おもしろニュース拾遺

 BC級ニュースが織り成す可笑しくも愛しい『人間喜劇』。おもしろうてやがて悲しき・・・

「スパゲティ袋見て」恐喝:毒入れると脅す

2005-11-30 11:54:15 | 珍事件
 男は追い詰められていた。家賃滞納で立ち退きの期日が迫っていた。途方にくれつつ、夕食の「単品メニュー」、コンビニで買ったスパゲティを袋ごと電子レンジにかけた。「レンジで温めるときは袋に必ず穴を開けてください」という注意書きには気がつかなかった。スパゲッティの袋が加熱で膨らんでいくのを見ていると、男の心の中にもある野望が膨らんで来た。しかし・・そこまでは・・・・その時、パン!と袋がハジケた。その音に背中を押された。いや!これしかない、やるぞオレは!
 
 この60歳の恐喝男、毎日新聞では「(同社製品の)スパゲティを見て恐喝しようと思った」としか記述がなく、スパゲティと動機の結びつきがぼんやりしていた。ところがTBSの報道で、「家にあるスパゲティーをレンジにかける時に袋を見て」という供述を聞いた瞬間に、小生の脳裏には、この男の犯罪の発端から逮捕の瞬間が、あたかも「超能力捜査官」の「4次元透視」のようにハッキリと展開された。これに間違いない!

 ここでは報道とその「透視」を基に、貧小ではあるが、ある種の哀愁を帯びたこの事件をビビッドに再現してみよう。ただし「透視」の外れた部分に関しては、高い出演料で海外から呼び寄せた「超能力捜査官」たちも「A子さんはもう死んでいます」、「A子さんは生きています」と「透視結果」が食い違い、"人の命で遊ぶな"状態をスタジオに作り出したりするくらいの有様なので、無料だから免責とさせてください

 男はやおらレンジを開けると、破れたスパゲティの袋を取り出し、中味には目もくれず、袋に記載された会社の住所を書き写した。手紙などここ30年書いたことがなく、「はいけい」と書き出したが漢字が分からず結局いきなり”用件”を書いた。「500万円用意してください。用意しないと貴社の製品に毒を入れます」
 
 大手メーカーへの脅迫にしては少額なのと、「敬体」で書いている(読売)ところにこの男の気の弱さと素人性が見える。メーカーから通報を受けた警察もすぐにそれに気づいたはず。与し易し、逮捕は時間の問題とほくそ笑んでいた

 警察の取ったのはじらし作戦。犯人はカネが早く欲しくてしょうがないはず。果たせるかな男は1週間後に「金は200万円でいいから京都駅まで現金で持ってこい」と電話をかけてきた(読売)。
 だからね~、恐喝や詐欺はテレビショッピングじゃないんだから、ディスカウントしたら必ず失敗するの!この事件もそうでした)
 「そろそろパクりますか。受ける電話を固定してください。それからできるだけ話を引き伸ばしてください。何でもいいんです」 

 京都に住む男だったが、電話は公衆を使って大阪からかけることにした。「フン、ワシかて伊達に退屈な二時間ドラマ見てへん逆探知は効かへんでワシが大阪の人間や思わせたるんや」と不敵な笑みを浮かべて受話器を取った。「あー、約束の200万用意できたかね。また10分後にかけるから携帯のスイッチ入れときたまえ。」
「それがですね、まことに申し訳ないんですけど、うちの会社今ぁ~ちょっと苦しいんで、10万ずつ20ヶ月払いということで手を打っていただけないかと・・・」
 思わぬ申し出にこの小心者はすっかり気が動転してしまった。「オオ・・オマエ、アホか!そんな分割なんてできるわけないやろ。なな・・・何とかせんかい、毒入れられてもかまへんのか!ワレ」
 「はあそうですか、ちょっとこのままお待ちください。社長と相談してきますんで」
 もう男の念頭からは逆探知への警戒心などどこかへ飛んで行ってしまった。
 「はいお待たせしました。社長のOK出ましたんで、これから京都駅へ200万耳を揃えてお届けします。それでですね、私京都駅初めてなんですよ。待ち合わせ場所、細かく教えてもらいますぅ?」
 「おーそうか、いや解ってくれたらええねん、ほな、場所これからくわしゅう言うさかいな、・・・・・」もう嬉しさのあまりコインが切れても「ゴメンゴメン、ちょっと両替してくるし」、と近くのコンビニに走ることも厭わなかった。逆探知で目標地点を絞り込んだ捜査員たちの前を男がスキップしながら通り抜け、件の電話ボックスに飛び込んだ。

