おもしろニュース拾遺

 BC級ニュースが織り成す可笑しくも愛しい『人間喜劇』。おもしろうてやがて悲しき・・・

民主党「メール事件」報告書公表

2006-04-01 13:49:38 | 詐欺
 民主党(The Democratic Party of Japan 本部 東京都千代田区永田町1-11-1)は31日、永田元議員のいわゆるメール問題についての報告書を公表した。

 その中で、自称フリーのジャーナリスト西澤孝氏が永田元議員にニセメールを渡したのは、前原誠司代表の働きかけによるものであったことを明らかにした。前原氏は同日、代表を辞任する意向を明らかにした。

 前原氏がこのような不可解な工作を行ったのは、師匠格にあたる小泉首相からメールで依頼されたためという。そのメールの内容も、民主党の報告書に添付されている。メールには日付が附されていないが、今年一月下旬のものと見られる。送信者・受信者共に「情報源を守るため」に黒塗りにされて公開された。

X-Mailer: ■■■■■■■■■■
From: ■■■■■■■■■■
To: ■■■■■■■■■■

前原君ゑ
シークレット:極秘扱いで処理して欲しいんだけど、今4点セットで困ってるん
だ。遅くても2月中に助けて欲しい。
できれば民主党が何かスキャンダルを起こして、動きが取れなくなればいいんだ
けど。
分からないことがあったら武部の指示を仰いで。安倍にはこちらからも伝えてお
くので心配しないで。

@純一郎

 いわゆる「4点セット」で苦境にあった小泉政権を、民主党自身のスキャンダルによって助けて欲しいという依頼が率直に述べられているが、具体的な手段については触れられていない。民主党の調査によると、小泉首相は昨年前原氏の代表就任以来、繰り返し「前原君、自民党に来い。すぐに総理にしてやるぞ。一緒に憲法改正をやろうじゃないか」と呼びかけており、前原氏自身満更でもない気持ちになり、小泉首相を師や兄のように感じていた。

 前原氏がどの様にして、今回の永田メール事件をプロデュースしたのかは説明されていないが、民主党で最も”単細胞”とされる永田元議員に白羽の矢が立ったのはごく自然と、ある民主党幹部は証言する。「どうせ懲罰5回の永田だ。使い捨てカイロにすればいいと思ったはず。ごろつき西澤とセットというのは出来すぎだがね。」

 一方自民党の幹部には、この「小泉メール」の信憑性を疑う声もある。「文末の”@純一郎”という表記は不自然。しかも”シークレット:極秘扱い”と書くのはわざとらしい」。また別の幹部は「そもそも首相は生涯一度もメールを誰にも送ったことはないはず」と証言する。そうすると前原氏は、ニセメールに踊らされてニセメールを作らせたことになるわけで、「前原自身が一番、武者小路実篤の”お目出たき人 世間知らず”だ」(永田町事情に詳しいジャーナリスト)。

 首相側近によると、小泉首相はむしろ今回の前原氏の対応に失望しているという。「首相は”もう少し見どころのある奴と思っていたが、まるで危機管理が幼稚園児だ”とこぼしている。自民党には不要な器という評価が固まりつつある。」
 この側近はこうも付け加える。「民主党はコケ過ぎた。あまりにも自民党に都合のいい展開過ぎて、全体の構図が自民党の陰謀という説が強まっている。一人芝居にしてももう少しうまくやってくれ。」


「ホリエモンメール」で与野党泥仕合

2006-02-19 18:33:43 | 詐欺
電子メール時代の偽装と反偽装

 民主党が暴露した「ホリエモン→武部二男メール」が世間を賑わせている。
 メールといういかようにでも偽造できる代物だけで天下の自民党幹事長を追い落とせると考えているはずはない。もっとすごい決定的な証拠があるに違いないと思っていた小生の予想を裏切って、自民党からの逆襲に反撃する「証拠」として民主党側が公表したのは、メールそのものというより、プリントアウトしたもののFAX。しかも戦中世代の方には郷愁を呼び覚ますであろう「墨」塗り箇所が多数。

