おもしろニュース拾遺

 BC級ニュースが織り成す可笑しくも愛しい『人間喜劇』。おもしろうてやがて悲しき・・・

NHK受信料不払い者は「観覧」を拒否

2005-12-13 10:00:13 | 迷言・妄言
 あれはあれでいいのかねぇ~。
 受信料不払いに苦しむNHKが不払い者に対する”制裁措置”に乗り出した。
 「思い出のメロディー」や「紅白歌合戦」などの公開番組に、受信料を払っていない人は観覧できない措置を取るという。読売新聞など。たぶん、入場券を申し込んだときに住所と氏名を書く。その際にNHKのデーターベースと照合してあんたはダメですよと通知を出すのだろう。強引に見ようとしても警備員につまみ出されるだけだ。

 確かに現在の法律では、受信料不払いだけでは逮捕することも出来ないし、財産の差し押さえも出来ない。残る手段は選択的なイヤガラセで不払い者を精神的に追い込むしかないということだろう。いわば一種の「公民権停止」措置のようなものだ。
 ただ、テレビを持っていない人が「のど自慢」公開放送を見たいと思ったらどうだろう。この人にも「制裁」を課すのは正当性を欠くという気もする。
 
 現在のNHKは事業収入が約6800億円(2005年度)。在日米軍の日本側負担経費とほぼ等しいという。まさにNHK軍だ。もっと横綱相撲を期待したのだが、なにかずいぶんセコイやり方だ。もちろんこれはほんの手始めで、今後次々と新たなイヤガラセ策が登場するはずだが。

 この「制裁」の考え方は、いわゆる「受益者負担」理論だ。金を払わないやつには利益を与えるな。しかしあまりにも「受信者」ばかりに目を奪われすぎているのでないか。受信者でも自らブラウン管(古い)に登場することで「利益」を得ている人がいる。イヤガラセで訴えるならこういう人たちから「攻撃」をした方が効果的だろう。
 NHKに出演する歌手や俳優。まあこういう人たちは払っているに違いない。というかそうでない人の出演をNHKが許可することはない。

 アマやプロのスポーツ選手はどうだろう。「NHK杯」と付く選手権には不払い選手は出場権を奪われる。そうでない競技でもNHKが中継する場合は、不払い選手にはボカシをかけてまた名前も呼ばないというイヤガラセは可能だ。「おーっと”ピー音”選手トップに踊りでました。この選手は受信料不払いですのでモザイクで放送します。”ピー音”選手が受信料を払えばモザイクは解除されます。振込口座番号は・・です。家族の方急いでください」というように。一般視聴者に与える心理的効果(というか脅迫だ)は大きい。

 政治家でも「未納」の人間はいるはずだ。ニュース報道では「NHK受信料未納のXX大臣が今日の閣議で・・」と毎回「肩書き」をつけるというのも手だ。結果、頭を丸めて四国お遍路の旅に出る政治家がいてもそれは未納から出た錆、受信料から出た恥というものだ。

 一方一般受信者に対するイヤガラセとしては、デジタル放送になるのをきっかけにスクランブルをかけ、「ふっふふ、どうだ何も見えまい。受信料を払わなければお前のテレビは永久にNHKを見ることはできんのだ」とする案も検討されているそうだ。しかしこれでは公共放送として、例えば災害情報を得られなくなる人が出てくる。
 だからこの場合には「欠如」の不利益でなく、不払い者のテレビには不快な雑音が出るようにすればいい。「ハーハッハッハ、苦しいか。これもお前が受信料を払わないからだ。口座振替の手続きをすればすぐに楽になれるぞ」という具合に。

 あーイヤだイヤだ、どうも人間性悪説に立つととにかく「罰」を与えようという方向ばかりに走ってしまう。今後NHKもこの路線に進むに違いないが、もう一度NHKは放送局であるという原点に立ち返って、正面からの訴えは出来ないものか。
 連続ドラマ「受信料の幸せ」。NHK受信料を前払いして幸せに暮らす山田一家のとなりに引っ越してきた不払いの悪田一家。悪田一家には次々と不幸が訪れ家庭は崩壊していくが、山田一家ではお父さんがのど自慢で優勝し・・・・てな勧善懲悪ドラマはいかがですか。