 「おおきに、おおきに」と恐喝犯は何度もお辞儀をしながら受話器をおいた。「ついにやったで。200万や!明日からワシの新しい人生やで!行こか、京都駅!」。還暦を迎える今の今まで経験したことのない達成感と希望で胸をパンパンに膨らませて電話ボックスを出た瞬間、捜査員たちがグルリと男を取り囲んだ。「おっちゃん、どこ電話してたん?ちょっと話し聞かせてくれるか。その瞬間、あの時、始まりのあの時のスパゲティの袋のように、男の希望も音を立ててハジケてしまった。
 

サルの世界にも「方言」を確認:京大霊長研

2005-11-29 08:31:58 | 動物・ロボット・植物
 「お前なぁ、ゆうとくけど、サルがなんぼ賢いゆうたかてな、動物園行ってみぃ、サルが飼育係に”おっちゃん、明日のおやつはタコ焼きにしてぇな”なんてしゃべっとるん見たことあるか。言葉ちゅうもんはな、人様だけが使えるんや。せやからなぁ、昔から人は万物の霊長ゆうねん。」

 確かに言葉が喋れるというのは昔から人間だけの能力と信じられて来たし、またそれがいわば最後のプライド、人たる最後の砦と思われて来た。
 しかし最近の研究で、次々とサルにも人間のような「言語能力」があることが突き止められてきた。そしてそれはついに「方言」という後天的な言語活動に及ぶことが解明された。

 京都大学の霊長類研究所(犬山市)の研究で、「約50年前に本州と九州に分離された二つの群れのニホンザルが、遺伝的には同種なのに鳴き声が違うこと」がつきとめられたという(毎日新聞など28日の各紙)。
 「生後6カ月の子ザルの声は群れによる差がなく、その後“方言”を学ぶことが分かった」という。この“方言”というのは、「群れからはぐれないよう互いに呼び合う「クー」という声」の周波数の違いである。「人間のように学習によって習得する『言語』のルーツがサルにもあることが初めて確認出来た」と同研究所。

 ということはである、例えばこの京大の犬山市の研究所にいるサルはたぶん「名古屋弁」を喋っている。彼が下北半島のサルの群れに入ったら、「東北弁」を学習するということだ。バイリンガルならぬ”バイリンザル”の誕生だ。例えば日本人でも大阪弁しかしゃべれない人が多いことを考えると、またしてもサルに「追い越された」

 もともとはサルも人間もコミュニュケーションcommunicationの手段として「言語」を獲得した。しかし人間の場合は文明が発達すると、言語を逆に「ディス・コミュニュケーションdiscommunication」つまり偽情報を伝える(あるいは現実を隠蔽する)手段に悪用し出した。それは政治家・役人・言論人・詐欺師など言語を専門的に使用する人間の堕落を見れば「一”聞”瞭然」である。

 サルはこの霊長研のアイドル、「アイちゃん」を筆頭に高度な言語表現を学んで進化しつつある。一方人類はその悪用が祟り言語能力は退化の一途だ。突然アイちゃんの末裔が「愚かなる人類よ」とキーボードを叩いて呼びかける日も近いのではないか。

国交省元幹部、「アイコラ」で逮捕

2005-11-28 14:49:36 | 変人
 お間抜けなニュースに突っ込みを入れる。別に一文にもならないが、権威の虚構やお偉方の裏地をチラリとでも見せることができれば、それはそれで世のため人のために全然ならん訳でもない。

 と言うのが当Blogのでっち上げ「設立趣意」であるが、登場人物が間が抜けすぎていて、突っ込みを入れる気分も失せるニュースがある。
 その"脱力系"ニュースの一つがこれだ。国交省の元幹部がいわゆる「アイコラ」(ご存じない方はここで)をやって、名誉棄損で逮捕された。(読売毎日

 この58歳の元国交省幹部は現在”財団法人「航空保安施設信頼性センター」東京空港無線保全事務所長”といういかめしい肩書き。詳しくは同「センター」のWebを見ていただきたいが、簡単に言えば国交省の外郭団体、つまり国交省のお役人の天下り先ポストを提供するのが主たる任務である。

 天下り先ということは、給料は出るが仕事はしなくてもいいということだ。暇でしょうがないから、趣味のアイドル写真収集とそのエッチな画像への加工を楽しんでいた。この楽しみを「ほかのファンにも見せてあげたかった」と、猥褻写真管理サイトにせっせと送信していたのである。
 驚くべし。この所長の「自宅のパソコンには、女性タレントやアイドルの合成写真などが約12万枚も保存されていた」。本職の「航空保安施設の信頼性向上に関する調査研究」を行い「航空交通の安全性の向上に寄与する」(「設立趣意」)というのはいったいどうなっておるのですか。「信頼性センター」の信頼性は地に落ちたのですが、この所長の古巣の国交省の品位と責任は?

