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夢もよう・夢にっき

今は一瞬で過去になり、残る写真や日記もその時々で不思議もよう。まるで夢の中の出来事のよう

昭和の警告

2007-03-22 | 気になる記事
2007.3.20(火)読売新聞朝刊
題より
         昭和の警告
            「安全」に身を委ねる危険
                              社会部 棚瀬 篤
 扇風機をつけたまま寝ると、死んでしまう。
 昭和30年~40年代に子ども時代を過ごした世代には、周囲の大人からそう注意されたという人が多い。筆者も母親から繰り返し聞かされた。

 そんな記憶がよみがえったのは、自動車用の居眠り防止シートが開発された、という記事を読んだからだ。ドライバーの脈拍の変化から、眠りに入る予兆をとらえるという。

 製品事故に関する情報が集まる独立行政法人「製品評価技術基盤機構」によれば、扇風機の風で命を落としたという報告事例はないそうだが、世通しつけていれば寝冷えを招き、体調を崩すことは十分に考えられる。

 身近な生活空間に電気製品があふれていった時代。突如としてもたらされた便利さに身を任せてしまうことの危うさを、当時の人々はかぎとり、そこから自分や家族を守ろうとしていたと解釈できなくもない。

 昨年から製品事故が相次いで問題になっている。もはや使い方のせいに出来ない――― 一連の事故を通じ、メーカーの得た最大の教訓はそれだろう。
使い方のいかんを問わず、事故の起きない製品が求められる時代になったとも言える。
とはいえ、それを使いこなすのも人間である以上、百%の安全を保証するシステムは存在しえない。不完全燃焼防止装置付きのガス湯沸かし器で一酸化炭素中毒事故が続発したという事実が、そのことを物語る。

 安全対策にメーカーが不断の努力を払うべきなのは言うまでもない。だが一方で、便利なシステムに身を委ねているうちに、人々は危険に対する想像力や、異常を感じ取る能力を鈍化させてしまったとは言えまいか。

 これに似た指摘は「食育」の関係者の間からも聞こえる。
目の前の食品が、食べ時かそうでないか、安全か危険か―――。
嗅覚や味覚を使って判断していたが今は「賞味期限」や「消費期限」が教えてくれる。腐った食品のニオイ、味。それがどんなものかを体感したことのない子どもが出てきたと、各地でジュニア向け料理教室を開く東京ガスの担当者は言う。

《ものがメーカーの努力によってよくなった。(中略)壊れないものを使って、知らぬ間に壊れていったのは人間自身のほうだ
中学生用の国語の教科書に寄せたエッセーで、現代人のありようにこう警告を発したのは、ロボット工学の権威で東工大名誉教授の森正弘さんである。
 養老孟司さんは、自著で森さんの言葉を引き、「機械を便利にしたら、人間は怠け者になる」と書いている。

 コンピューターがはじき出した桜の開花時期が、実際のつぼみの膨らみ具合からは考えられないほどに早くても、気象庁の職員はプログラムの異常を疑おうとしなかった。
 製品安全の問題から話がそれたが、本質は変わらない気がする。やはり何かが、壊れ始めているのだろうか。

普段から使いつけていなければ、いざというときにはうまく使いこなせないし、慣れているからと気を抜くと思いもかけない事故が起きることになる。「安全」と「危険」は隣り合わせ、と昔からよくいう。昔は色んな戒めをしていたようだ。
現代は、使い方のいかんを問わず、事故の起きない製品が求められる時代なんだ。
作ったもののせい、すべて他人が悪いという利己主義で自己主張をする時代。
自動車用の居眠り防止シートだなんて…
必要以上の物があふれ、便利になりすぎ、何も知らなくても簡単に動かせ、機械に頼って、何でも出来ると過信し錯覚してしまっている。

人間として感じ、考え、行動する基本的なことが、便利なものにうもれ、どんどん忘れ去られ、自分で考え判断し行動し、責任を取るということがだんだんなくなっているということではないのだろうか?

どこに向かおうとしているのか?

