県政のどまん中!   佐々木正行日記

公明党の神奈川県議会議員(相模原市中央区)が日々の活動を綴ります。

8月27日 親日国ベトナム視察を終えて!

2015年08月27日 | 日々の活動

県民・企業常任委員会調査で親日国 ベトナム社会主義共和国の視察を終えて帰国しました!
ベトナムは、1986年にドイモイ政策・改革開放路線に転じてから超インフレが続きました。国民は、自国通貨を信用せず、ドル保有や無貯金、金の保有などが一般的となり、一時はドル不足現象になるなどベトナム通貨ドンの価値は、ますます低下していきました。それは、ベトナムの財政赤字と貿易赤字にエネルギー・資源などの輸入価格の高騰、電気・燃料など関連公共料金の引き上げが重なり、更には、高度経済成長戦略による土地価格高騰が起因していました。しかし、2008年の高インフレ以降、安定成長路線に大転換し、ここ数年通貨の安定が得られるようになってきました。高成長による雇用創出と同時に土地バブルを生じさせ貧富の格差が拡大しました。輸出依存体質から世界の通貨危機などに陥るとたちまち輸出の減少を招きマクロ経済の不安定化要因になりました。安い労働力が外国企業の誘致を促進しますが一方で、低賃金、過酷な生活環境に若い労働者の反発がストライキの頻発を引き起こしました。今後、ベトナムは、賃金をある程度まで上昇させ、中間所得層を育成し、内需を増やしていく政策が必要です。2015年は、公的債務の残高がGDPの60%を超える見込み厳しい経済状況が続くと思われます。
ベトナムの産業構造は、縫製業、電気・電子分野、通信・コンピューター機器、輸送機器及び金融・保険・流通サービス産業は外資に依存し、国内産業は、コメ、ゴム、コーヒーなどの農林水産業と水産加工品、革、木製品などの製造業となっています。ベトナムに進出している外資系企業の大半は、低賃金に魅力を感じていますが、原材料や部品、機械設備を国内で調達できず、輸入していることから企業にとってはコストの高い製造が続く結果となっています。
現在、ベトナムでは日本のODAなどによって道路の舗装、高速道路、空港、港湾、鉄道地下鉄、上下水道などの国家の近代化に必要なインフラ整備が、行われています。その中で、今後、ベトナムは、生活環境面における整備を重視していく必要があると考えます。
日本から見るベトナムは、ODAの供与純額においてここ数年はインドやインドネシアを抜いて国別第1位です。金額も年々増加し年間2千億円に昇ります。JICAベトナム事務所、企業開発庁北部中小企業支援センター、ハノイ市計画投資局、ハノイ市水道公社、北タンロン浄水場、ホーチミン市(サイゴン)水道公社、ベトナム国家大学ホーチミン市校工科大学、VINACONEX日本語学校などに訪問し意見交換、現地調査を実施しました。JFEエンジニアリング ベトナム支店駐在員や神奈川県庁東南アジア地域駐在員も同行して「かながわ方式による水ビジネス」の海外展開の可能性を検証する為に現地で具体的に各組織・機関の担当者と懇談することが出来ました。また、JICAの草の根技術協力事業の効果やベトナム国内中央直轄市や各省、市町村との連携を模索するため、必要な施策など今後の課題を掌握する機会となりました。ホーチミン工科大学では、学長・学部長などと日系企業との技術提携を含めた国際交流の重要性について意見交換することが出来ました。
今後、ベトナムは、対外貿易が完全自由化になる2018年までに、原材料や部品、機械設備を国内で調達できる裾野産業を育成する工業化政策を最重要に取り組んでいくことが必要であると思いました。