ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

わたしの名はシロちゃんです。

2015-09-30 21:38:48 | 日記・エッセイ・コラム
わたしの名はシロちゃんです。

先日天国に行ってしまったロクサーヌの姉です。
独り残されて一日中寝ています。

わたしたち姉妹は
何をするにも妹のロクサーヌが一番先でした。
ご飯を食べるのも、
体をブラッシングしてもらうのも、

わたしは傍でじっと待っています。

体の色は白と黒の正反対ですが
わたしたちはとても仲良し姉妹で
小競り合いはあっても傷つけあうような喧嘩は
二十二年間いちどもありませんでした。

妹の小さなネコパンチも今では懐かしい。

昨日からお腹の下に暖かい毛布が敷かれ
妹とママのためにも頑張らなくちゃと思っています。

じいじが無花果を煮ている。
赤ワインの豊潤な薫りに包まれている。

   (わたしの画像をクリックして下さい。
      百歳のおばあさんとは思えないほど美人ですから。)

     糸とんぼ影絵のごとく過ぎりけり

ロクサーヌ ロクサーヌ

2015-09-17 18:53:08 | 日記・エッセイ・コラム
ロクサーヌが死んだ。

ぽっかりとわが家に大きな穴を開けて。

いちどは奇跡を起こして復活してみせたが
10日ほど前からうずくまったままの状態。
スポイトでポタージュや水を注いでももはや呑み込む力さえのこっていない。

16日未明、
蝋燭の灯が消えるように静かに息を引き取った。

これまでの猫たちは皆、
庭の隅の金木犀の大木の根元に埋葬してやったが、
生まれて間もなく私たちに拾われてずっと家の中で暮らしてきた、
「箱入り娘」同然のロクサーヌを土葬には出来ない。

「ペットの出張火葬」に頼んで向かいの駐車場で荼毘にする。
ママ愛用の赤い絹のバンダナを首に巻かれて。

お別れのとき石のように冷たくなったロクサーヌに
お姉ちゃんのシロを引き合わせたが
とても不安な顔をしていた。
賢くて敏感な猫だから
今何が起きているのかを感じ取っているようだ。

数々の想い出と 
ままごとのような小さな位牌と骨壷を私たちに遺してロクサーヌは翔けていった。  

ありがとうロクサーヌ。

 いつかまた何処かで会えるといいね。そのときはそのバンダナが目印。

感謝

2015-09-04 10:11:01 | 日記・エッセイ・コラム
もうこの辺でゆっくり眠りに就きたいという気持ちと
 いや、ママの祈りに応えてもう少し頑張ろうという気持の葛藤が
痩せ衰えた小さな体に重くのしかかっている。

別荘地の草むらで拾い上げてから21年、
家族として一緒に暮らし
二人きりの夫婦の間に大切な鎹であった。

今、その命が消えようとしている。

おむつをされて
力なく水をなめる後ろ姿が憐れだ。

ママオンリーで私にはなつかないところもあって、
疎ましく思う時もあったが
汚れのないお前の純真な瞳に見つめられると
やっぱり抱きしめてしまう。
いい匂いのする黒い毛皮に頬ずりしてしまう。

今はその瞳も緑内障により暗黒の闇。
怖いだろう 不安だろう。

ロクサーヌよ頑張れなんてもう言わない。
眠りたいだけ眠るがいい。

今夜はサラブライトマンのソプラノがことさら胸に沁みてくる。



   星落ちてちちろの闇を照らしたる