 この「メール」を提供した人物が「フリーのジャーナリスト」というのがまたいかにもである。しかも国会でこれを暴露したのが、東大卒で元大蔵官僚という肩書きとは思えないようなお調子者(国会で丁髷松浪に水をかけられた)のN代議士だったから、「真珠湾攻撃」を受けた自民党の方が即座に立ち直って逆に優勢になった。ごろつき「ジャーナリスト」がわざと野党議員にガセネタを掴ませて、政治的失脚を狙うということは実はそんなに珍しいことではない。

 まあそうは言っても、武部ファミリーがクリーンであると信じている政治家やジャーナリストも敵味方問わず皆無なので、自民党が「国勢調査権」の発動に同意するわけでもなさそうだ。今週には、自民党が民主党への”戦略爆撃”を控える代わりに、民主党も通常国会の「4点セット」を撤回することで手打ち-痛み分けということになるのでないか。永田町の論理は我ら民草には到底理解できないものだから何を書いても所詮ごまめの歯ぎしりだ。

 しかし「政治家の××に1億円振り込んでおいてね」なんてメールを偽造にせよ生涯送る可能性のない我ら庶民にも、この事件から学ぶ重要な教訓がある。それはメールの偽装をいかに防ぎ、いかに見破り、いかに否定するかということだ。
 ワイロの話ではない。例えば、誰かが「あなたが書いたメール」を持ち出して、第三者から金品をせしめるかもしれない。あるいはあなたを攻撃したり陥れるために、メールを「証拠」に裁判を起こすかもしれない。メールの偽装を見破ることと偽装を防ぐ知識は表裏一体の関係にある。メールの真偽を見分けるポイントを整理してみた。

◆内容とスタイル
 従来の手書きの手紙では、当然筆跡の鑑定が決定的であるが、メールには関係ない。そうなると、文章そのもの、内容や文体によって真偽を判定することになる。
 例えば今回の「ホリエモン」メールについては、ライブドア社員から、堀江のものとはスタイルが違うという指摘がある。例えば彼はメールの最初に「堀江です」と書くのに、件のメールは最後に「堀江」という署名があるなどである。
 またもう少し長いメールの場合は、表記の違いや文体などによってその人かどうかある程度判断できる場合がある。例えばその人は「その人」をいつも「そのひと」と変換しているなどである。
 もちろんホリエモンメールを頻繁に受け取っている人なら表記についても偽造は可能だが、逆にそうでない人は必ずこの点でつまずいてしまう。

◆メールの「ヘッダ」情報
 通常のメールソフトでは特別の操作をしないと表に出てこないが、メールソフトやサーバーがメールの頭にくっつける送信についてのサーバーや時刻等の情報である。Return-Path: Received: from Message-ID:Return-Path: 等々の記述である。今回の民主党の公表したメールには一切このヘッダ情報がなかった(発信時刻のみ)。例えばどのメールソフトを使った(ホリエモンの場合はEudoraに違いない。このメーラーの製造会社を買収したのだから)まで黒塗りはおかしい。この情報だけでも、あなたのメールが偽造された場合に、それは自分の使っているメールソフトと違うという形で反証することが出来る。

 もちろん「ヘッダ」というのも所詮は電子情報なので、編集加工は自由だ。しかし経由サーバーなどの情報で辻褄の会わないことが出て馬脚を現しやすい。メールの真偽はまずヘッダ情報の確認が第一なのに、民主党は「ジャーナリスト」にそれを提出させなかったのが躓きの元だった。

