャンプ・スミティにおいて先発隊の受入を実施した。人員・武器・装具等異常なし。
(キャンプ・バージニアはクウェートにある米軍の宿営地。キャンプ・スミッティはサマーワのオランダ軍宿営地。)
キャンプ・スミッティに到着し整列する先発隊第1陣。
12時間超の移動、お疲れさまでした。
佐藤隊長と清田先発隊長、がっちり握手。
ヒゲの兄弟コンビ、イラクの地で結成の瞬間です!
・陸自宿営地役務業者監督・指導
陸自宿営地の役務作業の進捗状況把握するとともに、監督・指導を実施。
◎クウェート分遣班
・先発隊のイラクへの移動支援
・本日の先発隊第2陣の移動・展開の事前調整
◎バクダッドLO
・治安情勢の収集
◎バスラLO
・バスラLOの受入及び先発隊第1陣の受入れ支援
〇自爆テロ関連情報
2月6日1710頃、自爆テロ(VBIED)を計画している車両(白色の日産ピックアップトラック)に類似した車両がCPA施設前の検問所付近で確認され、ルマイサ市に北上したとの情報あり。本情報に基づきキャンプ・スミティの蘭軍が出動したが発見できず。
(VBIEDとは自動車に設置された爆発物、または、そのような爆発物が設置された自動車のこと。
CPAは連合国暫定当局の略称。アメリカ軍を中心としてイラクの政府体制を再建しようとする連合暫定施政当局のこと。)
〇サマーワ
・2月5日1200、サルマン(サマワ南西100㎞)駐留の海兵に対してICDC(イラク民間防衛隊)を増強配置
(ICDCはIRAQ CIVIL DEFENSE CORPSの略。CPAによって作られたイラク市民による防衛隊。)
・2月6日0858、給水塔の東側で銃声、■■■■が調査した結果、イラク人1名が死亡しているのを発見。祝砲による流れ弾によるものと思われるが捜査中
・2月7日1250頃、CPA施設前において約60名によるデモが実施されたが1326、特に混乱なく終了。デモの理由は給料未払いに抗議したもの。この際、■■■■が出動したが監視のみの対応で終了。
・ドラッグの密売人が活動中
〇ルマイサ
2月7日ルマイサ市において蘭軍により実施されていたICDC2コ小隊の教育が終了し、蘭軍との共同巡察を開始
〇ヒドル(Khidr)(本日より左記の読み方に修正します)
2月6日に手交された評議会に対する非難の署名は5000名分
〇ムサンナ県全般の評価
・最大の脅威は失業問題
・蘭軍及び自衛隊に対する攻撃の明確な兆候なし。
・テロリスト等の細胞は見られない。
しかし、祝砲の流れ弾に当たって自分が死んじゃうなんて、この人も思ってなかったでしょうね。
ところで、テロリスト等の細胞って何だろう。
何かの変換ミス?と思ったら、政党・政治団体の基礎組織のことを細胞って言うそうな。
知らんかった。
日々業務内容(CJTF-7LO)
(CJTF-7はCombined Joint Task Force 7の略。イラクに展開する米英軍の統合連絡所の中に設置された、各国の連絡将校がいる部署のこと。)
●ナショナルLO
・コンテナハウス設置業務
本日、業者とコンタクトできたが、業者がIDを忘れたため基地内に入れず、明日に持ち越しとなった。
ま、まさか、1月31日の日報でCJTF-7内コンテナの内装業者が現れず、担当者を交代させるという記述がありましたが、それの進展がやっと今日?
でも、ID忘れて基地に入れなかったと・・・。
更に、
問題点
・コンテナハウスへの電気配線を依頼したが、未だ実施されず。
なんだか、コメントに困りますね。
自衛隊って、電気配線とかも自前で出来ちゃいそうなイメージですけど、自分たちでやっちゃった方が早いんじゃないの?なんて思ってしまう。
クウェート所在部隊業務報告(陸幕展開支援班・クウェート分遣班)
その他(教訓・要望事項等)
海自対応としてシュアイバ港、シュワイク港を研修したが、おおすみは両港とも接岸可能との認識。分遣班としては、港からCVまでの輸送の容易性(①距離:シュアイバ港~110㎞、シュワイク港~60㎞、②燃料補給、③安全性)、港周辺地域の治安状況(シュアイバ港において12月に米軍が銃撃を受け官民あわせて11名負傷)を考慮すると、シュワイク港を使用する方が有利であると思料。海幕と調整して頂きたい。
(CVはキャンプ・バージニアの略だと思われます。)
クウェートって、なんとなくイラクよりも安全そうなイメージがありましたが、そうでもないんですね。
輸送艦おおすみを迎え入れるための裏では、このように働いている自衛官の方がいらっしゃったのですね。
クウェートでは、イラク・サマーワに陸路で移動するためのリハーサルや車両走行訓練を行い、先発隊約90名のうちの約40名が、第1陣として8日にサマーワに向けて出発しました。
前回の先遣隊のイラクへの移動時とは違い、今回はオランダ軍の護衛は無く、陸自の先遣隊の先導での移動となりました。
住民に歓迎されながらのサマーワ到着です。
それでは、先発隊の第1陣がサマーワ入りした当日、2004年2月8日のイラク派遣部隊活動報告を見てみましょう。
◎サマーワ主力
・先発隊第1陣受入
先発隊第1陣は、0500キャンプ・バージニア発、0725サフワン、1218シダーに、サマーワのキャンプ・スミッティへは1703それぞれ無事到着。
先遣隊はキャンプ・スミティにおいて先発隊の受入を実施した。人員・武器・装具等異常なし。
(キャンプ・バージニアはクウェートにある米軍の宿営地。キャンプ・スミッティはサマーワのオランダ軍宿営地。)
キャンプ・スミッティに到着し整列する先発隊第1陣。
12時間超の移動、お疲れさまでした。
佐藤隊長と清田先発隊長、がっちり握手。
ヒゲの兄弟コンビ、イラクの地で結成の瞬間です!