2007-03-09 | 気になる記事
大学全入時代
          学生確保 地方に危機感

 志願者が数字上、全員入学できてしまう「大学全入時代」の到来で
地方の大学が危機感を強めている。
ブランド大学志向などを背景に、東京や大阪など大都市圏に学生が集中する傾向が強まっているからだ。
校名変更や推薦入試の拡大、県外へのPRなど、何とか学生を確保しようと、あの手この手の自衛策を繰り出している。

■校名変更
「秋田経済法科大学→ノースアジア大学」
海外を見据えていることを強調する「アジア」に東北の「北」を付け、地方大学のイメージ脱却を狙う。
航空会社と提携した国際観光研究所を開設し、観光学科も新たに設ける予定。
「全国区ブランドにならなければ、生き残る道はない」と小泉学長は話す。

■推薦拡大
 金沢市の北陸大は今春から薬学部と、人文社会系2学部を統合した未来創造学部で、全国約5200校の全日制普通科高校をすべて指定校推薦とした。

■国公立大学
 福井大は、以前から東海地方の志願者が3割を占める工学部が昨年から前期日程の試験を名古屋市で始めた。受験者がキャンパスに出向く負担を軽くし、大都市圏での志願者の掘り起こしも狙う。

 11学部、12研究科と旧帝大に準じる規模の総合大学である広島大。
昨年、東京、大阪、高松の3会場で開いた進学相談会に大手通信教育会社の社員を招き、広大の入試問題の「傾向と対策」を解説した。
国立大では珍しく、受験生、父母らの評判も上々だった。


アルバイトが必修だなんて!単位になるなんて…大学って何?授業の外注化だなんて!教育の丸投げもいいところじゃない

そんなことなら、さっさと就職すればと思うのだが…
実は、安定した就職先がないということが大きな問題なのかもしれない。
やりたい仕事、働きたい職場、働く意欲がどれくらいあるか?

大学ももうけ主義になり、教育者ではなく、経営能力者が必要ということか。
そんなことだから子ども達は夢や目標、やる気が持てないのだろう。


短期に高度成長し、物はどんどん豊富になり使い切ることなく捨てて経済は発展し続けているように見える。

規制緩和で民営化し、自由化しどんどん競争させることで経済を活発にした結果、消費者や生産性の低い部門、労働者などは様々な保護を失うことになる場合や、モラルの低下もあり、格差が広がっているのではないか。

正社員、正職員はいなくなり、派遣社員、出向、パート、アルバイトばかりになる。
あげく日雇い労働者。責任を負うこともなくて、楽なようだが、保護も保証も安心もない。

もうけ主義がまかり通り、人間も使い捨てする世の中になってしまっている。
人間の心を置き去りにしたままどこに向かおうとしているのか?

何を目指しているのか?②

2007-03-08 | 気になる記事
つづき
大学全入時代
           バイト必修 授業外注 
 規制緩和は大学に、学生のニーズに合わせて、様々な形の教育を提供することを可能にした。

 授業を外注化できるようになったことで、首都大学東京は英会話スクール「ベルリッツ」と契約、英語の授業の半分を委託している。
「教育の丸投げ」との批判も根強いが、同大は「語学力を身につけたい学生の要望を満たすには最適の方法」と説明する。

 今年4月には、インターネットだけですべての授業を行う「サイバー大」(本部・福岡市)が登場する。
ソフトバンクなどが出資する株式会社が運営。
吉村作治学長は「世界に散らばる人に平等に教育を提供する」と理念を語る。
通常の通信制大学で行うスクーリング(対面授業)は一切なく、学生が教員と接することはない異色の大学だ。

 だが、大学が独自色を強める現状への不安もある。
 学生の就職を支援する意味から、在学中に就職体験をさせるインターンシップを推進してきた文部科学省。
インターンシップを授業に組み込む大学は400を超える。
しかし、アルバイトを単位認定する大学が現れたことで、同省の担当者は「今後、ただの小遣い稼ぎのアルバイトにまで単位を与える大学も出かねない」と懸念する。
昨年の中央教育審議会大学分科会で同省は、「(何を単位認定するか)大学の自主性に委ねられているが、一定の枠組みも必要ではないか」と問題提起した。

 ここ数年、中教審の議論では、「大学の定義、目的があいまいになっている」という意見が、複数の委員から繰り返し示されてきた。
「どんなに多様化が進んでも、大学は学生の人格を形成しながら、高度な知的生産を行うという使命を失ってはいけないのではないか」。鳥居泰彦・中教審前会長はそう指摘する。

 大学とは何か――。
熾烈な競争が幕を開ける大学全入時代が、根本的な問いを投げかけている。つづく

何を目指しているのか?