 「優子リンのお顔をここに貼り付けて・・・イイね、イイね、ムヒヒヒ」。「所長!お取り込み中ですが書類の点検をお願いします」。「イイよ。イイよ。それでいいよムヒヒヒ・・」(所長!、現実世界に戻ってください!)というやり取りが毎日交わされていたのだろうか。

 国交省はマンションだけでなく、空港の安全性も早急に点検する必要がある。

「金色」のナマズが出現:青森県

2005-11-28 09:33:13 | 動物・ロボット・植物
 合併で消滅が決まっている那賀川町に突然現れ光を与えたのがアザラシ「ナカちゃん」だが、こちらも年内一杯で姿を消すことになっている青森県は福地村に出現して眩いばかりの?光を放っているのが二匹のナマズ君だ。体の一部が金色。村は最後の瞬間に登場した"ゴールデン"ルーキーの登場にわいているという。(東奥日報)

 突然変異ではあるが、専門家も「前代未聞」と目を円くしている。福地村はナマズの養殖が盛んな所で、ナマズで村興しをしている最中。「二匹のナマズは刺し身や天ぷらにはせず、大事に育てていくという村の方針が決まった。それどころか"縁起物"として一般公開も考えているという。

 写真を見て「金色でなく黄色だと突っ込みをいれる人もあるでしょうが、そもそも金色というのは「色」ではない。黄色が光り輝いたものが金色だ。消え行く村の救世主、まさに後光が射して見えるのではないか。

 この「おもしろニュース拾遺」に登場する人間はたいがい不祥事だが、動物たちは光り輝いている(左の「カテゴリ」からご覧ください)。人間を「万物の霊長」と呼ぶ勘違いはいったいどこから来たのか。

【追記】
 ナマズを食ったことのある人は少ないと思います。
 上で紹介した福地村のWebの「なまずページ」に
「一度は食べてみよう! なまず御膳」
とナマズ料理のフルコースが紹介されています。

 ① なまず天丼
 ② なまず変わり揚げ
 ③ なまず天ぷら
 ④ なまず琥珀造り
 ⑤ なまず刺身
 ⑥ なまず南蛮漬け

 しかし同時にこのページには、ナマズは、「神の使いとして人々の信仰と恐れ
の対象となってきました。」とも書いてあります。
 「神の使い」をおいしくいただくとは、げに恐るべきは「万物の霊長」。

「自営業」と偽った飲酒運転の市役所職員逮捕

2005-11-27 11:33:11 | 珍事件
 A friend in need is a friend indeed.という誰でも知っている英語のことわざ。「ピンチの時に助けてくれるのが本当の友達」とでも訳しましょうか。

 しかし時にお呼びでないのに駆けつけて、こちらをピンチに陥れる友達もいるのです。

 奈良市で物損事故を起こした市の管財課係長。飲酒運転だったので駆けつけた警察官に職業を「不動産業です」と誤魔化していた「あっそう」と警察はそのように書類を作成したのですが、ここでなぜか容疑者の友人と称する人物が登場。別に来る必要はないし誰も呼んでいないのですが、こういう人っていますよね。なにか騒ぎがあると必ず首を突っ込まずにはいられない人。そしてさらになぜか現場を仕切りたがる人

 普通の友達なら本人に電話をかけて「お前、事故起こしたてほんまかいな」と聞くところですが、この「友人」はいきなり警察へ。そこで「ほれで役場へも連絡しゃーはった?」と尋ねたのです。「なんで役場に?」、「せやけどあいつ奈良市の係長でんがな」(共同通信11月26日)

 まあ公務員が飲酒運転をしてしかも身分を警察に偽ったというのですから、もうこの係長は悪質そのもの。相応の罰を受けていただかねばなりません。
 しかし、「持つべきものは友」か「持たざるべきは友」なのか。判断に迷う「友」もいることはいるなと思わされた本日のC級ニュースでした。

野中「時刻表トリック」破れる:献金裁判

2005-11-26 11:43:25 | 詐欺
 小生は再放送しか見たことないのですが、「火曜サスペンス劇場」"女弁護士高林鮎子 Part○"は、真野あずさと橋爪功のコンビが犯人のトリックを時刻表を駆使して崩していくシリーズもの。マンネリではありますが、まだ続いているところを見ると、時刻表という誰でも入手できるアイテムを活用して、知能犯を追い詰めて立ち往生させるその瞬間に喝采を叫ぶという心理なのでしょうか。