◆電子署名ー暗号化

 電子メールはいわば葉書。途中で傍受されたら簡単に全文を読まれてしまう。最近明らかになったように、「テロ対策として」アメリカ政府(正確にはNSA国家安全保障局)は「疑わしい」人物数千名のメールを「盗聴」(盗視?)しているという。読まれてまずいメールは暗号化するのが常識である。どこの国でも大昔からそうだけど、いわゆる公電(外務省の在外公館との文書のやり取り)はすべて暗号だ。

 ところがこの「ホリエモンメール」は暗号化もせずに平文で送っているようだ。どこの世界に「シークレット」とハガキに書いてワイロの振り込みを命令するバカがいるか?この点でも信憑性は薄い。
 
 ただホリエモンへの”アドバイス”に書いたように、ライブドアの「IT化」は意外なほど立ち遅れている。あんなヤバイことを次々とメールで指示する割には、メールの消去がシステマティックでなかった。検察情報としてメールの中味がリークされていることから、どうも暗号化せずにヤバメールを送っていたこともあったようだ。この一事だけでも、livedoorは一流の「IT企業」だとあこがれていた人の幻想を打ち砕くに足るお粗末さだ。

 自分はホリエモンと違って犯罪を犯さないから、メールを警察に読まれても大丈夫だと思っている人は勘違いをしている。暗号化というのは電子署名をすることだから、これは間違いなく自分が作成したメールだと証明できる利点を忘れている。つまり偽装メールを完全に防げるのだ。
 これからの時代はメールが主要な通信手段であることは言うまでもない。このセキュリティに無関心、つまり大事なメールを平文で送る人は、買い物の時に車にロックをしないのと同じだ。
 お使いのメールソフトに暗号化プラグイン(世界中で使われて実績のある"PGP"なら無料だ)を組み込んで、暗号通信が出来るようになるまで、1時間もかからない。苦手な人は出来る人にインストールと使い方の指導を頼んででもやってもらったほうがいい。


「山崎えり子」事件に判決

2006-02-16 21:23:16 | 詐欺
 直接個人を傷つける行為よりも、「お上」のつくった制度に刃向かう行為をより厳しく罰するのは権威主義的国家の特徴だが、日本の法律にもそういうところがある。徳川時代の名残と言ってもいい。例えば酔っぱらい運転で人を殺しても、「反省しているなら刑務所行きは許してあげる」ということも珍しくないが、お役所の書類に嘘を書いた「だけ」で懲役刑を食らう人もいる。
 あの「山崎えり子」(仮名)事件に判決(共同2月16日など)。懲役1年6月。罪は「公正証書原本不実記載・同行使」。この罪名をそらで言える人は法律の専門家だ。分かりやすく言うと偽名をお役所の文書に書いてしまったということ。名義の偽装だ。
 「被害者」はお役所だろう。3年の執行猶予がついているが、感覚的にはえらく重いなという感じ。もちろん「山崎えり子」を庇っているのでない。「本来の罪」は問われずに、「被害者のない」罪状だけが取り上げられたことが釈然としないだけだ。

◆「浪花節」では説明にならない

 判決直前の15日に毎日新聞が「<偽名人生>苦難の末…決別誓う 人気エッセイストに判決」という浪花節的な記事を載せている。
 「山崎えり子」の「苦難」とは何か?
<法廷での供述などによると、山崎被告は幼いころ、母親と父親が相次いで蒸発して親類に預けられた。成人後、給料日になると親類から無心された。逃げようと転居しても、転居届を足掛かりに追いかけられた。「本名で申告すれば親類に住所が知られると思った」。>(毎日)
 だから知人から(借金を肩代わりする代わりに)借りた性を使い、内縁の夫との婚姻届を”偽装"した。「山崎えり子」は法廷で「本名は捨てたほうが楽だと思っていた」と供述したという。