2007-03-07 | 気になる記事
2007.3.7(水)読売新聞朝刊より 
大学全入時代
           バイト必修 授業外注
 
 えり好みしなければ誰でも大学に入れる「大学全入時代」が2007年度にも到達する。淘汰を迫られる大学は今、何を目指しているのか。生き残りに向けた取り組みを追いながら、新時代の大学を考える。

 
 房総半島の観光地、千葉県鴨川市の海辺に立つリゾートホテルのフレンチレストラン。
城西国際大観光学部1年の山口知英さん(18)が、蝶ネクタイ姿で昼食のバイキングの支度を進めていた。
昨年7月から始めた時給780円のアルバイトだが、実は、同大学の必修科目「観光実務基礎Ⅰ」でもある。

昨年4月に新設された同学部では、約100人の1年生に、水族館「鴨川シーワールド」や地元ホテルなどで年間200時間以上のアルバイトを義務付け、講義(36時間)を併せて受けると、2単位を与える。

「給料をもらい、雇用主から厳しく評価される中で、実践力が身につく。卒業後すぐに役立つ人材を育てることで、全入時代の競争に打ち勝ちたい」。石田益美・同大副学長は話す。

 
 大阪学院大も今年度から、「大丸」や「阪神百貨店」など、大学が指定した企業で90時間アルバイトをした学生に単位を認定する。
「アルバイトが教育といえるのか」。
教授会では反対意見も出たが、半年間議論の末、学生の就業意識を高める新しい教育方法として了承された。

 
 かつて大学は、国の将来を担うエリートの養成機関だった。
高度成長を経て、やがて、日本が本格的な国際競争にさらされはじめると、大学に多様な人材育成が求められる。

 1989年代後半から、文部省(当時)が大学設置に関する規制などを段階的に撤廃したことで、90年以降265校の大学が新設され、現在734校に。
一方、18歳人口は92年をピークに減少し、06年の大学進学率は45.5%に上昇、約60万人が入学した。
そして、志願者数と入学者数が数字上一致する時代に入る。   つづく

無報酬でも協力?

2007-03-06 | 気になる記事
 日本を考える
      格差を超えて ④
             地域の良さ生かし振興
                        前宮城県知事 浅野史郎氏
 
 地域間格差の問題が難しいのは、「結果としての格差をなくして欲しい」という議論が多いことだ。

 大量生産、大量消費、大量廃棄を20世紀型の豊かさだとすれば
地方は東京などの大都市の豊かさに永久にかなわない。
地方がそういう考えを持っている間は決して格差は縮まらない。

 結果の平等を基準に格差解消を求めると、むしろ、国による自治体への過保護や介入を招く。しかしそれは地方自治のあり方としてふさわしくない。

 地方振興のポイントは、ないもの探しをするのではなく、「あるもの探し」だ。
そこにしかない特産物、文化などを探し、いかにその良さを外部に発信していくかだ。それが観光資源にも、住民の誇りにもなる。
 
 うちは道路を整備するとか、農業の基盤整備にお金を使うとか、福祉や文化を充実させるとか、それぞれの自治体が生き方を主体的に選ぶことも重要だ。

 一方で、問題なのは、高齢比率が50%を超えた「限界集落」がふえていることだ。そこでは、地域で自己完結していたものが成立しなくなっている。
 特に深刻なのは、医療だ。人口が減り、診療所一つない、医師も来ないという地域が増えている。医師だって、患者が少なければ商売が成り立たない。
 必要なのは、地域の中核の病院を作って、道路などの交通手段を充実させることだ。

