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ブログ小説 過去の鳥

淡々と進む時間は、真っ青な心を飲み込む

犬の仇という論理

2008-12-04 20:45:07 | 似非エッセー
元次官ら連続殺傷 「防衛汚職…妻も悪」 小泉容疑者供述 午後にも再逮捕(産経新聞) - goo ニュース

 小泉容疑者の犯行動機。
 犬の仇をうつためとは信じられないという人が多い。が、僕は彼を信じる。
 彼は本当に犬の仇を討ちたい、という妄想が膨らみ、それが強固な信念に変容し、復讐へとつながったのだ。
 ペットロスは、大きな心の痛みを生む。普通の人は、時間の経過とともに薄れ癒される。が、時には癒されることのない人もいる。それがうつ病の原因となることこともある。
 小泉容疑者は、チロと名付けた犬の毛を、いまだに持ち続けていたことからもわかるように、ほんとに犬を愛し、犬の仇討をしたかったのだ。
 が、誰に仇討すればよいのかわからなかった。
 そこで見えて来たのが官僚。で、その復讐のために生き続けて来たのだ。それは、彼にとって極めて正当なことで、何らやましいことと思っていないのである。だから、顔を隠すような姑息なこともせず、堂々と胸を張って連行されているのだ。
 
 で、こういう犯人をどう裁くのか、極めて悩ましい。裁判員制度でもしぼくが加わって裁くことになれば、どう判断すべきかということ。
 まず有罪でああることは確か。本人も認めているし、上申書まで書いており、犯行の全容は明らかになるはず。身辺整理をしており、逮捕され、極刑になることは十分に覚悟している。いや、死刑を覚悟というより、望んでいる気配すら感じる。人生にもう未練は何もない、などと述べているようなのだから。
 ぼくは、この男の量刑を死刑が妥当かという問題で、まず壁にぶつかる。
 死刑とは、褒美ではなく、刑罰なのだ。しかし、小泉容疑者に死刑を宣告することは、褒美のように思えてならない。
 自殺できないから他人をたくさん殺して逮捕される。そうすれば、国が死刑にしてくれる。だから、たくさんの人間を殺そう。
 そんな犯罪は、土浦や秋葉原で発生している。車で通行人をひき殺した連中もいる。で、望みどおりに死刑にしてくれるなら、俺も人を殺そう、なんて模倣犯が、もっと現れるかもしれない。
 大阪の池田の小学校の事件の犯人も、死刑になることを自ら望み、早々と刑も執行された。
 死刑制度は、本来は重大な犯罪の抑止のためにあるはずなのに、死刑があることによって殺人を犯す連中もいるのだ。

 さて、裁判員制度で、今度は裁判員が刑を言い渡すことになる。死刑を宣告することは、たとえどんなに凶悪な犯罪者であったにしろ、その人物を殺すことになるのだ。つまり、殺人を行うのだ。評議の過程で、裁判員はそのことを感じ、心の迷いが生まれるのでは。
 僕としては、今増えている死刑判決が、裁判員制度では減るような気がするが、はたしてどうだろう。

 僕は、小泉容疑者の心理や精神構造の解明のためにも、死刑ではなく終身刑にして、研究者が調べ上げるべきと思う。このような犯罪防止に役立てるためにも。死刑にしてしまえば、生きた教材は消えるのだし。

驕れるトヨタは久しからず

2008-11-14 07:47:21 | 似非エッセー
マスコミに報復してやろうか=厚労行革懇の会合で-奥田座長(時事通信) - goo ニュース

 トヨタの驕りはもはや末期的。トヨタ車に乗るのは恥ずかしい。
 という声がちらほら聞こえるようになってきた。

 トヨタの異常さは、奴隷に近い期間労働者の雇用に典型的。今回の不況でも、2000人を簡単に切ってしまう情け容赦のなさ。それによって支えられている企業。
 ともかくでかい企業のでかい面は醜い。まさに企業のパワハラ。
 とはいえ、日本の経済は、このような醜悪な企業に支えられている現実。困ったものだ。

