雨の間合いの一瞬の晴間をぬって
セミたちの急ぎ鳴き------
みんみんもアブラもつくつく法師も
積もりつもった鬱憤を一斉に吐き出している。
このときを鳴かでいつ鳴くや とばかりに-------------
どのような風の吹き回しだろうか
最近、いろいろな人がやってきて
にぎやかな話題と手みやげを届けてくれる。
レストラン経営から手を引いて十年、
古い自宅で蟄居のような暮らしをしているので
心配して訪ねてくれるのだろう。
大方がそのレストランで青春を語り合った仲間たちである。
今では立派な経営者として毎日、忙しく駆け回っている。
彼らがエネルギッシュな話を聞かせてくれるので
お蔭で老人クラブなどには入らずに済んでいる。
--------------ありがたいことだ。
しかし、ほんとうのところは様子伺いに来るというよりも
あの時代の懐かしさを求めてやって来るともいえる。
人生の後半を過ぎ、彼らも亦
遙か遠くに置いてきた青春を想い起こそうとしているのだ。
サザンの歌に惹かれるのも
青春の煌めきを今も持ちつづけているから。
来るひとも去るひともゆめ天の川