 「サスペンス劇場」ほどドラマチックではないのですが、25日法廷で政界の大物の「アリバイトリック」が"時刻表"によって崩されるという展開がありました。
<野中証言は偽証か、「見舞った」親せきは入院せず>という読売新聞の記事

 登場人物は野中広務。日本歯科医師会(日歯)側から自民党旧橋本派への1億円ヤミ献金事件、つまり1億円のワイロ小切手を橋本龍太郎、青木幹雄の二人とともに受け取ったとされるいわゆる日歯連事件。
 橋本、青木の両名はこのワイロを受け取った「らしい」が「全く記憶にない」と証言しているのに対し、野中は当日のアリバイを主張。現場にはいなかったと授受を否定。
 
 そこで検察側は公判で「アリバイ崩し」をするのですが、残念ながら実際の裁判は相手の野中がいないので、ドラマチックに進みません。ここでは野中証人に登場いただき、検察提出の新事実に基づき「サスペンス劇場」台本風にその瞬間を演出してみましょう。

検察「野中証人にうかがいます。証人は1億円の授受があった2001年7月2日夜には、赤坂の別の料亭で別の会合に出た後、新幹線で名古屋に移動したと主張されていますね。なにかそれを証明できるものをお持ちですか」
野中「ここに秘書の当時の手帳があります。これを見ますと、その日に私は20:13東京発ののぞみ157号に乗車しております。名古屋には21:55に到着しております。」
「なるほどそこまで正確に記録が残っているなら間違いありませんな。ちょっとお手数ですが、この時刻表で(野中に時刻表を開いて渡す)ご確認いただけますか」
「(眼鏡をかけながら時刻表を見て)え~と20:13だから・・あっ間違いありません。のぞみ157号これです(と指差す)」
「ありますか。恐れ入りますが、こちらの時刻表でもご確認いただけますか」(と別の時刻表を渡す)
「(怪訝な顔で検察官を見やってから)年寄りに視力検査ですかな・・・えーと20:13ですから・・・・・・ん??な、ない?この時刻表古いんじゃないですか?」
「確かに古いのです。表紙をご覧ください」
「(時刻表を裏返して)2001年7月号?・・・あっ!!(目を見開いて検察官をにらむ)」
「そうですよ、最初にお渡ししたのは現在の時刻表。当時は20:13発ののぞみはなかったんですよ。(指差して大声で)その手帳は現在の時刻表を見てあなたが書き込んだんですね!」
(狼狽して)いや・・この手帳・・・まちごうて新しいヤツ持ってきてしもうたんや・・・秘書のアホが・・」
「(勝ち誇って)まあいいでしょう。さらにお聞きしますが、名古屋で下車されてあなたは”なぎゃー病院”に行かれたとのことですが、お見舞いされた相手はどなたです?」
「私の遠縁にあたる山田田吾作という方です」
「なるほど・・(書類の束を取り出して)ここに”なぎゃー病院”の当時の入院患者の記録をいただいたんですが、(ページをめくりながら)当時は・・山田田吾作さんという方がおられたという記録は・・・(急に顔を上げて野中をにらんで)どこにもありません。(書類で机を叩き)あんたの証言はまったくデタラメなんですよ!!」

法廷内騒然。「野中先生~!」、「ああもうアカン」などの悲鳴。「静粛に、静粛に!」と言う裁判長の声。ダラリと両手を下げて立ち尽くす野中の足元に、"秘書の"手帳が落ちている)


 とまあ、あまりの「単純ミス」なので盛り上がりに欠けますが、「火曜サスペンス劇場-胸ポケットに消えた1億円」の台本ならこんな感じでしょうか。

 それにしても登場人物のお粗末さはどうですか。青木、橋龍の両名は1億円を完全に「覚えてない」認知症状態。野中はあまりにも杜撰な「アリバイ工作」。橋本派の巨頭が揃ってこのありさまですから、小泉に「ぶっ壊された」のもあまりにも当然。
 これじゃ「火曜サスペンス劇場」というより吉本新喜劇状態だ。最近テレビでも政治ドラマが不作なのも無理のないことでしょう。【文中敬称略】

【追記】
 小生本放送を見ないものでご指摘を受けるまで知りませんでしたが、「火曜サスペンス」は今年の秋に終了しているのですね。じゃあもう橋爪功ー眞野あずさコンビの「時刻表」は見れないんですね。
 何とかスペシャルでやって欲しいっすね。もちろん主演は野中広務氏。贈収賄事件に絡んだ与党の大物役で。もう政界を引退されていることですし、球界からはイチローが古畑任三郎に主演で出るということもあるので、政界からはやはり悪役的存在感のこの方で異論ないでしょう。彼と対立する首相役には老けさせた小泉孝太郎君
 真野ー橋爪コンビが野中氏の時刻表トリックを追い詰めていくお約束ストーリーということで。何ならシナリオを書きましょうか((笑))。