 なぜ医師が定着しないのかというと、報酬の問題ではない。地方に行ったら行きっぱなしになるという恐怖と、医者としての技術を上げるチャンスがなくなるという不安だ。
 だから、私が知事時代に、医師を県の職員として採用し、人事のローテーションに組み入れた。例えば、2年間地方の病院に勤務して、3年面は大都市の病院に戻って研修させることにした。これで何とか医師の数は足りている。

 今、NPO(非営利組織)「地域創造ネットワークジャパン」の代表者として団塊の世代の地域デビューということを考えている。仮に、団塊世代が1%でもふるさとに移住すれば、相当な数になる。

 例えば、「ふるさと振興アドバイザー」と認定し、地域振興に力を借りようという発想だ。
団塊の世代は人の役に立ちたいという意識が強い。
無報酬でも協力してくれると思っている。

 「コンパクトシティー」については、皆が都市部に移り住んだら、山林などの自然が荒れるという問題がある。
だが、10kmなら、車で15分で行ける。都市部まで行かなくても周辺に移り住み、そこから山の手入れに通うという発想も必要なのではないか。
                       (聞き手 広瀬謙哉)
 2007.2.26(月)読売新聞朝刊より

団塊の世代は、確かに人の役に立ちたいという意識の強い人やゆとりのある人が多いかもしれない。でも、合併し、切り捨てられたふるさとに移住する?Uターンする?ってことにはならないだろう。周辺部にコンパクトシティを作り、そこに住み替え、無報酬で協力…を期待している。大きな力となることは間違いないが・・・
都市の中心部は若者に、地方の限界集落は消滅し、周辺部をコンパクトシティにし、団塊世代や年寄り用の便利で暮らしやすい街づくりをしようっていうこと?

加圧トレーニング

2007-03-03 | 気になる記事
 宇宙で暮らす ①
            加圧トレで「老化」防止

 日本人宇宙飛行士の健康管理を担う宇宙航空研究開発機構の村井正医師は、ISS(国際宇宙ステーション)での宇宙生活を「頭を6度ほど低く傾けたベッドで、寝たきりで生活している状態」と表現する。

 スペースシャトルに乗れば、宇宙にはものの8分ほどで到着する。
だが、そこはもう上も下もない無重力の異空間だ。
 地上なら重力で下半身に引っ張られる体液や血液が、上半身にも集まってくる。
顔は一回り大きく、脚はほっそりと。上半身の水分が多くなると尿が増え、トイレが近くなる。

 向井千秋さん(54)は、1994年のシャトル飛行で、身長が3cm伸びた。
重力から開放された背骨が伸び、腰がぎしぎし痛んだ。

 腕を伸ばしても、腕の重さがないため、思った方向より上に行ってしまう。
視覚と平衡感覚がずれて、吐き気を感じる。宇宙飛行士の半数以上が経験するという宇宙酔いだ。

 こうした初期症状には、普通数日で慣れる。だが、無重力の深刻な影響は、これからだ。
地上ほど力を使う必要がないので、骨格の機能が落ちていく。まさに老化だ。
骨量低下は、骨粗しょう症患者の10倍の速さだ。
 
 ISSの宇宙飛行士は、毎日2時間、走行器具やペダル踏みで筋肉を鍛える。
それでも、6ヶ月して帰還すると、下肢の筋肉量は20~30%も落ちている。
立派な運動機器も、よく故障する。

 簡便、短時間で確実、安全。そんな宇宙トレーニングを目指し、昨年から共同研究を始めたのが宇宙機構と東大だ。
注目したのは、脚と腕の付け根を特殊なバンドで締め、血流を制限して運動する「加圧トレーニング」という方法。
東大大学院医学系研究科の佐藤義昭研究員が発明した日本発の技術だ。
 
 運動すると、乳酸などの疲労物質が血中に増える。すると、これを引き金に
筋肉を作るよう促す成長ホルモンが分泌される。
バンドで血流を落とせば疲労物質の血中濃度が増し、成長ホルモンが余計に出る。
 
 日本初の有人宇宙実験施設「きぼう」。
そのISSへの取り付け作業が、今年末から始まる。
スペースシャトルの宇宙滞在は2週間ほどだが、ISSでは3ヶ月から半年。
まさに「暮らす」というのがふさわしい。(科学部 安田幸一)  
               2007.2.27(火)読売新聞朝刊より

無重力環境は厳しく、苛酷なんだ筋肉も骨もすごい速さで老化に追いやられていくそこで「暮らす」なんて!

