私の歩く旅 

歴史の背景にある話題やロマンを求めて、歩く旅に凝っています。ねこや家族のこともちょこっと。

ヴォーリズと中華料理~京都

2012年08月27日 | 近代の歴史的建造物


京都にヴォーリズの作った建物がある、と聞いて、
京都旅行の最後にそこを訪ねました。

ヴォーリズについては過去ブログの
「近江八幡とヴォーリズ1」
http://blog.goo.ne.jp/yoshimotokeiko/e/44e252496161961e665eb0fc46b3a777 
を参考にしてください。

ヴォーリズは日本各地に「使う人に優しい建物」を建てた
宣教師で建築家であった人です。

京都・ヴォーリズ・中華料理、という組み合わせは何だかしっくりしない感じがしますが、
京都四条大橋、鴨川べりにある『東華菜館』はスペインバロック様式の立派な建物です。
もともとは西洋料理の「矢尾政」というレストランだった、と聞けば
「あ~、なるほど」と思えます。
竣工は大正15年だそうです。




正面玄関も堂々とした中に様々な装飾が施されています。






簡素な感じの設計の多いヴォーリズにしては珍しい感じがします。

高級感のある中華レストランです。
ここでコース料理を食べるには、懐とかなり相談しなくちゃならないみたいです。




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一日で京都をかなり歩きました。
京都駅ー三条通―平安女学院―聖アグネス教会―京都御所―同志社大学
長楽館―東華菜館―京都駅

どっと疲れて、その日は次の日の所用の準備もせず、あっという間にホテルのベットで
寝てしまいました。

けっこういい夢を見られました。




大河「八重の桜」を通り抜ける~同志社大学

2012年08月26日 | 近代の歴史的建造物

京都の同志社大学の資料館を訪ね、パンフレットなどをいただきました。

絵はがきセット、
2013年大河ドラマ「八重の桜」記念「新島八重と同志社』アニメ版のパンフ
同志社女子大学編集の「新島八重の生涯」
新島襄と八重が暮らした「新島旧邸」パンフレット
アメリカン・ボード設立200周年記念「まかれた種―神戸女学院と同志社」
「目的の大なる人物を」創世記の学生たち
京都の中の同志社―相克時、調停と明治の近代化
同志社の文化財建築物

などです。
絵葉書セットまでいただけるなんて、大盤振る舞いですね。

同志社大学歴史的建造物そのものもNHKの大河ドラマ「八重の桜」の重要な舞台となるので、
改修の真最中でした。
全国の大学の入試関係者にしてみれば、羨ましい限りではないでしょうか。
同志社大学の創立と歴史的なエピソードが大河ドラマで表現されるわけですから。

今回、新島八重は綾瀬はるかさんが演じるそうですが、実際の新島八重は
ちょっといめーじがちがうようです。
実は2009年に日本テレビで
放映された「会津藩の女たち」で八重を演じた森三中の大島みゆきさんに
雰囲気が似ているということです。
勝ち気でがんばりや、たくましい女性だった八重を新島襄は
「ハンサム・ウーマン」と呼んでいます。
これは、新島襄がアメリカにいる義母ハーディー夫人に送った手紙の中に
「彼女は決して美人ではありません。
しかし私が彼女について知っているのは美しい行いをする人(ハンサムウーマン)
だということです。私はそれで十分です。」
と記されているからです。

会津藩士の娘、八重とクリスチャンで函館から密出国し、アメリカで勉強して戻った
新島襄(同志社の創設者)については、同志社女子大学編の「新島八重の生涯」で
かなりの情報を得ましたが、それはまた次回、ということで、今回は建物について。

同志社大学の中は重要文化財と有形文化財でいっぱいです。
⬇1884年(明治17)年竣工で重要文化財の彰栄館
れんが造りでは、京都最古の建物です。





設計はアメリカンボード(1810年設立のアメリカ最古の海外伝道団体)の
日本への最初の宣教師で、同志社の理事、教育者でもあった
D.C.グリーンです。






⬇は礼拝堂。やはり、D.C.グリーンの設計です。
三角に尖った切妻屋根がとくちょうです。
生い茂る大樹がこのチャペルの歴史を感じさせます。
1886年(明治19年)竣工、重要文化財に指定されています。





⬇はハリス理工学館
設計は平安女学院の明治館を設計したハンセルです。
1890年(明治23年)竣工、重要文化財です。




他にもクラーク記念館(重要指定文化財)
有終館(重要指定文化財)
アーモスト館(登録有形文化財)など、美しい建物があります。

今回は時間の関係でちょこっと通り過ぎた感じですが、
次回はじっくり時間をかけて同志社大学の建物をみてみたいものです。



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華麗なる長楽館~ちょっとだけ古い京都 4

2012年08月20日 | 近代の歴史的建造物


所用で行った京都。
空き時間に京都を歩きました。

⬇の写真は立教学校の初代校長だったガーディナーの設計した聖アグネス教会。
1898年竣工です。
もともとは平安女学院の聖堂だったということです。



京都市指定の歴史的建造物です。




ガーディナーはアメリカ聖公会の宣教師として日本に派遣されましたが、
もともと建築を勉強していた人で、日本各地にたくさんの歴史的建造物を残しています。
特に学校建築や教会の建築が多いようですが、個人の邸宅も設計しています。
京都にはもう1つ、有名な建物があります。


それが最初の写真、京都「長楽館」です。
長楽館はもともとタバコ王と言われた村井吉兵衛の別荘として
明治37年(1904年)に建てられたガーディナー設計の煉瓦作りの建築です。
大正4年(1915年)には、外装をガーディナーが担当し、
3階を和室に改造しています。

