yopikoの、たなばた日記

フクロウグッズ・書・風景・植物や日々の出来事など、写真で気ままに綴っています♪

書に親しむ 「小倉百人一首」 九十三番

2013-10-31 08:00:00 | 書(小倉百人一首)



世の中は 常にもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも

歌意: この世の中は、永遠に変わらないでほしいものだなあ。
この渚を漕いでゆく漁師の、小舟に引き綱をつけて引くさまに、身にしみて心動かされることだ。

作者: 
鎌倉右大臣(かまくらの うだいじん)  
1192~1219 源 実朝。 源頼朝の次男で、鎌倉幕府の三代将軍。
甥の公卿に鶴岡八幡宮で暗殺される。家集に『金槐和歌集』。

上二句では、世の中は永遠であってほしい、不変であってほしいと素直に詠嘆されている。
思いの根底には、この世を無常と思う気持ちがある。
これは『万葉集』の「川の上のゆつ岩群に草生さず常にもがもな常処女にて」を念頭に置いた表現。

下三句の海浜の光景は、
『古今集』の「陸奥はいづくはあれど塩釜の浦こぐ舟の綱手かなしも」によっている。
作者はこうした光景を鎌倉あたりで目にしたのであろう。
漁師の日常の営みを見つめて、それに心をゆり動かされた実感が歌われている。

二首を本歌として詠まれたこの歌は、人の世の無常に対する感傷の漂う奥深い風景を詠んだ一首である。

 


                                    ※参考 文英堂 「原色小倉百人一首」


              

月末恒例で、一首づつアップしてきましたが、8月9月はスキャニングが間に合わず載せませんでした。
今月から再開します。残すところあと7首。
最後までお付き合いの程、どうぞよろしくお願いいたします。

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