「節約生活」の著者逮捕:経歴すべてウソ:とんだ「裏ワザ」

2005-11-25 10:38:20 | 詐欺
 「家庭での節約法を書いた本の著者として知られるエッセイストの女が知り合いの戸籍を使って別人になりすまし、婚姻届を出していたとして逮捕されました。」とNHKが報じています。

 逮捕された「山崎えり子」(ペンネーム)は4年前、知り合いの48歳の女の戸籍を使って、同居していた43歳の男との婚姻届を静岡市役所に提出したそうです。逮捕理由は公正証書原本不実記載。ところが実際には彼女には本当の夫は別にちゃんといるそうです。

 実を言うと、なぜ婚姻関係を偽ったか小生には判然としない(ご存じの方コメントかトラバを)のですが、<調べに対し、「本が売れてしまって確定申告をすることになり、そのままの戸籍では素性がばれてしまうと思った」と供述しているということです。>まあ税金逃れということでしょうか。

 調べてみると彼女は90万部を超えるベストセラー『節約生活のススメ』を始めとして、実に多くの本(今年1月段階で21冊という)を出しています。
『みるみるお金が貯まるカンタン節約術』
『いつのまにかお金が貯まる簡単な習慣』
『節約主婦の絶対うまくいく株入門 私が始めた「攻めの財テク」』
『山崎えり子のシンプル節約生活へようこそ。 無駄なく、ゆとりある暮らしをつくる200アイディア』


 だから印税も大変なものだったでしょう。「みるみるお金が貯ま」り、「攻めの財テク」をやって、ますます「ゆとりある暮らし」になって「いつのまにかお金が貯まる」身分になると、もっと税を「節約生活」しようと思って、禁じ手の「裏ワザ」を使ってしまったのですね。

 彼女は自分のホームページ『山崎えり子の 無知の知』でこう書いています。
 「私は本を書かせていただき、多くの方に読んでいただきました。でも、いろいろなことを調べれば調べるほど、自分の無知さ加減がわかり、恥ずかしくなりました。」
 いいえ「無知」でなくあなたは知りすぎてお金に溺れてしまったのです。「山崎えり子のシンプル節約生活」を実践していればそんなにお金を必要としなかったのでは。世間に公言したのと逆のことをしたのを恥ずかしく思ってください。

【追記】
 彼女のある本の帯には「1964年、神奈川県生まれ。大学卒業後、公務員として、福祉関係の仕事に従事する。仕事で何度もドイツに足を運ぶうちに、少ないモノで豊かに暮らすドイツ流シンプルライフに多くのことを学ぶ。30歳で結婚」とありますが
 実はドイツで暮らしたことなどなかったそうです。公務員もしたことがない。
 「素性がバレる」と言っているのはこのことですね。詐欺師なのか虚言癖なのか。儲けているんだから前者でしょうね。

 産経新聞2005年1月20日に、写真入りの大きなインタビュー記事があります。それによると、結婚してすぐに夫が交通事故で下肢が不自由になった。その「介護」経験もウリなのですが、その「夫」というのはどちらの男性?つまりこれもウソということ。
 しかし有名な「35年ローンを7年で返済」の話は、上の産経の記事によると「5年半で完済」したというから本当以上です。ただこれは節約よりも印税の力です。だから実は読者が彼女に書いてもらったら嬉しいのは『みるみるお金が貯まるカンタン物書き術』なのです。

【追記2】
 Blog「山崎えり子の節約生活」はアクセスが殺到していましたが、今は見れるようです(また見れなくなっている)。24日まで更新されています。
 本を買うお金がもったいないという「節約生活」派のかたは、ここで「楽しみながらできる節約術」をタダで学ぶことができます。

米国の「最も醜い犬」逝く

2005-11-24 17:41:56 | 動物・ロボット・植物
 米国の「最も醜い犬選手権」で3年連続チャンピオンだった雄犬「サム」が逝去。享年14歳。チャイニーズ・クレステッド・ドッグの一種だったという。記事

