やなさん浜松E-RA日記

浜松暮らしを楽しむ人を応援する柳原新聞店社長の日記です

「こころ」を育てる信念の経営 その3

2006年05月19日 | CSマネジメント
第2部は益田ドライビングスクール小河会長の講演でした。

益田ドライビングスクール(MDS)は島根県の隅っこにある合宿形式を主とした自動車学校ですが、ここの特徴は運転技術だけでなく若者の「素晴らしいこころ」を輝かせる教育もしていることです。驚くことに噂を聞きつけて全国から生徒が集まります。もう一度行きたい!という声も出るほどの教習所なんですね。

紹介ビデオでは、入校当初、誰も挨拶もしない若者達が皆ちゃんとできるようになるまでの様子や校内のトイレ清掃を自主的にやったり、およそ普通の自動車学校では考えられないような光景を目にします。

スクール内ではMマネーという独自通貨を発行し、例えばトイレ掃除で15ダラーとか、部屋のリーダーを努めたら何ダラーとかいう具合に遊び心を持ちながら参加するうち、お金ではなくボランティアや掃除自体が楽しくなっていくようです。

また年1回開かれるMDS祭りは地元の方が3万人も集まるイベントに成長しましたが、すべて社員の手作り(これも社員の成長のため)でスクール生(ゲストとよぶ)がお手伝いするそうですが、ワザワザこのためにOBが全国から集まって来るとのこと。

他にもゲストが両親へ手紙を書くことを勧めたり、MDSから両親へ子供さんに手紙を書くように勧めたり。卒業生で一年間無事故無違反者を表彰したりと免許を取得するだけでなく、運転するためのマナーや譲り合いの精神を様々な体験の中から身につけるよう努力しています。

小河会長の講演はやはり具体的なスクール内の取組みの話ではなく、会長自信の考え方のお話でした。

犬塚社長同様、人は何のために生まれてきたのか?ということには、自己革新の為と説かれ、人は良くても悪くても相が深く刻まれる生き方をしなければならない。と個性の大切さを訴えられました。

そして企業は「時流に乗るのか」
      「本物になるのか」 どちらを選ぶべきかと問われ

会社経営の理念として
「美しくなりたくて候」という会津八一元早稲田大学教授の話にうつります

  1.深くその生を愛すべし
  2.省みて己を知るべし
  3.学芸をもって性を養うべし
  4.日々新面目あるべし
     
というものですが、つまり自己革新あるべし、本物を目指せということではないでしょうか。

他にもココロを打たれる言葉が続きます。
「楽しいことはそんなに楽しくなく、美しいこと醜いことに本物の美しさがある」
「人間は思い上がったときに駄目になる」
「社員が成長したことを喜び合う会社にしたい」
「やわらぎの心が生きる自信と勇気を与える」

最後のパネルディスカッションではセミナー参加者でMDSに体験入学した事のある方がお話をされました。
「私は大手自動車会社に勤務しています。最近、本社に転勤しましたが驚くことに本社では誰も挨拶もしない。実は人間不信に陥り躁うつ病になってしまった。療養中にMDSさんのことを知り体験入学をしたが生徒も先生もいきいきとした姿に心を打たれた。今私は職場に復帰しましたが、朝会社の玄関で挨拶運動をしています。最初はみなびっくりしていましたが少しずつですが変化の兆しがみえました」

小河会長、飄々とした様子でお話されますが、秘められた情熱はすごい方です。
社会を動かす力を持っていますね。
また素晴らしい経営者と出会うことができました。
やはり経営者の理念が何よりも大事だということを改めて痛切に感じた次第です。

最後に、息子が免許を取りたいといったら絶対こちらに行かせようと決めました。

益田ドライビングスクール