地上でも加圧トレーニングで鍛えて老化を遅らせることが出来るかもしれない…

テレワーク

2007-02-26 | 気になる記事
2007.2.24(土)読売新聞朝刊より
 日本
   第2部 格差を超えて③
         家事と両立 在宅ワーク
 岩手県の主婦斎藤理加さん(40)は夫を職場に、小学6年生の息子を学校に送り出すと、自宅のパソコンに向かう。
大手電機メーカーのホームページなど向けに、挿し絵を作るのが仕事だ。

オフィスは「電脳空間」にある。

作業は同僚と、電子メールで打ち合わせながら進める。
作業統括は千葉県、文章作成は福岡県、ホームページの更新作業は奈良県の主婦が分担する。
斎藤さんを含め、1998年に北海道北見市の主婦、田沢由利さん(44)が始めたホームページ制作業「ワイズスタッフ」の登録メンバー。
お互い、ほとんど面識はない。

勤務時間は、子どもが帰宅するまでの4~5時間。
「働く日時を自分で調整でき、家事と両立できるのが何より助かる」という。

 東京の大手企業で商品企画に携わった斎藤さんは、結婚を機に退職
夫の住む北上市に越した。
大学で学んだデザインの能力を生かそうと、家事に差し支えない働き口を探したが、地元にはなかった。


 横浜市の徳重英樹さん(25)は高校時代に交通事故に遭い、首から下にマヒが残る車椅子の生活だ。
「自分で出来る仕事をしたい」と、大学に進学、コンピュータープログラムを学んだ。
今は、わずかに動く両手で大型マウスを操り、自宅でプログラムの作成に従事する。
勤務は平日の午前9時半から午後5時と、一般のサラリーマン並み。
月収は約13万で「好きな音楽CDを自腹で買えるのがうれしい」という。

 
 パソコンやブロードバンド(高速大容量通信)の家庭への普及に伴い、ネットを通じて自宅で働く「テレワーク」が新しい働き方のモデルとして脚光を浴びている。

 ただ、斎藤さんや徳重さんのような例はむしろ少数派だ。

 
 地方都市では、障害者を雇う企業はまだ少ない。中高年の雇用も厳しい。

 働く意欲と能力のある人の数(労働力人口)は、05年の6770万人をピークに、25年には6300万人にまで減ると推計されているが、60歳以上に限れば逆に230万人増える。

 法政大の小峰隆夫教授は「高齢者や女性、障害者の就労を増やすためには、雇用や仕事の形態を多様化させ、職業訓練の場も拡充すべきだ」と訴える。
 
 天然資源に乏しい日本が、今後も経済成長を続け、豊かさを維持するためには、働ける人には働いてもらう環境が欠かせない。就労機会の格差是正は日本の未来をも左右する。

得意な分野ごとに仕事を分担し、家庭で自分の都合に合わせてする、内職って感じかな?テレワークねえ雇用、仕事形態の多様化の一つだろう。保障と責任、信頼関係が上手くいくかどうかのカギではないだろうか。

同一労働・同一賃金

2007-02-26 | 気になる記事
2007.2.23(金)読売新聞朝刊より
日本   第2部 格差を超えて②
         仕事は同じ 給料は別

 「給料をためてハーレー・ダビッドソンを買ったんだ」――
 
 東京都内に住む派遣社員、高橋恵美子さん(仮名・32歳)は20代の男性新人社員が
高額の外国製オートバイの購入を自慢する姿を見て、愕然とした。
「正社員だとこうも違うのか」

 月収17万円、ボーナスなしの高橋さんの年収は約200万円。
一方の新人社員は、月収30万円に加え6ヶ月のボーナスが出て年収は500万円を超えた。
高橋さんは半年更新の契約社員で、解雇の不安も常につきまとった。

