ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

宮古島にラムサール条約湿地があるとは知らなかったなぁ!(20230424)

2023年04月24日 | その他の論考

2023年4月21日(金)、私は所用で宮古島市役所に立ち寄った。そこで「日本のラムサール条約湿地」(環境省編)のパンフレットを見つけたので、いただいてきた。宮古島にラムサ条約条約登録湿地があるとは知らなかったので、そのパンフをいぶかしく思っていたのだ。先ほど同書(A4、62頁)を見たら、なんのことはない、いつもよく見ていた与那覇湾がそうだったのだ。全く知らなかった!

 私が宮古島に通うようになったのは、2011年以降であり、動機は「島嶼防衛」のチェックであり、自然環境とは無縁の旅を続けてきたものだ。ここは浅海域であり、干潟が広がることは承知していた。生物相が広がっているとは考えてこなかったのは迂闊すぎた。海草藻場もあるという。じゅごんがいるかもしれないのだ。

 同書に拠れば、メダイチドリなどの飛来地、クロツラヘラサギやツクシガモの越冬地らしい。ハシブトアジサシもきているとか。軍事を見る目と自然環境を見る目は、かなり位相を異にしており、困るのだ。そうと知れば、ゆっくりと観察してみたいものだ。

 私にとって北海道(主に道東)は、自然観察と自然写真のフィールドだった。濤沸湖、野付半島、阿寒湖、風蓮湖・春国岱、釧路湿原、霧多布湿原、ウトナイ湖など。思い出したら涙が出てくる。我が青春群像で言えば、奥日光の湿原であり、尾瀬となる。奥日光ではまだ国立公園が厚生省の管理下にあったとき(1970年夏)、「国立公園管理人」のバイトをした。千葉県の谷津干潟や葛西海浜公園は、私たちが取り組んだ新浜を守る会(1967年結成)の踏ん張りの影響を受け、小規模の干潟が残されたり、公園化されたのだ。

 一番最近行ったのは、今年1月に行った、鹿児島県出水のツルの渡来地だ。石垣島には名蔵アンパルがあり、こちらにはついでにちょくちょく立ち寄ってきた。沖縄島にだって漫湖があり(那覇市・豊見城市)、豊見城市の市の鳥に、クロツラヘラサギが選ばれたばかりだ。

 沖縄諸島が「基地の島」から野鳥の島になるのは、ほど遠いのだろうが、私は基地の島を野鳥の島に変えたいと思っている。見方を変えれば、潜在的な生物相の豊かさが見えてくるはずなのだ。漫湖・与那覇湾・名蔵アンパルを観る機会をつくり出したいものだ(他に久米島の渓流・湿地、慶良間諸島海域がラムサール条約に認定されている)。

 しかし辺野古・大浦湾はホット・スポットに認定されたが、米日安保条約の訓練海域であり、新基地建設のど真ん中にあり、自然環境は蹂躙されるばかりだ。サンゴ礁は蹴散らされ、藻場は踏み潰され、ジュゴンは押し出されている。防衛省の力の前に環境省の役人は、後ろを向くばかりだ。自然を守ることに拠る利権と、ぶち壊し基地を造る利権では、比較のしようもない巨万の壁が立ち塞がっている。

 そんなことを考えると、怒りで、頭がぶち割れそうになる。交感神経を過剰に活性化させては、健康に悪いと知りながら、地団駄踏むばかりだ。そうそう、昨年から底生動物の勉強に漫湖の施設に行きたいと思いながら、まだ行けていない。

 ラムサール条約の登録湿地は全国に53カ所だが、それは市民の登録へのエネルギーが高まったところばかりだ。可能性のある湿地は、まだまだ何倍もあるはずだ。

 思えば、私の自然への渇望は、1964年の東京オリンピック反対の気分からたちあがったのだ。しかし2021年の東京オリンピックは、予想どうり、高層ビルの街への「再開発」を促してきた。性懲りもない開発思考は、軍事化と相まって、世界の終わりに向かって時を刻みつつある。その意味では私の一生は完全に一致しているとも言えるだろう。開発にも、軍事化にも反対する志だ。

 まだまだめげては居られない!! ラムサール条約登録湿地を「異端」の場にしてはならないだろう。



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