きょうから8月、花火の季節。
地方のあちこち 夏の夜空に大輪の花が咲く。
併せてお盆の行事をむかえ、
亡くなったひとたちを偲ぶ季節でもある。
今日8月1日は室生犀星の生まれた日。
1889年(明治22年)、金沢市は犀川の近くで生まれたのを由来して
筆名を犀星とした。
21歳のとき文人を志して上京したが
現実は貧困のどん底であり
その心情を詠んだものに次のような作品がある。
始めのフレーズは誰もが一度は青春時代に口ずさんだもの。
「 ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食となるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆうぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかえらばや
遠きみやこにかえらばや 」
その他、自伝的小説『杏っ子』があるが
私生児だった犀星にとって、この小説を書いているときだけは
見えない母に逢うことができたという。
道の端でカンナの花は真っ赤に燃えているが
アブラゼミからミンミンゼミに代わり
酷暑の中にも ふと、夏の終りが近づいてくるのを感じる。
八月は悲しそれからにぎやかし