トップの無責任は許せるのか

2008-10-25 05:28:40 | 似非エッセー
舛添厚労相と石原知事が火花 妊婦死亡責任めぐり応酬(朝日新聞) - goo ニュース

 こんな無責任な応酬を、国民、都民は許せるのか。トップとして破廉恥極まりない態度である。
 医師不足を招いてきたのは、厚労省の無策であったのは否めない事実であり、完全な医療体制を組めなかった東京都のおざなりな体制も、自治体としての無能ぶりを露呈している。その反省もなく、互いに責任転嫁するなんて、言語道断である。こんなにも程度の低い大臣、都知事を持っていることは、国民都民の悲劇だ。
 まるで他人事のような態度。
 トップがこんなことでは、絶対にシステムは改善されない。これからもますます悲劇的なケースが増えていくだろう。
 病院でも、無責任体制が蔓延。国や都の無責任体質をそのまままねたかの様に、つじつまの合わない言い訳。ほんとに情けない。

 国は、医師の使命感を踏みにじってきた。福島の例でも、懸命に医療にあたり、不幸にして救えなかった医師を逮捕してみたり。医師は、人の命を救って当たり前、という考えはおかしい。救えないことだってあるんだ。
 こんな冷たい仕打ちを受けるなら、命にかかわる医療の現場を敬遠する医師が増えるのも当然。
 医師不足を解消するために、医療の切り捨てを施策として打ち出してきた厚労省は、国民の命を守る施策に転換すべき。でも、舛添さんには無理だろうね。厚生労働省の官僚の言いなりにしかなることができないその禿げた頭では。


文化は消えていく

2008-10-24 06:51:51 | 似非エッセー
 知人のSさんは、ちょっとは名の知れた映像作家。多数のビデオパッケージやテレビのドキュメンタリー番組を手掛けてきた。賞もかなりの本数でとっている。
 が、最近は仕事がないという。作りが古風なのと、仕事が遅いことによる。さらに不況で、企業がビデオを作らなくなった。
 彼は最近は、ケーブルテレビやCSの仕事でかろうじて生活している。
 それらは受注額が低い。驚くほど低い。そのくせ、仕上がりの質を求めてくる。それもエンターテイメント性を強く求めるのだ。NHKや民放キー局と比較して。予算は比較にならないほどだというのに。
 Sさんは、なかなかついていけない。自分の息子の年代のプロデューサーにみそ糞にいわれ、それでも耐え、先日一本の番組を作り上げた。自分の感性を無視され、プロデューサーの言うがままに作った屈辱の作品。金持ちのリゾートを紹介する、彼にしてみれば最悪のテーマ。
 彼はもう最後にするという。
「今の世の中、映像はただの情報にすぎなくなったのですね。じっくり味わう鑑賞の対象ではないのです。映像が隠れてしまうほどスーパーがいっぱいで、ナレーションをのべつ幕なしに叩きつけるようなもの、僕には作れないですよ。それに、こんな奴隷のような下請けの仕事。僕らのじっくり鑑賞するための作品作りの仕事は、もう求められていないんですね。つくづく感じました。もうおしまいだと。潮時だから、引退します。と言っても、年金までまだ何年かあるし、仕事はガードマンくらいしかないのですかね、工事現場の交通整理の」