 仕事の中身は全く同じだった。

 午前9時から午後5時まで、コンピューターソフトの使い方について、電話などで顧客からの相談に応じた。
「正社員は『後はよろしく』と5時前に帰ることも珍しくなかった」と憤る。

 パートや派遣社員などの非正社員が働き手に占める割合は、34.6%(2003年)と今や3人に1人を数える。
賃金格差は多くの人の身近で深刻な問題となっている。

確立された判例ではないものの、1996年3月、長野地裁は
勤続年数も仕事の中身も同様の非正社員の賃金を正社員の8割以下にとどめることは「公序良俗に反し違法」とする判決を下している。
労組「派遣ユニオン」(東京)の関根秀一郎書記長は「職場の差別は横行している。放置すれば、格差の固定化、長期化にもつながる」と危機感を強める。

 化粧品会社「ピアスグループ」(大阪市)は、02年、デパートで働く美容部員を対象に
「同一労働・同一賃金」制度を導入した。正社員と非正社員に賃金格差はない。

 90年代の景気低迷で正社員を減らし、契約社員を増やした。しかし美容部員の8割になった契約社員間に「同じ仕事で処遇が違うのはおかしい」と不満が噴出した。
岡部取締役は、「売り場の一体感を失えば業績に悪影響を及ぼすと考えた」という。
賃金改革に伴って、正社員の給与を1割減らした。改革は経営側だけでなく、既得権者の正社員にも痛みを強いる可能性がある。それだけに国民的な議論を深める必要がある。

色んな仕事があり職場がある。
ピアスグループの美容部員8割が派遣社員って!職種によるのかもしれないが派遣で成り立っているこういう職場は増えているということなのか?
たしかに、職場の雰囲気がすぐに業績に表れるから、協調しやりがいのある職場にしなくてはね
でも正社員からは文句は出ないのかしら?
賃金の差はないだけで契約社員はいつでも打ち切れるということ?
ひょっとして社員の賃金を下げるための方策だったなんてことは?

格差Ⅱ

2007-02-26 | 気になる記事
日本を考える
  格差を超えて ①のつづき

        能力開発に政府支援を      慶大商学部 樋口美雄教授

 高齢層はもともと、所得格差が大きく、高齢層が増加すれば、格差はそれにつれて広がっていく。高齢者を中心とした単身世帯の増加も、世帯当たりの所得を引き下げている。

 この意味で、世帯間の格差拡大は「見かけ上の格差拡大」とも言われている。

 しかし、だからといってこれを放っておいていいということにはならない。

 若年層でもジニ係数(国民の所得格差の程度を表す指数。全世帯が同じ所得なら0で、1に近づくほど格差が大きい)は拡大している。

 経済の国際化に伴って、国内の労働者は、発展途上国の低賃金労働者との競争を余儀なくされている。

IT(情報技術)に代表される技術革新で、知識集約型の労働に対する需要が高まり
知的労働と単純労働の賃金の二極化も進んでいる。

 バブル崩壊後の長期の景気低迷で、企業が人件費を抑制するために
非正社員を多用したことも格差拡大の原因だ。

 ただ、格差の存在がすべて悪かというと、そうではない。

一生懸命働いても、所得が増えなければ、労働に対する意欲は高まらない。
努力して能力や成果が上がったことに対して報いることは必要だ。

高齢化や仕事の高度化を考えると、企業は職務の明確化や公平な査定基準を導入し
成果主義をすすめざるを得ない。

 一方で、正社員と非正社員の間の不合理な格差は是正するべきだ。

 欧州では、会社別ではなく、職種別の労働市場が成立している。

このため、一般社員と派遣・請負社員のように雇用主が違っても
同一労働には同一賃金が払われなければならないという考え方が強い。

だが、日本では「同じ職場でも雇用主が違えば、給料が違うのは当たり前」
という感覚が根強く、格差が縮まらない原因となっている。
政労使で職場別の労働市場を作る努力が必要と考える。

