何段か出るので目次をつくりました。お好きなところにどうぞー。
現行上演では出ない段の説明も、書いてあります。
基本的に文楽台本ベースですので、文楽をご覧になるときもご利用いただけます。
個々の解説ページでも一応書いてはあるのですが、お芝居全体の背景についてここにも少し説明を書いておきます。
時代設定は、源平の戦が終わった直後です。
全段を通しての主人公はタイトル通り、「源義経(みなもとの よしつね)」です。
対平家の戦でいろいろと手柄をたてた義経ですが、
兄の「源頼朝(みなもとの よりとも)」とは疑心暗鬼が高じて仲違いし、ついに命を狙われるに至ります。
義経は京都の住まいを逃げ出し、摂津(今の大阪)から海路で九州を目指しますが、途中で舟が難破します。
しかたなく奈良の奥、吉野山の金剛峰寺に逃げ込みます。
という一連の史実をベースにものがたりが展開します。
この後の奥州行きや安宅の関などの場面までは出てきません。逃避行の途中でお話は終わります。
というか義経は場面転換の軸にすぎず、
ストーリーの中心となるのは、義経の周囲の様々な人間模様、むしろ、負けた平家方と、その周辺のひとびとです。
ここに義経の恋人である「静御前(しずか ごぜん)」と狐の化身である「源九郎忠信(げんくろう ただのぶ)」という武将がからみます。
というわけで、大きなストーリーの流れというものはこのお芝居にはあまりありません。
源平の戦の後日譚としてのオムニバスストーリーズのような作品ととらえたほうが、見る上で混乱がないかと思います。
多種多彩な登場人物が様々な設定で活躍します。
その華やかさと荒唐無稽な中のリアリティーこそが、この作品の最大の魅力だと思います。
あと、細かいことですが、このお芝居では「壇ノ浦で平家が滅びた」という史実は無視されており、
平家は「八島の戦」で滅びたことになっています。
この作品は「平家の主だった武者や、安徳帝までが生きていた生きていた」という設定になっており、それ自体が史実を無視していますので、
わざと実際の歴史とは違う設定にしてあるのです。
江戸時代から「仮名手本忠臣蔵(かなでほん ちゅうしんぐら)」と並んで非常に人気にある作品です。
現代人の感覚では、忠臣蔵よりもこちらのほうが共感しやすいと思います。
また、戦前くらいまでは内容を知らない人のほうが少なかったくらいのメジャー作です。
なので、お芝居よりより安価で身近な娯楽であった落語などにも、この作品の内容、役名、セリフなどのパロディーが頻出します。
「東海道中膝栗毛」にも出てきます、わからないと読んでも笑えないのです。
「千本桜」は「知っていてあたりまえ」な、社会的基礎教養だったのです。
=もくじ=
=鳥居前(とりいまえ)=(一段目はこちらに)
=渡海屋(とかいや)=
=大物浦(だいもつのうら)=
=木の実・小金吾討死=
=すし屋(いがみの権太)=
=道行初音旅(みちゆき はつねのたび)(吉野山)=
=川連法眼館(かわつらほうげん やかた)=(五段目はここに)
=50音索引に戻る=
現行上演では出ない段の説明も、書いてあります。
基本的に文楽台本ベースですので、文楽をご覧になるときもご利用いただけます。
個々の解説ページでも一応書いてはあるのですが、お芝居全体の背景についてここにも少し説明を書いておきます。
時代設定は、源平の戦が終わった直後です。
全段を通しての主人公はタイトル通り、「源義経(みなもとの よしつね)」です。
対平家の戦でいろいろと手柄をたてた義経ですが、
兄の「源頼朝(みなもとの よりとも)」とは疑心暗鬼が高じて仲違いし、ついに命を狙われるに至ります。
義経は京都の住まいを逃げ出し、摂津(今の大阪)から海路で九州を目指しますが、途中で舟が難破します。
しかたなく奈良の奥、吉野山の金剛峰寺に逃げ込みます。
という一連の史実をベースにものがたりが展開します。
この後の奥州行きや安宅の関などの場面までは出てきません。逃避行の途中でお話は終わります。
というか義経は場面転換の軸にすぎず、
ストーリーの中心となるのは、義経の周囲の様々な人間模様、むしろ、負けた平家方と、その周辺のひとびとです。
ここに義経の恋人である「静御前(しずか ごぜん)」と狐の化身である「源九郎忠信(げんくろう ただのぶ)」という武将がからみます。
というわけで、大きなストーリーの流れというものはこのお芝居にはあまりありません。
源平の戦の後日譚としてのオムニバスストーリーズのような作品ととらえたほうが、見る上で混乱がないかと思います。
多種多彩な登場人物が様々な設定で活躍します。
その華やかさと荒唐無稽な中のリアリティーこそが、この作品の最大の魅力だと思います。
あと、細かいことですが、このお芝居では「壇ノ浦で平家が滅びた」という史実は無視されており、
平家は「八島の戦」で滅びたことになっています。
この作品は「平家の主だった武者や、安徳帝までが生きていた生きていた」という設定になっており、それ自体が史実を無視していますので、
わざと実際の歴史とは違う設定にしてあるのです。
江戸時代から「仮名手本忠臣蔵(かなでほん ちゅうしんぐら)」と並んで非常に人気にある作品です。
現代人の感覚では、忠臣蔵よりもこちらのほうが共感しやすいと思います。
また、戦前くらいまでは内容を知らない人のほうが少なかったくらいのメジャー作です。
なので、お芝居よりより安価で身近な娯楽であった落語などにも、この作品の内容、役名、セリフなどのパロディーが頻出します。
「東海道中膝栗毛」にも出てきます、わからないと読んでも笑えないのです。
「千本桜」は「知っていてあたりまえ」な、社会的基礎教養だったのです。
=もくじ=
=鳥居前(とりいまえ)=(一段目はこちらに)
=渡海屋(とかいや)=
=大物浦(だいもつのうら)=
=木の実・小金吾討死=
=すし屋(いがみの権太)=
=道行初音旅(みちゆき はつねのたび)(吉野山)=
=川連法眼館(かわつらほうげん やかた)=(五段目はここに)
=50音索引に戻る=
歴史の苦手な私…毎回、台本を見ても三割程度しか分からず、少しでも内容が分かった方が演じる方も楽しいかと、あらすじを検索していましたが…恥ずかしながらスッキリと理解できたものはありませんでした。
しかし、このあらすじはわかりやすく、予備知識までついてしまいそうで本当に助かりました。
まだ次の演目は決まっていないようですが、また助けていただきに来ます!