ベンベエの詩的つぶやき

世の中をちょっと斜めに見て・・・

レクイエム

2008-12-30 10:21:15 | 日記・エッセイ・コラム

いよいよ年が詰ってきた。

なにをする訳でもないのだが、
どことなく気分がそわそわしてくる。
百年に一度の経済危機にみまわれながらも
やはり新年を迎えるというのは
期待や祈りを含めてどこかしら神聖な心もちであり
CDの中から選んで、バロック音楽を聴いたりしている。

ふしぎなもので同じ曲であっても普段聴くのと、
この時季聴くのとでは響き方が随分違う。
しんみりと体の隅々にまで染みわたり
一年のけがれが清められていくような
なんとも敬虔なここちがする。

親鸞の〈悪人こそ救われるべき〉 という教えに
今日は素直にうなずけるのも
レクイエムに心洗われた所為かも・・・・・。

仏国ブルターニュから従弟が帰ってきた。
向こうに暮らして約35年、
見るからに良い歳を重ねているようで
お喋りしながら
つい此方まで穏やかな気分になってくる。


     
ゆく年へ詫びる言葉の二つ三つ


松飾る

2008-12-29 13:31:31 | 日記・エッセイ・コラム

雪の後、穏やかな日がつづく。
何処からか大きな黒猫がやってきて
ポールといがみ合っている。
縄張りを広げようとボスのポールに挑んでいるのだ。

ようやくチイを追い出したばかりなのに
新たな厄介者にその地位をおびやかされ
まこと、猫のボスも政界のボスも安穏としてはいられない。

この時季、あちこちからいろんなものを戴きながら
高尿酸値のぼくとしては食べる事ができず
実にもったいない。
賞味期限もあるのでいつまでもは保存できず
知り合いのお宅におすそ分け、手伝ってもらう。
ところがそのお返しだと言って、また何か持ってきてくれる。

一昨日は、どぶろくを一升届けてくれた人もいて
女房が晩酌に愉しんでいる。

食べものが無くて食べられない、
食べものが有り過ぎて食べられない、
なんという世の中の皮肉・・・・

PCのキーを打っている今も
チャイムが鳴って、またまた宅配便が届く。
福岡の「辛しめんたい」につづき
こんどは日本海の立派なカレイの一夜干しである。

     
老二人ああだのこうだの松飾る


1400Km/hのスピン

2008-12-28 12:48:18 | 日記・エッセイ・コラム

寒波襲来、
いよいよ寒さがキツイ!
右手にできた霜焼けがパリパリ凍みるので
部屋の中でも手袋をしている。
いろいろ暖房器具をつけても、古い家はちっとも暖まらない。
姫たちとストーブの取り合い
トイレにでもちょっと席を外すと、たちまち占拠されてしまう。
だから手も洗わずに急いで戻る。

こどもの頃には毎年冬になると
両手両耳の霜焼けに悩まされたが
還暦をすぎてやはり昔に戻ってゆくのだろうか・・・

〈一年が早いですね〉
この時季会う人ごとに聴く言葉である。
あと20回もこの挨拶を聞く頃には
ぼくは双子座の星に帰っている。

ぼくらは時速1400kmでスピンしながら
時速1万kmで太陽の周りを飛んでいる。
まさに光陰矢のごとし、
昨日が音速で遠ざかってゆく。

〈 もういくつねるとお正月・・・・〉
口ずさみながら、ああ! やっぱり昔に戻っているようだ。

     
歳晩の日のあわあわと照り翳り


猫のやきもち

2008-12-23 10:42:56 | 日記・エッセイ・コラム

以前からポールと小ぜり合いを繰り返していた
チイが5日ほど姿を見せない。

庭に血痕が残っていたので
よほど烈しくポールにやられたのだろう。
ポールもかつては父親に追い出された経験があるので
その辺りの辛さは分っているだろうに・・・・
それでも弟チイに対して同じことを繰り返している。

種の保存の為、直系の息子や弟が群れを追い出されるという
野生の掟が、ノラ社会にもあるのかもしれない。

この二匹はとくに甘えん坊で
女房が外に出ると足元に擦り寄ってくる。
一方を叱ったり、あるいは庇ったりすると
二匹の関係を余計に悪くさせるので
黙って見守るしかない。

チイは今いる屋敷猫の中で唯一、
僕の指に噛みついた猫なので
とくに親近感がある。
傷ついてどこかの草むらにうずくまっているのだろう。

なにも食べなくとも10日ぐらいは平気だと、獣医は言うが
このところ夜の寒さが厳しくなっている。

随分と日が経ってから、ふらっと戻ってくる猫もいるので
きょうも庭の様子に気をつけている。

12月23日、天皇誕生日。
75歳を迎えられたが、
日本中が歓喜にわいた美智子さまとの結婚式の
ご様子が、つい数年前のようにも思われる。

幾人かに今日は何の祝祭日かを訊ねたところ
さあ?と 首を傾げる応えもあって
天皇の存在感が希薄になっているような気がする。

     
ランドセルの背中押しやる冬夕焼け


海老で蕎麦を釣る

2008-12-18 10:43:40 | 日記・エッセイ・コラム

賞味期限すれすれの舟和の芋ようかんを
そのままグリルで焼いてみた。
ところがこれがまあ、見事な焼菓子に大変身!
味も香りもバツグンで
本来の食し方より、この方がずっと芳ばしく奥深い。

さっそく舟和本店にその旨をFAXする。
試してみて納得したら、パンフレット等に
書き添えては如何かと・・・・・・・。

昨日、町内に住む茶道家より伊勢海老が届けられる。
箱を開けると
突然の明かりに驚いたのか台所で大暴れ。

料理好きのぼくでも
元気に生きているのを殺してまで食う気にはなれない。
そもそも活造りというのが好きでない。
口をパクパク、目玉ギョロギョロ
犯行を目撃されているようで気味悪い。

海が近くにあれば浦島太郎になって放してやるものを・・・・
お隣さんへ連絡して貰ってもらう。

夕方、伊勢海老のお礼にと蕎麦を打ってくれた。
こちらの方がずっといい。

    
 降臨のごとし枯野に日矢射して