 また、企業が社員の能力開発を担ってきたが、対象は正社員にとどまりがちだ。

非正社員やフリーターに能力開発の機会を与えるため、政府は経済的な支援のほか
職業資格制度を用意するなどの支援策も検討課題だ。

 正社員を取り巻く状況にも問題がないわけではない。非正社員が増え、正社員の拘束時間や仕事量は格段に増えた。仕事に対する責任も重くなっている。

 格差是正に向けは企業は、働き方や仕事の進め方、内容を見直し労働者の私的生活を充実させるとともに仕事の付加価値も同時に高めていくことが必要だ。

この結果として、人材の確保や自己啓発により、業績も向上する
「ワーク・ライフ・バランス」(仕事と生活の調和)が実現できる。

 個別ケースに応じ、きめ細かく親身に相談できる体制を社会として用意することが必要だ。(聞き手 広瀬謙哉)

正社員(2億9000)とフリーター(8200)の格差にはびっくりだ
正社員といってもまず、会社によって相当の格差があるだろう。月々の賃金の差はもとよりボーナスや退職金もないところもあったりするようだ。
だがそれでも常時働いているかどうかでかなりの差がでることになるのだろう年金とかも絡んでくるだろう。

まず、企業が安易に人件費削減をすすめていることが格差を広げることにつながっていると思われる。

より良い人材は、企業の財産といえるくらい大事なことではないだろうか。
正社員はもとより人材の育成というか、良い人材にはどんどん答えるべきだろう。雰囲気作りも健康管理も大切だと思う。
まずそれぞれの能力を見出し、まとめ、育成する力のあるトップが必要だな。
それなりに認められれば、企業に仕事に愛着が持て、自信にもなりやる気もでて皆を巻き込んで活気も活力もでてくるだろう。そうすれば結果も自然についてくるようになり、企業も発展するだろう。
正社員だって安住することなくお互いを高めあい、よい緊張感を持つべきで、非正社員だって、それなりの働きがあれば見返りは当然ではなかろうか?

資格制度の支援というか、資格がないと出来ないこともあるが、テレビ番組の「ハケンの品格」のように、多くの資格を持っていさえすれば何でもすぐにうまく出来るわけではなく、地道にやってこそ身に付くものがほとんどで、色々な経験が役に立つ時があるかもしれない、くらいのことだろう。

相談できる体制というより、相談なんてしなくてもいいように元を改善して正社員を増やし働きやすい環境を整えて欲しいものだ。

格差

2007-02-24 | 気になる記事
2007.2.21日(水)読売新聞朝刊
年間企画日本 第2部 格差を超えて①

      生涯賃金の差 ずしり

[正社員なら2億9000万円、フリーターなら8200万円、あなたはドッチ?――。]

 京都市北区にある京都産業大学の進路センターにはこんな掲示とともに
正社員とフリーターのしょうがい賃金の比較を示す模造の札束が置かれている。

 法学部4年生の宇沢賢治さん(23)は、それぞれの生涯賃金を60歳代前半までの40年で割ってみた。
「フリーターだと年収が200万円余りに過ぎない。正社員を目指すべきだと実感した」という。

 今の若者は、自らが選んだ「適職」が見つかるまで、フリーターや転職もいとわない。
 大学を卒業して就職しても、3年以内に35%が離職するとの統計もある。
だが、「いったんフリーターになると、転職して正社員になるのは難しい」と
西田義則・就職課長は言う。

 働き方の選択肢は増えたが、そこには、生涯にわたる賃金格差を生み出す落とし穴も口を開けている。

 大阪府門真市の高田知子さん(仮名、42)の手元には、職を求めて提出した履歴書の写しが100枚以上残っている。
体調を崩し、大手メーカーを退職してから5年以上、定職探しの日々だ。
「景気は回復しているというが、中高年の女性が仕事を見つけるのは難しい」と
就労機会の格差を嘆く。
70歳代の両親と同居することに、企業は難色を示す。
「介護が必要になったらどうするのかと決まって聞かれる」。
だからこそ定職が欲しい、という声を何度も飲み込んで来た。

 かつて日本は、「最も成功した社会主義」と言われた。
行き過ぎた平等主義への批判から、社会制度の中に、欧米型の競争原理を取り入れてもきた。
 その日本社会が、格差拡大の現実の前に立ちすくんでいるようにも見える。
格差をどう受けとめ、どう対処していくのか。答え探しはこれから始まる。続く