yasminn

ナビゲーターは魂だ

ンジュジ・マディヤ・クレマンティヌ カサラ

2014-05-04 | 
わたしは 黒い肌をした娘である
きめが細かく つやつやとした

わたしは 気高い心をもった黒人の女である
 冷たい水の心 飛んでいる燕の心
 苦しんだり 涙にくれる心
病の小鳥のおどおどした心をもった。

わたしは 定義できないような 不思議な国からやって来た
この不思議な国では 人間は 感覚界の至上の存在である
この国では 生命あるものが 生気のないものに語りかけ
 そして精神は 夕暮れの風が運んでくる
影に語りかける

わたしは 黒くて かがやく国からやって来た
 太陽と水の国から。
わたしの国では 木々が詩人に語りかけ
そよ風は愛する男たちに
そして 驟雨は愛されている女たちに語りかける
わたしの国では 竪琴があった
ダヴィデが生きていたよりも前に
わたしは 手が働き 心が語る国の出である
わたしの国では 火を起こすのに
子どもたちが枯れ木をかき集めてくる
わたしは 上には風が吹き 下には快い調べが鳴りひびく国の出である
わたしたちの祖先以来 そして何代にもわたって
 いつも新鮮な水が流れる国
わたしの国では 北風があの世の音を
そして 鳥たちは言づけを運んでくる
わたしは 似ているものがどこにもない国からやって来た
 男友だちは兄となり そして 女友だちは妹になる国から
芸術がなによりも重んじられる国から・・・・・


登坂雅志 訳