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ブログ小説 過去の鳥

淡々と進む時間は、真っ青な心を飲み込む

詩を詠みはじめて

2015-02-07 21:40:50 | 爆裂詩


久しぶりの更新です

詩を書く
と言えばそれっぽいが
ぼくにさほど才能があるとは思えない
で、詩を詠むことに
音楽をつけ
語る
まだ、はじめたばかり
ユーチューブなるアイテムで

皆さん
お暇で興味のある方
小生の肉声
とはいえ多少加工
これから折りにつけ
叫びに似た詩で
皆さんの耳を汚したいと思います

むろん覗くのも無視するのも自由
芳太郎詩集、よろしく

https://www.youtube.com/watch?v=2ni_B9kBCzw



紅茶を飲む

2014-04-20 09:14:47 | 爆裂詩
とりあえず飲む朝の紅茶
花冷えの交差点
二日酔いの花粉症

ガラパゴス携帯
階下の孫の叫び声
イケアで買ったマグカップの紅茶
とりあえず飲む紅茶

また救急車の音響き
咲き始めた躑躅
昨日出かけた渋谷に
紫色の林檎

紅茶は冷め
韓国では若い命が海に消えたニュース
ひとりの死も300人の死も
本人には
イケアのマグカップは緑

いったいどれほどの命が
今日も消えていくのか
北でも南でも
西でも東でも
冷めた紅茶を飲みほした朝
どこかで命の終りが始まる


今日のさつまいも

2014-04-17 17:43:21 | 爆裂詩
近くのスーパーマーケットでさつまいもを買う
ひと箱に30センチの草鞋のような大きなイモが8本も入って398円
消費税を足すといくらになるかにわかに頭は働かない

ずっしりと60過ぎの五十肩に響く重さが悩ましく
天を見上げれば飛行機雲1本

サクラは散り
妻にまた蒸かすイモ番を頼み
仕事に没頭
となることが眼に見えている木曜日

明日までに仕上げる仕事は
イモの箱よりも重く
呻吟のあとには
また中味を抜いて持ち上げたフリの手抜きで終わる悲しさ
それが眼に見えているだけにせつない65歳

階下では妻のピアノが
老婆の歩行のようにたどたどしい

柿の若葉がウサギの耳のように柔らかく萌え
ぼくは投稿のボタンを押して
作業に戻ろうとしているが

繁殖の春

2014-04-15 11:03:06 | 爆裂詩
シジュウカラが囀る
繁殖の春
ハシボソガラスが叫ぶ
不吉なだみ声
救急車が走り
今日もどこかで人の命が終わっている

いのちはいつか終わる
必ず終わる
シジュウカラも新たな命をはぐくみ
やがて自らの命を
そういうものだと知りつつ
ぼくは亀田の柿の種をかじり
ネスカフェを飲む

仕事の手は止まったまま
あと三日で仕上げなきゃならないというのに
まだ入り口でうろうろ
65歳の徹夜は厳しいのに
こんな文字を叩きつづけたり

またシジュウカラが鳴いている
電柱の上かそれともテレビのアンテナの上
あるいは欅の梢

階下から立ち上ってくるラーメンスープの匂い
妻はそろそろ昼食のできたことを告げてくれるはず
シジュウカラはまだ鳴いている

2014-04-03 20:09:43 | 爆裂詩
 降っている 雨
 音が背中をなでる
 遠い国の地震で
 波が押し寄せてくるなんて
 警報でなく注意報
 ぼくは自宅で蕎麦を食う

 大島では警報が
 また山が崩れ人が死ぬのか
 あってはならないことがあるのが現実
 深爪をした親指が痛い
 フリーマーケットで買った靴は100円
 キャベツよりも安価な靴
 妻は風呂の用意
 ぼくは柿の種をかじる

 ああ
 今日も一日が終わろうとしている

 外は雨音

春が燃える

2014-03-29 17:11:14 | 爆裂詩
 妻の弾く稚拙なピアノの音が階下から響き
 春の生暖かい風が電線を震わせる
 フェイスブックに東北の友の更新した写真は
 まだ雪をかぶった山並み
 いいねをクリックすると
 階下で妻の手がとまる

 ピアノ
 上手になった と言えば皮肉に聞こえるし
 相変わらず下手だね などと言えば
 いや
 冗談でも口にできない言葉

 傷つける言葉は簡単
 傷を癒す言葉は難しい

 だから何も言わない
 言わないと不機嫌 

 ピアノがまた響き始める
 明日は孫の家族が来る
 3月31日が孫の誕生日 
 もう4歳になる
 4年前の今頃
 病院へ行ったり来たり
 そわそわそわそわ
 そしてもう4年
 わたしも妻も4歳老け
 フェイスブックに書き込み

 さあ
 休憩はここまでで
 作業に取り掛かろう

  

人生なんて なんて

2014-03-27 08:27:01 | 爆裂詩
 人生なんて 
 なんてことばはおいそれと
 ぼくには口にできない

 65年生き
 これが たった なのか
 も なのかわからないまま
 だらだらと生き
 100年もし生きるなら
 3分の2が過ぎ
 老人の仲間に入りながら
 達観もできず
 人生はシャボン玉のように空をさまよう心の中

 なのにぼくは 人生なんて
 なんて 時には思ってしまったり
 
 外で聞こえる建築の音
 カラスの声

 カラスが騒ぐと人が死ぬ
 と 信じていたのに
 空をオオタカが舞っていたためと知った謎解きのがっかり
 人生 なんて

 ぼくのMacはくるくるとレンダリング
 ファイナルカットでつなぐ嘘の世界
 その間にWindowsで文字を叩き
 このブログに
 詩なのか何なのかわからぬ文字の羅列
 読み手はいなくとも
 書く行為のむなしさは
 虚構の映像をつなぐむなしさに比べれば
 などと窓の外を見る

 雨はやんでいる
 人生なんて なんて言葉は言えない

 

朝の鳥

2014-03-17 05:27:47 | 爆裂詩
 近くの木立の上か
 それとも屋根の上
 朝の鳥が鳴いている
 たぶんあの鶯色の鳥
 いや 
 くすんだ褐色の鳥
 明けていく空

 プリントアウトしたコンテ
 カバンにねじ込み
 コーヒーと花粉症の薬を飲み
 支度はできた
 
 キーボードをたたく
 文字があらわれる
 ぼくは生きている
 高らかに生きている
 打ち出す文字で宣言してみる

 そろそろ出かけねば
 空が明るさを増している
 電車の音が聞こえてくる

 決定を押しPCを閉じる
 

春の風

2014-03-16 16:49:42 | 爆裂詩
 流れているのは春の風
 杉花粉をぼくの作業部屋まで運び
 くしゃみ2回
 3月16日
 飲み忘れていたロラタジン1錠
 冷めたコーヒーで胃袋に流し込む

 孫を連れてきた娘はピアノの鍵盤をたたき
 妻は夕食の支度
 ぼくは明日の仕事のコンテを
 相変わらずあれこれ悩みながら
 Windowsに線描
 四捨五入すれば70歳の午後17時

 外の公園では子どもたちのボールを蹴る音
 犬が叫び
 遠くでは救急車が叫んでいる
 また誰かが斃れたのか
 草が萌え若葉がそろそろ芽吹く
 春だというのに