その後、売却などを経て、1960年レディースホテルとして再スタート。
その時に泊まっていれば、かなりお得な料金で宿泊できたのですが、、、、、。
1986年に京都市の指定有形文化財として登録され、
2008年、(高級)ホテルとしてリニューアル。
ちょっと泊まるには勇気のいる宿泊料となってしまいました。
そして2009年には 長楽館築100周年を迎えたそうです。


泊まることはできないので、カフェによってみました。



珈琲ゼリーとアイスクリーム。
そこに熱くて濃い珈琲をかけていただきます。
1000円なり。




内装も素敵です。






⬆長楽館についての説明がテーブルごとに置いてありました。






⬆玄関をカフェから眺めたところ。


シャンデリア⬇



⬆なんと、トイレの中のシャンデリアです。


玄関の見事な装飾⬇




長楽館の場所は京都の円山公園の中。
八坂神社では、こんな京都らしい一コマを目撃。
ラッキーでした。





参考資料
http://www.chourakukan.co.jp/ 長楽館ホームページ



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ちょっとだけ古い京都 3~クイーンアリススタイルの女学校

2012年08月13日 | 近代の歴史的建造物


京都府庁で、しばらく過ごしてから、徒歩5分ほどのところにある
平安女学院へ。

この学校には明治28年に作られた有形文化財の明治館があります。
設計したのは、明治21年(1888年)に大阪の川口外国人居留地にやってきた
アレクサンダー・ネルソン・ハンセル。
もともとは神学校の英語教師として来日したのです。
この神学校をちょっと調べてみましたが、
大阪川口居留地にあった「三一神学校」ではないかと思います。

しかし、ハンセルは英語教師で仕事をするより、建築家としての
働きがぴったりでした。
彼は、日本の工部学校で教えていたジョサイア・コンドルと同じ
英国王立建築家協会正会員であったのです。
日本ではこの時期、一流の技術、知識を有し、名誉ある王立建築家協会の
正会員であったのはジョサイアとハンセルだけでした。
つまり、ハンセルはすでに建築家としてキ一流のャリアあったということです。

その後、ハンセルは主に関西で建築家として活躍します。
ハンセルが最初に住んでいた河口居留地にあったのが、平安女学院の前身の
「照暗女学校」です。
どこかでつながりがあったのでしょうね。

明治館は「照暗女学院」が京都に移転し、「平安女学院」となり、
初めての学生を迎えた校舎です。
ハンセルはクイーンアリススタイルという19世紀イギリスで大流行した
学校建築の様式を用いました。
華やかさと簡素さを持ち合わせた赤煉瓦の建物で、
屋根の段々の曲線が印象的で、色々なデザインで飾っています。
確かにクイーンアリス、という名が似合います。

ハンセルはこの他に明治23年に同志社大学のハリス理化学館(重要文化財)




明治25年に神戸の旧ハッサム邸(重要文化財)などいくつもの歴史的建造物を
建てています。









彼は31歳の時に日本にきて、約30年間日本に滞在しました。
人生の活動期のほとんどを日本に捧げた人でした。

(日本で最も美しい居留地 2 参照
http://blog.goo.ne.jp/yoshimotokeiko/e/8ec6c675dabbc783385e1117d0ea5636)


参考文献
http://blog.goo.ne.jp/yoshimotokeiko/e/8ec6c675dabbc783385e1117d0ea5636
http://ja.wikipedia.org/wiki/アレクサンダー・ネルソン・ハンセル








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ちょっとだけ古い京都 2~重要文化財・旧京都府庁

2012年08月06日 | 近代の歴史的建造物


京都は暑いですね~。
街歩きに、帽子(日傘)、サングラス、ハンドタオル、ペットボトルは必需品です。

さて、
三条通の歴史的建造物、見学のあと、さらに京都のちょっと古い明治時代を
探しに行きました。
バスで堀川通を北に向かい、下立売通りで降り、旧京都府庁を訪ねました。
午後1時ごろ、一番暑い時間ですが、まっすぐに東に向かう下立売通にはあまり日陰がありません。

数分歩くと、ドーンと華麗なる大きな建物が現れます。

明治37年竣工で、現在重要文化財として登録されている旧京都府庁は
辰野金吾、関西建築界の父と言われた武田五一に教えを受けた松室重光の設計です。
松室は竣工当時31歳。
彼の熱意欲が伝わってくる建物です。
ルネサンス様式の建物の外観は中心のバルコニーを持つ玄関から
左右対称に張り出されています。




⬇は内部の階段。






細かいところまで凝った装飾がなされています。

⬇は旧知事室。東側の窓から比叡山が見えることから、何人かの知事さんは
部屋の中央ではなく、窓よりに置いて、時々景色を眺め、きっと心を落ち着けてから
府政に邁進したのだと思います。







部屋はそれぞれに異なった装飾があり、レトロな雰囲気の中に、明治が感じられるようです。



⬇正庁
これまで多くの公式行事や式典などが行われてきたそうです。
天井は和風建築の中でも格式のある折上小組格天井で仕上げられています。
(天井を見上げて、これが折上小組格天井っていうんだな~、という程度の知識です、、、)




さて、府庁の外に出たところに⬇の碑がありました。



京都慶応義塾跡碑です。
東京の慶応義塾の分校が明治7年(1874年)に設置されたそうですが、学生が集まらず、
同年9月に廃止されてしまったそうです。
ちょっと、残念な碑ですね。
もしうまくいっていれば、由緒ある大学がもう1つ京都に存在したということになります。


旧京都府庁から歩いて3、4分のところに平安女学院があります。
ちょっと長くなったので、次の回に書くことにします。

こんな暑い日によく朝から晩まで建物めぐりできるものだと、ちょっと自分を褒めてあげたくなります。
この日はバスの乗り換え10回、22681歩、歩きました!




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