吉富信長さんのFB投稿より
『親切は脳に効く』デイビッド・ハミルトン著
前著『親切は驚くほど体いい!』も目からウロコだったデイビッド・ハミルトン氏の新作本、今回も分かりやすくて読みやすい、おすすめです。
著者は、親切は五つの副作用を生むと言っています。あえて効果と言わず副作用としているのは、そもそも親切とは目的であり、その本来目指していることと別に副次的にいろいろな素晴らしい作用が起きるからです。
親切は、まず人を幸せにし、心臓を良くし、老化を遅らせアンチエイジングに効果があります。さらに、人間関係を改善し、それが拡散されていくという副次的な効果をもたらすのです。
これらの根底には、絆ホルモンであるオキシトシンや幸せホルモンであるセロトニンなども関わっています。
カリフォルニア大学の研究では、192人対象に、感謝したいことを記録する感謝グループと、不満を記録していく不満グループに分けたところ、感謝グループの方がポジティブな感情をずっと多く感じていました(Journal of Personality and Social Psychology 2003,84(2),377-89)。
アメリカ、ペンシルバニア州のロゼト町では、心臓病による死亡率は国内でかなり低かったのですが、水質調査、大気調査、食事調査など調べても理由を説明できずにいました。ところが研究者の間でようやく分かったことは、心臓病を防いでいたのは親しいコミュニティと助け合いという絆だったと結論付けています。
実際にオキシトシンは心臓保護作用があります。
また、親切や思いやりの精神は迷走神経の活動性を高くし、これによって、軽度の慢性炎症や二次的なダメージを最低限にとどめることができます(Medical Hypotheses 2013,80(5),548-52)。
人の幸せを祈ったり、人が助かる姿を見たり、人に優しくすることは、全て巡り巡って、自分のところへ還ってきます。他にも瞑想、共感、思いやり、感謝などによる副次的な効果を科学的にも証明されていることをたくさんの例をあげて説明しています。
今では、重要なポジションに立つ人が平気で偽装したり、立場を利用して部下を貶めたりする時代になってしまったからこそ、もう一度、こうした書籍を一人でも多くの人に読んで欲しいですね。
親切にする・祈るだけでなく、皮膚への刺激も心やメンタルをに大きく作用します。昔から経験的に言い伝えられていたことは本当に意味があったのだと、ようやく遅れながらも科学が証明してくれてることに感動を覚えるばかりです。