大河ドラマ「義経」 覚え書き 第二十一話 中

【平塚良郷なる人物のモデルは上総介広常か!?】 さて今回のエピソードの中で、妙な人物が登場した。「平塚良郷」(いったいこの人物は誰なのだ??)とかいう武者である。結構な年配で、この男、生来の無骨者と見えて、酔に任せて頼朝に意見をする。木曾義仲の息子の義高を早速殺害すべきだというのである。これに対して頼朝は、あれは人質ではなく、大姫の婿と言い張る。 更に良郷は言い放つ。もしも義仲と争うことになっ . . . 本文を読む
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渡辺保著「源義経」を推薦する

【吉川弘文館の人物叢書「源義経」】 日本で源義経という人物ほど、実像に迫りにくい人物はいない。その生涯が謎に満ち、伝説という衣が帳(とばり)のようにして、この人物を覆っているからだ。しかし著者は、あえて真実に迫るためにこの伝説や伝承などを排除し、信頼に足りる史料(特に「吾妻鏡」と「玉葉」)を使って、義経の真実の姿を浮かび上がらせてようと試みる。これは源義経の真実に迫ろうとする知的冒険の書である。 . . . 本文を読む
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大河ドラマ「義経」 覚え書き 第二十一話 上

【マクベス夫人のごとき北条政子で良いのか!!】 大河ドラマ「義経」第21話を観た。見るに耐えない限界を越えた硬直化したシナリオ。わずかに義高と大姫の登場で、柔らかさを出しているが、弁慶の千鳥の立て膝の生足の場面など下品の極み。それにしても、熊野水軍の頭目の息子であると言われる弁慶が、実はカナズチで、この猟師の娘の千鳥という架空の女性に助けられたというあり得ない話で、弁慶のテレ振りなど、流石のマツ . . . 本文を読む
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腰越の満福寺のふすま絵の謎を解く

「義経弁慶雪中行軍の図」(宮本忠作1981年 腰越満福寺所蔵) 【義経記における主役交代の謎と意味について】 腰越の満福寺に実に印象深い義経と弁慶を描いたふすま絵がある。このふすま絵は、1981年から1985年にかけて、漆画家宮本忠(1946-)氏が渾身の思いで彫り上げた作品で、雪の中を奥州へ落ち延びてゆく姿を描いたものである。江ノ電の腰越駅にもこの絵が紹介されているほどの傑作だ。おそらく満 . . . 本文を読む
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大河ドラマ「義経」 覚え書き 第十九話 中

 【後白河院と丹後局の異様】 平幹二朗の後白河院の演技が少し妙である。それに輪をかけて髪を逆なでた夏木マリの丹後の局は異様を通り越してやり過ぎだ。あんな異様なキャラクターを作る必要がどこにあるのだろう。院内部には、化けネコが棲んでいて、腐りきっているとでも言いたいのであろうか。それにしても穿った演出で、後白河院の「必死」の生き様がストレートに感じられないのは残念である。 よく考えて見ると、後 . . . 本文を読む
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大河ドラマ「義経」 覚え書き 第十九話 上

【本当の北条政子は気配りの人だった!?」】 大河ドラマ「義経」19話を観た。正直少し飽きてきた。もうドキドキ感がない。理由は、どの程度のドラマかということが分かってきて、新しい発見があるようには思われないからだ。家族の絆をを中心に描くという原作者の意図は、明らかに空振りに終わっている。平家では、ひとり宗盛の無能さを強調し、平家滅亡の原因は、彼の無能さに起因しているような描き方にすら思える。 . . . 本文を読む
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判官贔屓 11 「判官贔屓の深層心理」

今週は、大河ドラマ「義経」第19話を見ていないので、これについての論評は、来週以降になります。そこで今日は、「判官贔屓の深層心理」というテーマで次のようなことを書きます・・・。 【判官贔屓の深層心理】 ヨーロッパで北野武のドキュメンタリー映画「北野武 神出鬼没」が話題だという。フランスの映画監督ジャン=ピエール・リモザンという人物が作ったもので、1999年、映画評論家の蓮實重彦のインタビューを . . . 本文を読む
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大河ドラマ「義経」 覚え書き 第十八話 上

【清盛の死の瞬間を推理する】 18話を観た。一言で「義経はここまで来てもグズグズと清盛を父として慕っているのか?!」ということに尽きる。あり得ないストーリーだ。最初のボタンの掛け違いで、こんな無様なハムレット擬(もど)きのニセ義経になってしまったということだ。 仇の清盛の死を悼んで義経が悲しんで経をあげているのも実に奇妙だ。実際の義経の感覚では、仇の首をこの手で上げて、父義朝の墓前に懸けるつ . . . 本文を読む
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大河ドラマ「義経」 覚え書き 第十六話 下

【養和元年の鶴岡八幡宮での義経馬引き事件の真相を推理する】 養和元年(1181)7月20日、鶴岡八幡宮若宮宝殿の上棟式において大工に与える馬を義経が引かせるという出来事があった。一見すると、郎等の者が行うべき役回りを頼朝が実の弟の義経にさせたということで、取るに足らないエピソードのようにも思われる。それが吾妻鏡に記載されるほどの騒ぎであったとすれば、周囲にも波紋を呼んだ大きな事件だったのだろう . . . 本文を読む
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大河ドラマ「義経」 覚え書き 第十七話 上

【何故弁慶というキャラクターは創作されたのか!?】 第17話を観た。創作とは言え、余りに稚拙な筋にまともに論評をする気も失せてしまった。今回はまず「弁慶の泣き所」という題で、「女嫌いという設定の弁慶が恋」をするということだったが、事もあろうに、「義経記」では、紀伊国は田辺の出自(島根の出雲説もあり)という弁慶が、「カナズチ」で、海辺で体を洗っていたら足を滑らせて溺れ、女性に救われるというものだっ . . . 本文を読む
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