ささやかなJUNKER

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しかし最近はジャンクとはご無沙汰です。

「くるすの残光」読了

2011-03-03 20:52:12 | Novels
二木英之の最新刊「くるすの残光 天草忍法伝」を読みました。
寛永十九年の春、天下泰平のお江戸は活気あふれる下町の貧乏長屋に、一人の少年が現われた。
寅太郎という名の少年は植木職人の仕事を手伝いひっそりと暮らし始めるが、彼は大きな使命を抱えた島原の乱の生き残りだった。
それは、主・天草四郎の復活と理想の国造りを成し遂げること。
そのためには、徳川幕府を裏で操る怪僧・天海が持ち去った七つの“聖遺物”を奪い返さなければならない。
だが、幕府は闇の精鋭“閻羅衆”を率いて、大掛かりな切支丹狩りを進めていた――。
異能の忍びたちの秘術を尽した死闘の行方は?
不思議な力を放つ聖遺物を手にする者は?

「僕僕先生」で第18回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した二木英之の時代伝奇小説です。
持つ者の力を強化し、人外の域にまで高めるという聖遺物をめぐり、天草四郎を復活させ、彼の下で今度こそ理想の国を造ろうとする「守護騎士」と切支丹の残党狩りを行う忍び集団との山田風太郎ばりのバトルを描きます。
面白いのは、異能の守護騎士が江戸の裏長屋に普通に暮らしており、植木職人の夫婦がこの忍法バトルに巻き込まれます。
長屋で明るく暮らす植木職人にとって、切支丹の存在や、彼らと幕府の忍びの死闘などは全く無縁のものなのですが、この人物の視点から物語られるところが独特です。
さて、物語はどう考えても続編がありそうな終わり方で、今後の破天荒な展開に期待したいものです。


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