眠れたのか眠れなかったのか昨夜は相当長い間意識があったように思う。慣れぬ環境でのことだからしょうがないとしても、寝不足という感じではなかった。テントならこのようなことはないのだが、やはり他人様を横にすると無意識に気を使ってしまうのだろう。頭がもうろうとするぐらい飲めば良かったのかもしれないが、日本酒一合ではまだ足りないということなのか、これが適量なのか、気分はそう悪くない。天気はどうだろうかと小屋の窓を開ければ雨は止みそうな気配だが、昨日と変わらないタワ尾根の風景が見える。夜更かしをすることもなく、暗くなって寝て、明るくなって起きたのだからだいたい10時間前後は横になっていたかたちだ。今朝のメニューはまずみそ汁を立て続けに2杯飲んだ。喉が渇いていたのだろう。次はカレーライスで朝飯にした。生憎の空模様だが、予定通り酉谷山から熊倉山への尾根を歩き、宗屋敷尾根で下山する。一時はそそくさとタワ尾根を下って帰宅しようかと悩んだが、天気が回復することを願って計画した尾根を歩くことに決めた。小屋は避難小屋の常連さん達が大丈夫だからということで、掃除もせずに出立したしだいである。昨晩は大変ご馳走にもなった上に後片付けまでお願いしてしまうという後ろ髪を引かれる思いだった。 . . . 本文を読む
自分へのご褒美として今日はリフレッシュ休暇をとった。特にこれと言って用事もなかったが、ただ過ごすのももったいなく。そこで、深まる秋と静寂な時間を求めて、普段歩き慣れていない身近な山を縦走することにした。せっかくの休養なのでここはのんびりと電車を使って酉谷避難小屋で一泊し、熊倉山宗屋敷尾根を下って再び下車駅へ戻るという周回コースにしてみた。考えてみればこれが一番格安な山旅であり、贅沢極まりない充実した縦走だと感じた。おそらく誰一人として出会うことなく深山幽谷の世界を充分に堪能できるような気がした。久しぶりの山に気分は高揚し、避難小屋で飲むお酒も準備してしまう。但し、お酒は好きだが、あまり飲めないので日本酒一合だけでにとどめた。何よりも日常生活から抜け出し、秋深き季節を満喫できるのがいい。 . . . 本文を読む