ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

【訂正】2022年参院選でヤマヒデが考えていることー③どうしてこうなるの?

2022年07月13日 | 暮らしと政治

(Ⅰ)参院選結果と銃撃事件に触れて
 2022年7月10日の参院選結果がでた。自公が合わせて146議席(+7)、野党が102議席。改憲派は(自公+維新と国民民主党など)が179議席で3分の2を超えた(過半数が)125議席、3分の2は166議席)。その直前の7月8日安倍晋三元首相への銃撃事件が起き、「テロは民主主義を破壊する」と安倍追悼のベルが鳴り続けているようだ。どうして、こんなことがおきるのだろうか。
 誰も、人を銃撃し、抹殺する権利はない! 言語道断だ。しかし安倍元首相がやってきたことを顧みれば、私は様々な批判をやり直すべきだと考える。文字通り民主主義に分厚いベールがかっているからだ。このままでは、「民主主義」とは何なのか見通せなくなってしまう。
 詳細な安倍晋三研究は他に譲るが、私は4点を記しておく。①2014年の「集団的自衛権」の無理筋解釈による部分的な「合憲」化、②2014年の辺野古新基地建設のための「臨時立ち入り制限区域」の閣議設定、③様々な形を通じた「立憲主義」の破壊。④学術会議任命拒否問題の4点だ。【本項削除ー2020年菅政権の動きでした。ただし、安倍政権時からの懸案だったことは明らかですが。削除させていただきます。
 若干補足する。①は「専守防衛」から攻守同盟軍化へ。米日共同軍での攻撃が可能となってきた。ここから自衛隊の「軍隊」化、国家緊急権の制定など、国会の立法権を押さえ込むなどの明文改憲が企まれている。②は日米地位協定を飛躍的に強化し、公有水面の私物化、軍事化を通じた基地建設への寄与、③の意図も重大だ。天皇主権の「大日本帝国憲法」から、国民主権の「日本国憲法」に大きく変わったはずだった(1947年)。だが、米日の野合により、「象徴天皇」を残すことが優先され、「主権在民」が曖昧にされたのだ。基本的人権が形骸化される隙を与えてきたのだ。また、第15条公務員は「全体の奉仕者であって、一部の奉仕者でない」の規定は重要だ。赤城さんを公文書偽造に追い込み、自殺に追い込んだ森友問題。公務員は権力の手下ではなく、国民・市民の様々な自由に寄与すべき性質を与えられているのだが、安倍政権、財務省によって、そこが無視されたのだ。④は政府の行政権の専断を押さえ、学術領域を学者・学会の自治を踏まえた独自性を破壊し、軍事研究を優先する動きを政府が促進しようとしているのだ。【この項も外します】
 こうした動きの一つ一つが、日本国憲法の政府・行政権を縛る立憲主義を破壊し、民主主義を破壊してきたのだ。こうした民主主義破壊の安倍元首相の悪事を銃撃事件で、なかったことにしては、歴史に禍根を残す。私たちの暮らしがねじ曲げられてしまう。断じて許してはならないのだ。

(Ⅱ)選挙結果を見れば
 改憲派が3分の2を超えたのは、有権者がこうした問題点をスルーしており、大半の国民は軍事産業などで儲けようと思っているのだろうか。そんな美味しい話はごく一部にしか回らない。
 そこで私は考えた。以下思いつくままに記す。
 

① 立憲民主党が凋落した(45-39のマイナス6議席)。野党共闘の屋台骨になるべき同党が国民民主党(連合)の横やりを受け、分断を固定化した結果の必然的な愚策だった。 

② 共産党も前回比例区約650万票を今回361万8342票に減らした(13-11のマイナス2議席)のはどうしてだろう。同党曰く組織的な力量低下のせいだけなのか? 確かにそれもあるかもしれないが、もっと深堀すべきだろう。東京選挙区の山添択候補は堂々の3位685224票で当選した。この結果は、党中央が全力で支援しただけではなく、無党派層の投票が断然多かったのだ。実直で頭脳明晰で、話しやすそうな彼は好かれているのだ。私も同感だ。

③ 他方で、同党の「自由と平和」のようなスローガン政治は、人々の心に浸透しづらいのではないか。私は「自由と平和」を良しと思うが、やはり有権者の多くには、ぴんとこないのではないか。戦争の時代は、ヤマトでは遠くなりにけり。人々の経験に訴える方法を考えないと、日本の「浪花節政治」を突破できないのではないか。

④ 社民党の福島瑞穂候補は当選し(比例票総数1258499票)、政党要件もクリアした。社民党が立憲民主党に分解した最初の参議院選挙だったことを思えば、やはり快挙だと私は考える。お一人お一人の踏ん張りが効を奏したのだろう。護憲一般ではない、数々の具体策との合流が実を結んだのだ。だからこそ「頑固に平和」が生きたのだろう。

⑤ れいわ新選組はどうだったのだろう。山本太郎が衆院議員を辞して、東京選挙区に6位で滑り込んだ(565925票)ほかは、比例区(2319156票)にお二人のみだった。衆参計8名になったが、前途多難だ。彼らの持ち味は、質疑応答を通して、聴衆の話題をつかみ、引き込んでいくところにある。その弁舌は素晴らしいが、「個人党」をどうしたら脱していけるのか? 候補の個性は輝いていた人が多かっただけに、当選圏に届かなかったのは惜しい。なぜかを総括すべきだろう。緊縮財政批判、積極財政が一人一人の暮らしの展望にまだ結びついていかないのではないか。「誰の命も見捨てない」が選挙という場において、まだリアルに実感できなくさせている何かを克服できないとならないようだ。

⑥ 他方で、差別主義丸出しの改憲派のNHK党が1253872票(1議席)、参政党が1768349票(1議席)を取っている。

(続く)



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。