 ゲーテはどこかで言っています。「種の中で完全な個体はその種を超越する。」
 ちょっと分かりにくいので、ここで数学的帰納法の応用である「すべての人は面白い人である」定理を紹介します。
 今ここに、「ボクはホントにつまらない人間だ」と思っている人たちを集めます。その中で、一番つまらない人(A1さんとしましょう)というのは大変な変わり者ですから、面白い人です。従ってこの集合からA1さんを除きます。残った人たちの中で、また一番つまらない人A2さんを選びます。同じ理由で、A2さんはこの集合から取り除かれます。このようにしてA3,A4.....A(n-1)さんが「おもしろい人」の集合に移動(みなさん「一番」なんですから)します。最後のAnさんは当然平凡ではあり得ません。「面白い人」です。このようにして「つまらない人」は全員「面白い人」であることが分かります。

 サムは「最も醜い犬」ですから「その種を超越」してアイドル視されるようになったわけです。我が家でも「どうしょうもなく不細工で絶対もらい手がない」猫をしょうことなしに飼っています。最初は見るのもイヤだったのですが、最近はもう笑うしかない。だんだん可愛くなってくるのです。

 サムはあと数日で15歳の誕生日だったそうです。でも犬としては長寿でしょう。醜くて「神に嫌われた」のか。しかし今はその魂は醜い肉体を離れて天国で神と共にある。

盗み先で裸の夫婦を盗撮

2005-11-24 12:00:49 | 変人
 盗人が盗みに入った先で盗窃(とうせつ)だけでなく盗撮までしていたという話。韓国で。
 朝鮮日報日本語版によると、この20代の男は「深夜盗みに入る家を物色していたら、性行為をしている夫婦の声が聞こえたので、好奇心で窓の外からこっそり携帯電話に動画録画した」と話しているという。男は携帯電話のカメラで3分間盗撮するなど、2度にわたり裸の夫婦の姿を撮影したという。
 盗みの最中に盗み聞きして盗み笑いを浮かべながら盗み撮りをしたわけだ。まさしく「」人

 しかしまだ驚くのは早い。警察が男のアパートの部屋に入ると、「容疑者の家にある家財道具は、スーツ1着を除きすべての生活用品と家電製品が盗んだ物だった」。盗品だけで暮らしていた。大盗の域をうかがう勢いだ。
 男はマンションのガス配管を登って盗み足で侵入して盗犯を繰り返していた。盗品は液晶モニター、ビデオカメラ、時計100個余り、金のネックレスなど46の貴金属におよび、盗難被害者も18人にのぼるという。「仕事がなかった」というが、ここまで来ればもう立派な特殊技能と言っていい。夜盗を雇うという人はいないので、盗人根性を改め、この能力を真人間になって活用して欲しい。

 本日のお題は__でした。



【続報】高校生市長誕生

2005-11-23 13:06:53 | 快挙・怪挙
 この写真はすでに紹介した高校生市長マイケル・セッションズ君の初仕事の様子です。
 (ご存じない方は下のトラックバックを使って最初の記事を見てください)
 早くも市長の貫禄が出ています。環境が人を作るのですね。あのタイゾー君も自民党50周年大会で堂々と宣誓の役を。
 昨日マイケル君は市長の就任式に臨みました。日本語の報道が見当たらないのでとりあえずAP通信の記事を見てください。
 この記事によると小さな町に「はるばる日本やロシアからも」報道陣が押しかけたと伝えています。

ほくろで見破られる:双子の偽装事件

2005-11-23 10:46:03 | 珍事件
 「免許証を紛失した」とうそを言い、双子の弟名義の免許証の再交付申請をした男が逮捕された。まあありがちな事件だけど、見破られたのは男の_ほくろ_だった。
 窓口の女性係官が免許証台帳の弟の顔写真と照合した結果、この男のあごに、弟にはないほくろを発見。動かぬ証拠を突き付けられて、アッサリ観念したという。(共同通信)

 他人が双子を識別するのは本当に難しい。ほくろは重要な手がかりだ。この兄弟も、これまでそのほくろで区別されてきたことを知っていたはずだ。せめて絆創膏などでほくろを隠すくらいの努力はあらまほしきものである

 最近ポーランドでは、選挙で双子の兄弟が大統領と首相を分け合うかもしれないという危険?があった。これは回避されたが、もしそうなっていたら、首相と大統領が「日替わり」であっても誰も気付かないという事態になったかも。

 昔S兄弟という双子の一流マラソンランナーがいた。兄弟実力拮抗で二人とも日本代表という時もあったが、不思議なことにこの二人がゴール前で競ったレースを見たことがなかった(ほとんどの場合二人は同じレースに出ていた)。片方が優勝したときは、必ずもう片方の成績がひどく悪いのだ。
 「ひょっとするとS兄弟の一人は一流ランナー、もう一人は平凡なランナーなのではないか。兄弟に格差ができるといけないので、”きょうはオレが兄をやる"と決めてレースに出ているのでないか」とあらぬ妄想を抱いて、なんとかこの二人の違いを見分けようとレースそっちのけでテレビに釘つけだったが、当然ながら「S兄弟の秘密」は見破れなかった

