3.モネと言えば睡蓮
今回展示されていたモネは16点と今回紹介されている画家のなかでは最多の作品が展示されています。展示順(年代省略)では「サン=ラザール駅の線路」、「貨物列車」、「セーヌ河の支流からみたアルジャンテゥイユ」、「アルジャンテゥイユの花咲く堤」、「散歩」、「ジヴェルニーの積みわら」、「バラ色のボート」、「睡蓮」、「睡蓮の池」、「グラジオラス」、「グラジオラス」、「セーヌ河の日没、冬」、「エトルタの夕焼け」、「ルーアン大聖堂」、「国会議事堂、バラ色のシンフォニー」、「サルーテ運河」となっています。
Wikipediaによると第一回印象派展に出品した「印象、日の出」より印象派という名称の由来となったとか。終生、光を追求し続けた画風からいっても、印象派=モネと言えるでしょう。
さて、今回の展示作品で目にとまったのは「サン=ラザール駅の線路」です。モネといえば自然を描いた風景画が多いという先入観があったので、尚更だったのですが、極端に省略化された駅員、駅の構内の慌しささえも伝わってきます。思うに、カンバスにラフにスケッチして、その場で仕上げたのではと思わせる大胆な筆使いに感動してしまいました。そして次に展示されていた「貨物列車」、白い煙を吐きながら進む汽車はサン=ラザール駅を出発したのでしょうか?製作されたのは「貨物列車」の方が先なのですが、連作を思わせるユニークな展示方法だなと感じ入りました。
それから、「ジヴェルニーの積みわら」、プーシキンでも連作の1点を観たのですが、プーシキンの作品では積みわらよりも背景のポプラ並木の印象が強く、光線は右方向よりさしていたのですが、今回の展示作品では頭上近くより差しており、真夏のような強い日差しに3個の積みわらが、まるで黄金で出来ているように光り輝いていました。思うに、収穫の喜びに満ち満ちた農民達、そしてモネ自身の心境が光り輝く積みわらに現れているようです。
勿論、今回も睡蓮の連作ありました。同じくプーシキンの睡蓮では太鼓橋がボンヤリとしたような雰囲気で風景に溶け込むように描かれてしましたが、今回の「睡蓮の池」では、くっきりと描かれています。また、プーシキンでは段々畑の様に見えた池の様子も今回の作品では水面に映る背景の緑と水面の睡蓮に鮮やかさを感じます。いずれの製作年度も1899年であり、描こうとした季節、時間により絵の印象が異なるようです。個人的には、今回の睡蓮の方が好きです。
他に印象的だったのは、狩野派の屏風絵を思わせる「グラジオラス」、燃えるような筆使いでフォーヴの到来を予感させる、「ルーアン大聖堂」と「国会議事堂」です。
参考URL(Wikipedia)
URL: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%8D
(Bunkamuraザ・ミュージアム)
URL:http://www.bunkamura.co.jp/museum/index.html
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