 日本の片隅で、また一つ大切な文化の火が消えていく。
 

見抜けば困るから見過ごしてきただけ

2008-09-11 10:31:42 | 似非エッセー
農水省の調査、節穴 事故米点検96回、一度も見抜けず(朝日新聞) - goo ニュース

 いかにも農水省の役人の目は節穴のような記事の書き方だが、これは違う、と友人の石川さん。

「農水省の役人は、知っていたのですよ。その方法を伝授したのも、役人という噂があるんだから。だって、いくら脳みそがからっぽで、威張ることしか能のない馬鹿役人でも、96回も点検して一度も見抜けないはずがない。そりゃ、袖の下で見過ごしていたに決まっている。だいたい、農水省と言えば、肥後のゴキブリと呼ばれた松岡某が大臣になるほど、腐りきった役所ですよ。今の太田とかいう男だって、誰が見ても詐欺師だし。上がこんな塩梅で、ろくな役人がいるわけがない。だいたい、点検とか査察とかいうものは、接待を受けるために行うもの。今回の事件も、役人は、酒造会社への転売を知っていたけど、事故米の引き受け手、という汚れ役を受けてくれる業者への目こぼし。これが、日本の霞ヶ関の現状なんですよ。国民の安心や安全など、官僚にはどうでもよいのだ」
 
 あいもかわらぬ石川さんの毒舌。
 まあ、本当化もしれないけど、僕らは国を信じるしかないしね。

日本の農業なんてどうでもよい?

2008-08-27 06:35:11 | 似非エッセー
太田農水相、辞任を否定=町村長官は事情聴取の意向-事務所費問題(時事通信) - goo ニュース

 政府にとって、日本の農業はどうでもいい、というスタンスらしい。
 農水大臣の質の低さに、それがよくあらわれている。肥後のゴキブリと言われ、最後は自殺をした大臣、絆創膏を貼ったいかさま大臣、そして今回。
 日本の農家は、多くが苦しんでいる。畜産農家は、飼料の高騰に泣き、地方の水田や畑では耕作放棄が目立つ。一方で、マネーゲームで潤う連中がいる。生産者が潤わず、マネーゲームの連中に利益を巻き上げられる構造。これを奨励し、助長してきたのが日本政府であり、アメリカ政府。
 だから、農水大臣には、できるだけ無能な人物を当ててきた。そういう思惑が見えてくる。
 それにしても、農家の皆さんはいい面の皮。

 最近、東京方面は雨が続いていたが、今日は久しぶりに日が差している。が、自宅でたまった仕事をこなさねば。まずは、コーヒーを沸かして。
 

お役人様に逆らえない日本

2008-07-31 08:30:51 | 似非エッセー
外務官僚ホテル代踏み倒し 1泊5万円で3百日間(共同通信) - goo ニュース

 いいね、お役人様は。
 給料も高いし、身分の保障はあるし。
 僕なんか、一杯280円のかけそばを食い逃げしても逮捕されるのに、
 お役人様の場合、1500万円踏み倒しても平気。

 そういえば、あの感動の嘘話「いっぱいのかけそば」を作った栗とかいう作者。
 旅館代を踏み倒して逮捕されたことがあったっけ。
 でも、害毒を垂れ流すくせに害無省を標榜するお役所のお役人様は、
 どこ吹く風の知らん振り。
 この官僚は逮捕もされないんだろうね。
 何せ後ろには、日の丸の代紋があるんだもの。
 代紋に逆らうやつは売国奴。
 やくざの皆さんだって、ここまでえぐい踏み倒しはしないだろうが、
 さすがに国家公務員の代紋は強い。
 まあ、1500万なんて金は、社保庁の年金詐欺の金額に比べれば、屁のようなものだが。
 
 
 

コネ社会日本

2008-07-30 08:03:42 | 似非エッセー
大分教員採用汚職 「体育実技零点」に加点 矢野被告の長女 07年度試験 20数点に水増し(西日本新聞) - goo ニュース

 こういうのって昔からあったこと。何を驚くのかという問題。
 市役所や町役場には、土地の名士の子弟がごろごろ。あれなんかどう考えてもおかしい。
 と、友人の石川史雄さんは大憤激。

 とくに、地方議員の息子は、なぜか市町村の職員が多い。これは、調べてみると明らか。まっとうに試験を受けて入ったとは考えられない連中も多い。ある程度勤め上げ、地方議員に、というルートが出来上がっていたりする。日本はそういう社会なのだ。
 教員の子弟は教員に、医者の子弟は医者に、国会議員の子弟は国会議員に。
 そしてフリーターの子弟はフリーターに。
 いや、フリーターでは子供を作れないのが現状。

