ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

おもかげ

2018-06-21 15:39:50 | 日記・エッセイ・コラム
ラジオの深夜放送から流れてくるガロのフォークソング「学生街の喫茶店」。
4年間の東京暮らしが鮮やかによみがえる。

60年代の青春真っただ中。
想い出はほのぼのと甘酸っぱく ほのぼのと切ない。
日向の麦わらのような匂いが脳裏の彼方に立ち上り 幾つかの顔がぼんやりと浮かぶ。
暗くなるまで喫茶店でだべった皆は今どうしているだろうか。その後の所在はわからない。
福島のズーズー弁の佐藤は故郷で校長を終えたと聞く。
瀬戸内海のⅯは蜜柑栽培を止めたようだ。北海道のTは今も野菜を食わないのだろうか。
三畳一間のアパートは二世代住宅に変わり 新たにロシア人が住むそうだ。
ヤブカンゾウが好きだといった美大生は真面目に友禅を染めているだろうか。
アパートの女管理人の揚げたてのとんかつは美味かったなあ。
田舎者の味覚に衝撃を与えた自由が丘駅前のキッチンフライパンのカキフライは絶品だった。
湘南の夜のプールに立つ白い肌のなんと眩しかったことよ。

三本立ての映画館を出ると東京はいつも日暮れだった。

あれこれ想い出しているうちにカーテンが白んできた。

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1 コメント

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Unknown (美月)
2019-05-14 18:05:02
ベンベエさん
お元気にしておられるのでしょうか?
もう長く更新されていないので
心配しております。

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