九十九乱蔵再臨!「闇狩り師 黄石公の犬」

本日は仕事でした。
合間を縫って、夢枕獏の「闇狩り師　黄石公の犬」を読みました。
ダム建設に反対していたから、夫・坂田順一郎は謀殺されたのだ・・・そう信じた妻の美沙子は、“犬を連れた老人”に関係者の呪殺を依頼。
やがてダム推進派の議員らが相次いで謎の犬に襲われ、命を落としていく。
一方、美沙子も正気を失った状態に陥ってしまう。

九十九乱蔵の21年振りの復活です。
長編「崑崙の王」からもうそんなに経っていたのですね。
「闇狩り師シリーズ」は、多くの小説、コミック、アニメ、ゲームなどに影響を与えた作品です。
私も夢枕獏の初期の頃の作品は、ほとんど読破しましたが、最近はご無沙汰でした。
ということで「黄石公の犬」ですが、久しぶりの九十九乱蔵は、懐かしい旧友に逢ったようでした。
作品としては、今一つインパクトに欠けるようです。
その理由は、どうやら九十九乱蔵の圧倒的なパワーが今一つ感じられないためのようです。
かえって同時収録の中篇「媼」のほうが、コンパクトで冗長さが無く、面白く読めました。
どうやら今後、闇狩り師シリーズの新作が期待できそうですね。