 それにしても免許証がいまだに写真認証に頼っているのは心細い限りだ。一部ATMやパソコンで使われている静脈認証などの生体認証システムに早く切り替えないといけない。

『ニワトリに安らかな最期を』:動物愛護協会

2005-11-22 21:47:36 | 動物・ロボット・植物
 光あれば影がある。生があれば死がある。喜びがあれば悲しみがある。
 我々の食欲を満たしてくれる肉や魚。彼らは人間に食われることを光栄と思っているだろうか。そんなことを反省させられるニュースだ。

 米動物愛護協会は二十一日、全米で行われているニワトリなど家禽(かきん)類の食肉処理方法は食中毒を起こす可能性があるとして、米農務省に改善を求める訴訟をサンフランシスコ連邦地裁に起こしたという東京新聞の夕刊のニュース
 協会によると米国では生きた家禽類を金属のかぎに逆さにつるし、通電したプールに漬けてまひさせ、それを機械で処理している。このため家禽類がプールにたまった排せつ物を吸い込み、肉がバクテリアに汚染される可能性が高いという。
 しかもニワトリ達が殺される瞬間には神経がまひするだけで、意識が残っていると指摘。今際の際には意識を絶つべきだと人道的な理由から指摘しているという。

 人間に頬張った瞬間の快感を与えるためだけに、いったい1日に何千万羽のニワトリが死の苦しみを味わわされていることか。「二十四日の感謝祭には、四千五百万羽の七面鳥が食卓に上る。」と記事は付け加えている。七面鳥は人間に「感謝」を捧げるだろうか。地球生誕以来、これほど多くの他の種を大量虐殺して改めない種は現れたことがない。ああ主よ、あなたは何という残虐な種をお造りになったのですか。

朝焼小焼だ 大漁だ
大羽鰮(イワシ)の 大漁だ

浜は祭りの ようだけど 
海のなかでは 何万の 
鰮のとむらい するだろう

(金子みすず『大漁』)


 カーネルおじさん、あなたも罪深い人です。あなたのレシピのために鶏が流した涙で湖ができると考えたことはありますか。
 通常価格1113円『5ピースパック』感謝価格1000円のフライドチキンを頬張りながらあなたの顔を見て涙がとまりません。えっ?こういうのを英語ではcrocodile tearsワニの涙というんですか。


「星の位置が悪い」から記者会見しない:タイ首相

2005-11-22 07:52:00 | 迷言・妄言
 首相が突然、記者会見はしない、「水星の位置が良くない。星が動くのを待って」と言い出した。タイのタクシン首相(上写真)。ガハハハ・・なかなかいいセンスだ。もちろん日本の政治家も応用できる。「今 大殺界に入ってるんだ。記者会見受けたら"あんた地獄に落ちるわよ"って占い師の先生に言われてるもんで」。

 しかし読売新聞によると星が悪いというよりも、家族が私的に軍用機を動かしたり、武装勢力が活発で治安が不安定になったり、下院の選挙で負けたりと、とにかく記者会見から逃げたくてしょうがないからという。

 英語のdisaster(災害)はもともと否定のdisと「星」を意味したaster(astron)の結合したもの。つまり星から外れると災難が降りかかるということ。占星術を信じる政治家は世界に多い。タクシン首相、日本語で書けば「託信」だから国民が信頼を託しているという意味でいい名前だったが、実は彼自身が星に運命を託していたわけだ。

 昔レーガン大統領のナンシー夫人にお付きの占星術師がいて、その「お告げ」に従って夫(つまり大統領)に政治日程を決めさせていたと噂になったが、一寸先は闇の政治の世界に生きる人たちが占いに頼るのもそれほど特異なことではない。

 占い師よりももっと怖いのが直接「神のお告げ」を聞く政治家だ。スゴイのが現在のブッシュ大統領。最近報道されたエピソードを紹介しておこう。
 パレスチナ自治政府のシャース副首相が、2005年10月10日放映の英BBCのドキュメンタリー番組の中で、ブッシュ米大統領がアフガニスタン攻撃やイラク戦争開戦に踏み切った理由を「神のお告げがあったからと語っていた」などと発言していたという。
 シャース氏の言葉を引用しておきましょう。
Shaath, now the Palestinian Information Minister, said: “President
Bush said to all of us: 'I'm driven with a mission from God.