・陸自宿営地役務業者監督・指導
陸自宿営地の役務作業の進捗状況把握するとともに、監督・指導を実施。
◎クウェート分遣班
・先発隊のイラクへの移動支援
・本日の先発隊第2陣の移動・展開の事前調整
◎バクダッドLO
・治安情勢の収集
◎バスラLO
・バスラLOの受入及び先発隊第1陣の受入れ支援
〇自爆テロ関連情報
2月6日1710頃、自爆テロ(VBIED)を計画している車両(白色の日産ピックアップトラック)に類似した車両がCPA施設前の検問所付近で確認され、ルマイサ市に北上したとの情報あり。本情報に基づきキャンプ・スミティの蘭軍が出動したが発見できず。
(VBIEDとは自動車に設置された爆発物、または、そのような爆発物が設置された自動車のこと。
CPAは連合国暫定当局の略称。アメリカ軍を中心としてイラクの政府体制を再建しようとする連合暫定施政当局のこと。)
〇サマーワ
・2月5日1200、サルマン(サマワ南西100㎞)駐留の海兵に対してICDC(イラク民間防衛隊)を増強配置
(ICDCはIRAQ CIVIL DEFENSE CORPSの略。CPAによって作られたイラク市民による防衛隊。)
・2月6日0858、給水塔の東側で銃声、■■■■が調査した結果、イラク人1名が死亡しているのを発見。祝砲による流れ弾によるものと思われるが捜査中
・2月7日1250頃、CPA施設前において約60名によるデモが実施されたが1326、特に混乱なく終了。デモの理由は給料未払いに抗議したもの。この際、■■■■が出動したが監視のみの対応で終了。
・ドラッグの密売人が活動中
〇ルマイサ
2月7日ルマイサ市において蘭軍により実施されていたICDC2コ小隊の教育が終了し、蘭軍との共同巡察を開始
〇ヒドル(Khidr)(本日より左記の読み方に修正します)
2月6日に手交された評議会に対する非難の署名は5000名分
〇ムサンナ県全般の評価
・最大の脅威は失業問題
・蘭軍及び自衛隊に対する攻撃の明確な兆候なし。
・テロリスト等の細胞は見られない。
しかし、祝砲の流れ弾に当たって自分が死んじゃうなんて、この人も思ってなかったでしょうね。
ところで、テロリスト等の細胞って何だろう。
何かの変換ミス?と思ったら、政党・政治団体の基礎組織のことを細胞って言うそうな。
知らんかった。
日々業務内容(CJTF-7LO)
(CJTF-7はCombined Joint Task Force 7の略。イラクに展開する米英軍の統合連絡所の中に設置された、各国の連絡将校がいる部署のこと。)
●ナショナルLO
・コンテナハウス設置業務
本日、業者とコンタクトできたが、業者がIDを忘れたため基地内に入れず、明日に持ち越しとなった。
ま、まさか、1月31日の日報でCJTF-7内コンテナの内装業者が現れず、担当者を交代させるという記述がありましたが、それの進展がやっと今日?
でも、ID忘れて基地に入れなかったと・・・。
更に、
問題点
・コンテナハウスへの電気配線を依頼したが、未だ実施されず。
なんだか、コメントに困りますね。
自衛隊って、電気配線とかも自前で出来ちゃいそうなイメージですけど、自分たちでやっちゃった方が早いんじゃないの?なんて思ってしまう。
クウェート所在部隊業務報告(陸幕展開支援班・クウェート分遣班)
その他(教訓・要望事項等)
海自対応としてシュアイバ港、シュワイク港を研修したが、おおすみは両港とも接岸可能との認識。分遣班としては、港からCVまでの輸送の容易性(①距離:シュアイバ港~110㎞、シュワイク港~60㎞、②燃料補給、③安全性)、港周辺地域の治安状況(シュアイバ港において12月に米軍が銃撃を受け官民あわせて11名負傷)を考慮すると、シュワイク港を使用する方が有利であると思料。海幕と調整して頂きたい。
(CVはキャンプ・バージニアの略だと思われます。)
クウェートって、なんとなくイラクよりも安全そうなイメージがありましたが、そうでもないんですね。
輸送艦おおすみを迎え入れるための裏では、このように働いている自衛官の方がいらっしゃったのですね。
「自衛隊が好き」でいて下さって
ありがとうございます。
読者登録させていただきました。
ご主人の背中を見て育ったお子さんが、同じ道を志す。とても素敵なご家族ですね。
これからも微力ながら自衛隊を応援していきますので、どうぞよろしくお願いします。