【義経の性格分析をすれば】
「義経」第九話を観た。私の中で今回の大河ドラマの制作上のコンセプトが見えてきて、興味が潮のように引いてゆくのを感じる。
その第一の理由は、まず昨年の新選組の近藤勇同様、歴史の事実を無視した人格の形成が見られることだ。ある意味で、昨年の「近藤勇」と今年の「義経」の人格は、、優柔不断な悩み深き男という点で、類似性がある。この原因は、作者が、現代にアピールする「ヒーロー . . . 本文を読む
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【ハムレットのような優柔不断な義経は見たくない】
第六話が終わった時、やっと牛若自身の長いモラトリアムが終わって、やっと腹を固めて、奥州に行くのかと思った。そうしたら、父の仇討ちに燃える義経の勇姿が見えるものばかりと思っていた。ところがどうだ。第七話が始まった途端、わが義経は、優柔不断にも、まだ長いモラトリアムの渦中で、思い悩んでいるではないか。いったいここまで、義経の腹固め(アイデンティティ . . . 本文を読む
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【何故一話完結のストーリーにしないのか?】
今回でドラマは、第六回を数えるが、一回ごとのストーリー展開の手法が、始めにヤマ場を作り、後で説明するやり方に終始している。第一回目の一ノ谷から始まり、第五回の五条の大橋での決闘。今回の春慶一味との対決もそうであった。見終わった後、何か物足りなさを感じてしまうのは、実はこの先にヤマ場を持ってくるストーリー展開にあると思われる。このまま、しり切れトンボの . . . 本文を読む
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【義経と弁慶の物語考】 義経と弁慶という二人の物語として作られている義経記は、その多くは史実ではない。創作されたエピソードが鏤められている。前半のハイライトとも云える五条天神での出会いのシーンも残念ながら史実ではないと思われている。しかしながら、その創作されたエピソードの中に、日本人が愛する弁慶と義経がいる。これは疑いようのない事実だ。
義経は日本人のイメージの中では、童子の姿をしている。要する . . . 本文を読む
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【リアリティなき派手さ】 だんだんワクワク感がなくなってきた。原因は、再三指摘しているが、シナリオの構造上の問題にある。作り手の歴史観や哲学の問題であろうか。配役やディテールにこだわり過ぎていて、大きなことを忘れているのではないだろうか。今回も唐突に、静を登場させるなど、意味不明なストーリー展開だ。それに説明的なセリフが多いのも気になった。清盛の娘徳子の入内(じゅだい=天皇に后になること)問題を語 . . . 本文を読む
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【どんどんシナリオ構成上の矛盾が露呈してきている】
はっきり言って、これまでの四話で一番詰まらない巻。第三話で終わらなかったアイデンティティの確立が出来なかったために、グズグズとこの四話でも、説明しなければならないことになった。それ以外でも非常に安易な前後を考えていないシナリオの構成に辟易させられた。同じ創作物でも「義経記」の内容と比べ遙かに劣ると言わざるをえない。
<第四話のあらすじ>
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【義経は一人っ子社会の甘えん坊少年のようにも見えた?!】
どうも少年の義経を取り巻く周囲の人物が皆優しすぎるのが気になる。仇の清盛も継父の長成も、唐突に登場した鬼一も皆義経を温かい目で見守っている。こんなことでは、甘えん坊の義経になってしまうだろう。この第三話、己の出自を聞いて、天才の目覚めと成るべきで章であったが、メソメソばかりして、勉学修行にも励まず夜中に鞍馬を下っては都に古い仲間に会いにゆ . . . 本文を読む
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【清盛とはどんな人物だったのか?】
NHK大河ドラマ第2話「我が父清盛」を観た。どんどんと昼メロ的に近づいてゆくようでもある・・・。
第二話のあらすじ
母常磐とふたりで清盛を父のように慕い清盛の子らと仲よく成長する牛若。
ただ次男宗盛とは微妙な対立関係にあり、後の源平合戦の様相を暗示する。
架空の人物うつぼとの出会い。
清盛の常磐への偏愛と妻時子の嫉妬。
常磐、清盛の子「能子」を生む。
政治 . . . 本文を読む
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【深みのない清盛の人物像に難あり】
<第一話のあらすじ>
プロローグ 一ノ谷合戦(イメージ)
平治の乱での父の死
頼朝の捕縛
母に抱かれて義経ら三兄弟の雪中逃亡
常磐唐突に助けられて粥をすする
常磐自害(母子心中)を仏を見て思いとどまる
頼朝の取り調べ
母の捕縛を知り常磐の六波羅への投降
常磐の取り調べ
池禅尼(清盛継母)の頼朝の命嘆願
狂言回し(お徳)による清盛への暗示(常磐は清盛の実母に似 . . . 本文を読む
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