“God would tell me, 'George, go and fight those terrorists in
Afghanistan'.

"And I did, and then God would tell me, 'George, go and end the tyranny
in Iraq...' And I did.

 ブッシュ大統領の夢枕に立った「神」が、「ジョージよ、立ち上がれ、そしてイラクの専制を終結させよ」と言ったからイラク戦争をやったとブッシュ自身が語っていると。
 それにしても「神」から「ジョージよ」とファーストネームで呼びかけられる関係だったとはね。さすがに大統領。

仕事中にせっせと猥褻メール:熊本判事

2005-11-21 18:56:35 | 変人
 坊さん、先生、官僚、まあ次々と下半身の醜聞が続くと思っていたらこんどは裁判官。
 熊本地裁(大坪丘所長)は二十一日、同地・家裁人吉支部長の男性判事(42)が勤務中、出会い系サイトで知り合った女性にみだらな内容の携帯電話メールを送信したことなどを理由に辞表を提出していたことを明らかにした。判事は昨年十一月から先月まで勤務中、出会い系サイトで知り合った女性とメールを交換。みだらな内容の文章のほか、下着姿や法服姿の写真を送信した。同判事は平日のほぼ毎日、執務室で一日一~十回メールをやりとりしていた。(熊本日日)

 これは今週発売の「週刊ポスト」で最初報じられたもので、ポスト誌には新聞で書けないような内容の判事のメールが引用されています。要するにSM志向の判事のようです。

 「判決を言い渡す。被告は○○を××している写真をメールで裁判官に送りなさい。ムヒヒヒヒ」というような本職を活かしたSMメールもあったのでしょうね。

 これで思い出したのですが、大蔵省のエリート官僚は綺麗どころを揃えた宴席では、やたらと裸になって幼児プレイをしたがるというのです。この判事も、赤ちゃん言葉メールを女性に送っている。
 法服、袈裟、紺のスーツ、これらは権威の象徴ではありますが、これを着ている人たちは日頃大きなプレッシャーを感じていて、いつもこれを脱ぎたい、幼児に帰りたいという衝動を持っているのでしょう。転落への衝動を抱えた人たちが日本を動かしている。
 そして一日中SMのことを考えている裁判官に、むち打ちの刑どころか死刑の判決を下されてしまうこともあるということだ。

名誉心に訴える新手の「振り込め」詐欺

2005-11-21 13:40:32 | 詐欺
 「あっ、私産経新聞の記者の某と申しますが、実は市民文化祭に出品されたお写真拝見しまして、ハイ、もうまことに素晴らしいの一語です。ええ、つきましては是非ですね、あのお写真を産経新聞の全国紙面で紹介させていただきたいと・・・」
 と、いきなりの電話。こっちはもうすっかり舞い上がってしまって自分の立っている場所が分からなくなった。「それでですね、実は掲載料が必要でして・・・ええやはりカラー印刷ということで44万円程度です。あっ、これから振込先をお教えしますので、なるべくお早く・・・・」
 こっちはすでに冷静さを失っている。ただただ「ありがとうございます」を電話口で繰り返して、「はいできるだけ早く振り込まさせていただきます」と言いながら、口座番号を震える手で書き留めるのが精一杯だった。
 さあ44万円をどう工面するか。それだけで頭が一杯だ。全国紙だぞ。こんなチャンスはもう生涯ないだろう。しかし手元不如意な今すぐには・・・と困り果てて「ご利用は計画的に」の悪魔の機関にTELしようとしたとたんに、電話が鳴った。
 「ああ産経新聞の某でございます。まだあのお振り込みをいただいてないんですが・・・あっ分かります。でも一生ものでございますから。他の方からはすでに掲載料を払い込んでいただいているので。そうですね・・よろしい今回は特別割引で22万円で結構です。」

 えっいきなり半額?そこで目が覚めた。これは話が逆でないのか。著作権はオレにある。オレはむしろ金を受け取る側だろう。

 というのが、産経新聞が<『産経新聞記者』を名乗る詐欺にご注意下さい>という社告で警告している新手の振り込め詐欺だ。新潟県は加茂市に住む男性はすんでのところで詐欺に引っかかるのを免れたらしい。

 まあハッキリ言ってこれまでの振り込め詐欺よりも「単価」が低いので、効率は悪い方だ。ただ、これまでの振り込めが、交通事故、痴漢、治療ミスという負のショックで相手を動転させるのに対し、こちらは相手の名誉心に訴えるという点で「新境地」を開拓している。写真をやる人なら自分の作品が全国紙で紹介されるのはこの上ない名誉だ。心の隙間をつかれた。