ふしょうなブログ

ご不要になった詩は粗大ゴミでお出しください

詩を理解すること

2005年11月12日 21時48分49秒 | 詩に関わる話
 良い詩は時空を越えて、いつの時代でも共感を得られるものですし、読む人の心を捉えて放さないものだと思います。でも、その詩の書かれた背景を知れば、その詩について、また、その詩を書いた詩人についてより深く理解出来るのかなと思います。

 良く言われるのが『荒地』の詩人達により書かれた詩についてだと思います。戦中の言論弾圧、敗戦により、これまでの思想、信条が180度ひっくり返り国内に怒涛のように流れ込んだ、アメリカから自由主義(資本主義)そして、ソビエト、中国からは社会主義、共産主義、濁流のような社会の動きの中で詩人達は『死』を原点として新しい詩の地平を求めたと言われています。

 詩を書かずにはいられなかった心の起伏、心を揺り動かしたものが、どのようなものであったのかを掘り下げて理解する事により、詩の言葉ひとつひとつの意味、詩人が詩を通し訴えたかった事が鮮やかに浮かび上がってくるのではと考えます。



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2 コメント

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詩を理解することについて (The Boys On The Rock)
2005-11-13 19:59:00
Yockさん



ロックです。おっしゃる通り、時代背景や個人を知ることにより、ありふれた内容の詩が多面性を持って輝くことがあったりもします。難しいですが、詩とともに詩人自体を鑑賞の対象にすることも、詩の読み方なのかもしれません。もちろん、詩を理解することには、さまざまなレベルが存在するものだと思いますので、表層的な受け取り方もありとは思います。



荒地の主な詩人である、鮎川信夫、三好豊一郎、黒田三郎、北村太郎、田村隆一は皆鬼籍にはいってしまいましたね。私は詩人として鮎川さんが結構好きでした。評論家としての鮎川さんの方が印象は強いですが、鮎川さんの詩は、綺麗というかエレガンスなんですよ。また、荒地詩人は、戦前のモダニズムの影響下のせいか、結構言葉遣いがモダンというか、テーマは重くとも、綺麗な言葉遣いの詩をたくさん残されていますね。抒情詩としての荒地詩集を読み返しても面白いかも知れません(ご本人達は嫌がるでしょうが)。
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ロックさん、ありがとうございます (Yock)
2005-11-13 22:36:25
ロックさん、こんばんは(^。^)

コメントありがとうございます。

叙情的なもの、それを肯定しようがしまいが、日本人の心に脈々と流れるものだと思います。歌の歴史は血脈として俳人、歌人、そして詩人と受け継がれているようです。日本語で日本人の心を、心の起伏を歌うのであれば、それらに叙情的な言葉、表現が当然にあらわれるものだと考えます。

かの文学極道でもコラムにおいて『二一世紀の抒情詩を創造する事』を標榜するぐらいですし。

つまり、記号論に飽き、座標とすべき主義主張を失った現代詩において主体としての叙情的なるものを追い求めるのは必然的な帰結のようです。
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