 格差社会を作ってきたのは、こういう封建社会的な硬直化した社会システム。
 口利きは、国会議員をはじめ、議員たるものの役目という風潮。こうした腐敗が、住みやすい日本を作り出しているという意見も。
 石川さんの話によれば、氷山の一角を崩しても、疑心暗鬼の渦が巻くだけとの指摘もあって、更なる荒廃が教育の現場にもたらされるだけとのこと。また、モンスターペアラントの力が増していくんだろうね。と、石川さんは言うが。

山本モナという現象

2008-07-13 07:36:43 | 似非エッセー
 山本モナの行動が顰蹙を買っている。
 が、僕はそうは思わない。彼女は魅力的であり、性的にも自由奔放である。ただそれだけのこと。イスラムの国ではないのだから、不倫は自由。法的にまったく問題のないこと。
 男女が出会い、互いに気分が高揚し、性的関係を持つ。これは昔からあったこと。当たり前の話ではないか。
 僕だって、結婚前はそうだった。僕の友人たちにも、そんな連中が多かった。なのに、芸能人というだけで、節操や倫理を求めるのはいかがなものか。
 彼女への批判の声は大きい。キャスターとして復帰したばかりで起こした事件、ということで、周辺の反応もよろしくない。が、彼女にはそういう危うさが魅力でもあったのでは。僕は、そんな人間の正直さを持ったキャスターの方が、まっとうなニュースを伝えられる気がする。たかが不倫で、才能を発揮する場を失うなんて、なんだかねえ。
 山本モナさんは独身であり、男とホテルにしけこむことにいささか問題ないと思う。仕事に支障が無ければ、プライベートなことはあれこれ口を挟むべきではない。
 問題なのは二岡選手。妻子があり、肉離れで戦列を離れているプロのスポーツ選手。その男が未明まで飲んだくれていること自体が問題。健康管理を怠る選手など、プロと呼べない。僕が監督なら、二度と使わない。

 それにしても、モナさんの行動に目を光らせていた連中、なんだか嫌な感じ。スキャンダルで飯を食う世界。こいつらは、気分が悪い。未明まで、人の後ろをつけまわして覗き見するヤカラたち。僕は、こういう連中によって人生を狂わされるモナさんに同情する。

 こんなことを書くと、また非難の声がきそうだが。
 ともかくモナちゃん、がんばれ。

過ちを許されない日本

2008-07-02 10:26:29 | 似非エッセー
監督解任厳しさ指摘 伊紙が落書き問題で特集(共同通信) - goo ニュース

 前にも書いたが、この件は日本人の精神風土をよくあらわしている。
 過ちは許されないのだ。
 おびただしい落書きの書かれた場所で、ふと落書きをしたくなる気持ち。これは日本人の誰にでもあること。なのに、許されないのである。
 でもって、日本の恥、のような言葉もあるが、いかがなものか。

 たとえば駅前の放置自転車。たくさんの自転車が放置されていると、自分もよいのでは、と思い、つい乗り捨てていく。そんな光景はよく見られる。どこの駅でも。
 その駅前で見た光景。
 シルバー人材センターのキャップをかぶった頑固そうな老人が、放置自転車をして行こうとする若者に注意。
「あんた、駄目だよ。ここに置いちゃいけないと書いてあるでしょう。放置自転車は、通行の迷惑になるんです。あっちの駐輪場においてきてください」
 そのあと、老人はひとくさり。
(ほんとに最近の若いモンはしょうがない。マナーも何もあったものじゃない)
 そういいながらタバコを吸い、吸い終わると路上にポイ。老人は何事もなかったかのように、自転車の放置に目を光らせ、若い連中に注意を続ける。

 そういうものなのだ。
 どうってことのない問題。

 動物虐待を非難しながら、牛や鶏の肉を食い、自然保護の運動をしながら、排気ガスを出す。
 ぼくなんか、野鳥観察のマニアでありながら、焼き鳥が大好物。
 まあ、何だろうね。

 落書きぐらい、いいじゃないの。