ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

救急車で逃げる

2011-11-24 12:48:09 | 日記・エッセイ・コラム

ことし初めてのクリスマスソング、
夜のラジオから流れてくる。

クリスチャンでもないのに
ゴスペルや聖歌隊の歌など聴くと
気持ちが和んでくる。
なにかしらうれしい心もちになってくる。

「カミサマ、ホトケサマ、アマテラスオオミカミサマ、
 助けて下さい、
 その代わりOOは絶対しないと約束しますから。」
困ったときの神頼み。
そうして次の日、何事もなく過ぎると
あの約束はすっかり忘れられてしまう。

賽銭箱に10円玉放り投げて
宝くじが当たりますように、商売繁盛しますように
家族が健康でありますように・・・・・
ちょっと欲が深すぎないか。
神様だって10円玉投げ返してくるよ きっと。

かつてレストランをやっていたころ
この時季はクリスマスの準備で大忙し。
ところがふしぎ!?
この時季になると持病の結石が暴れだし
救急車のお世話になることが多い。

みんな頑張っているのに
ぼくは病院のベッドで呻っているばかり。

古くからの従業員は皮肉な笑いを浮かべながら
 「マスターは忙しくなると救急車で逃げていく」

     あの人この人小箱を抱へクリスマス


静かすぎて

2011-11-22 12:21:34 | 日記・エッセイ・コラム

パンとハムを買いに那須へ。

人も車も閑散として
紅葉だけが寂しく初冬の陽に染められていた。
ウィークディーの所為もあるだろうが
やはり原発事故の影響が大きい。

このままだと年を越せない店も出てくるのでは・・・・

スモークレバーの良さそうなのがあったので買う。
玉ねぎを添えクロワッサンに挟んで食べようと思う。

帰り道 お気に入りのカフェに寄ろうとしたが
ちょっと様子が寂しいので素通りする。
静かなことは結構だが
なにごとも過ぎるのはよくない。

今夜は冷える。
湯たんぽを抱いて寝る。
山の主とメールにて俳句談義。
今になっても言葉の厄介さに戸惑っている。

     梨食めばしゃりりと胸にさびし音


猫パンチ

2011-11-12 13:56:50 | 日記・エッセイ・コラム

一日二回猫の餌を食べに
白いスマートな犬が庭にやってくる。
首輪はしてないが何処かで飼われているような
おとなしく品の良い犬。
わが家ではタローとよぶことにしている。

猫たちも騒ぐことなく
餌を食べるのを近くで見守っているが
ネムに見つかると大変!
この猫だけは気が荒く
屋敷は自分が守っているといわんばかりに
タローを威嚇する。

タローもなんとか餌に有りつこうと
わん、わん、吠えるのだが
ネムは器を前にして一向にひるまない。
自分の体の三分の一ほどしかない小さな相手でも
油断するとデリケートな鼻面に
強烈な猫パンチが飛んでくる。

とうとう諦めてすごすご帰っていくタローの姿が
憐れ。
ネムに気づかれないよう
別の器にたっぷり入れて呼びもどしてやる。

ところで、姫シロさまは
スマートなタローにめろめろ。
姿を見つけると
タロサマ、タロサマと、まるで韓流もどき

ガラス戸に体を擦りつけては甘えた声で鳴く。
一方、タローの方は箱入り娘などに関心がなく
満足しながら横眼もふれず帰っていく。
しばらくはシロさまの片想いがつづきそうだ。

     猫がゐて婆がゐてこそ秋日向


落葉踏む

2011-11-11 13:35:51 | 日記・エッセイ・コラム

桂の落葉からキャラメルのような
芳ばしいにおいがする・・・・・と。
早速案内してもらったが只の枯葉の匂いでしかない。

山の主があまりに残念がるので
戻ってからネットで調べてみると なんと!
落葉は甘い香り(醤油の良い匂いに似ている)を呈する 
と、記されているではないか。

 山の主は正しかった!

朝から冷たい雨がふっている。
姫たちは炬燵の奥に潜り込んだまま。

姫とは言えどももう15歳。
人間ならすでに後期高齢者か。
寒さには堪えるのだろう。
好物の味海苔をたべさせながら
この子たちが居なくなったら・・・・・
この頃やたら無常感のようなものを覚えては
一層愛おしさが増してくる。
シロよ。ロクサーヌよ。

     落葉踏むかそけき音を確かめつ


閑古鳥よ

2011-11-07 16:12:11 | 日記・エッセイ・コラム

日光市内に用事があり出かける。
紅葉の時季もあってか大分賑わっていた。
とは言え以前のように外国人の姿は見られない。

原発の風評被害でキャンセルが相次ぎ
いっときは閑古鳥さえ声を失くした。

昼時なので行きつけの中華料理店に入る。
凄い!
通りには人の姿がないのに
店内は満席。
あとからあとから客が押し寄せてくる。
この店の旨いのをみんな知っているのだ。
かえりにはふだらく饅頭を買う。

しばらく溜めていた事務書類を整理する。
ぼくの最も苦手な仕事。
美術館の、アパートの、詩人会の雑務。
今日こそやらなきゃと考えただけで胃が重くなる。

     抱へ来し中に野菊の匂ひたる