はげしい むし齒の いたみから、
ふくれあがつた 頬つぺたを かかへながら、
わたしは 棗の木の下を 掘つてゐた、
なにかの 草の種を 蒔かうとして、
きやしやの指を 泥だらけにしながら、
つめたい 地べたを 堀つくりかへした、
ああ、わたしは それを おぼえてゐる、
うすらさむい 日のくれがたに、
まあたらしい 穴の下で、
ちろ、ちろ、と みみずが うごいてゐた、
そのとき 低い 建物の うしろから、
まつしろい 女の耳を、
つるつると なでるやうに 月が あがつた、
月が あがつた。
ふくれあがつた 頬つぺたを かかへながら、
わたしは 棗の木の下を 掘つてゐた、
なにかの 草の種を 蒔かうとして、
きやしやの指を 泥だらけにしながら、
つめたい 地べたを 堀つくりかへした、
ああ、わたしは それを おぼえてゐる、
うすらさむい 日のくれがたに、
まあたらしい 穴の下で、
ちろ、ちろ、と みみずが うごいてゐた、
そのとき 低い 建物の うしろから、
まつしろい 女の耳を、
つるつると なでるやうに 月が あがつた、
月が あがつた。
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