 この事件の最初の報道では分からなかった偽名の理由については、半分は分かってきた(ただ、親類から逃れるというなら、なぜマスコミに露出していたのか辻褄が合わないが)。確かに、幼い頃から親類に養われるという肩身の狭い思いをしてきて、自分を守るために嘘をつかなければならず、「偽装」が人生の一部になってしまったという気の毒な面はある。同じ時に共犯で懲役刑を宣告された内縁の夫も「彼女がふびんで、何でもしてやろうと思った」と法廷で号泣したそうである。

 しかし裁判は、したがって「山崎」本人も、実はもっと重い罪、つまり”公人”として、ベストセラー作家として何百万の読者を欺いた行為については、言及もしていないし、謝罪反省一切なしだ。彼女が著書で紹介していた経歴は一切が嘘だった。さすがに「不幸な生い立ち」だけではこの「経歴偽装」は説明できない。「山崎えり子」のデビュー作は80万部を売ったという「節約生活のススメ」だったが、あの姉歯建築士は「鉄筋節約のススメ」を実践した理由として「妻の病気治療費」をあげていた。どちらも偽装の大家だが、どちらも正当化の理由が理由になっていない。「山崎えり子」にいたっては説明さえないのでないか。

◆出版社には「ヒューザー」と同等の責任

 このBlogに書いた「山崎事件」の記事に寄せられた多くの「被害者」のコメントやトラバからも、その罪の重さが分かるが、「裏切られた」という感情は法的な救済は難しい。ただこの経歴偽装には出版社の編集者が片棒を担いでいるはずだが、責任を転嫁して逃げている。例えば、「節約生活ー」を出版した飛鳥新社は「山崎えり子」逮捕の後以下のようなコメントを出しただけである。
 この度「節約生活のススメ」の著者、山崎えり子さんが刑事事件の被疑者として逮捕されましたことは、当社として、大変遺憾なこととして受け止めております。
当社より出版された「節約生活のススメ」は・・・、事実上の絶版状態となっております。
(中略)
 なお、山崎えり子さんとの連絡は、現在とれておりません。
2005年11月28日

 もう連絡は取れたのだろうか。「山崎えり子」と出版社の関係は、ちょうど姉歯とヒューザーの関係に等しい。あのヒューザー小嶋社長でさえ、弁償すると言っているのだが、本を売って儲けた出版社で返品・返金に応じると表明している社はあるのだろうか。
 「山崎えり子」の最後の本が、冒頭に掲げた「家計簿」?だ。2006年版だからこれを使って「節約生活」を送っている人はあるのだろう。「山崎被告は涙を流して偽名人生との決別を誓った。」と毎日新聞は結んでいるが、「偽装人生」にはまだ決着はついていないことには触れていない。こんなことでは、山崎えり子・姉歯秀次共著『偽装と節約のススメ』が出版される日も近いのではないか。

ホリエモン逮捕:賛美論を振り返る

2006-01-24 16:16:09 | 詐欺
           (「裸の大将」じゃない。ホリエイカロスだよ)

 マクベスは、「グラミスの領主、コーダの領主、いずれは王ともなられるお方」という魔女たちの予言を聞いて、王を殺害して自ら玉座に座ったのだが、果たしてこのような不正義で権力が維持できるのか悩む。しかしまたしても魔女たちの予言を聞いて自信を回復する。「マクベスは滅びはしない、あのバーナムの大森林がダンシネインの丘に攻め上って来ぬかぎりは。」というのである。「バーナムの森が動くわけはないではないか。王座は永遠だ」。しかし「バーナムの森」は動き、マクベスは滅んだ。魔女たちの予言は100発100中だったのである。ただ、マクベスがその予言の意味を取り違えただけであった・・・・

 シェークスピアの悲劇の中で『マクベス』がストーリー的には一番面白いと思う。謎の予言、王位の簒奪、栄光の絶頂、反乱、破滅・・とドラマチックな要素が盛りだくさんで展開も速い。そしてシェークスピアなんて難しいという日本の”庶民”のために、役者的には不足があるが同等のストーリー展開で世間を賑わせてくれたのが、ホリエモン逮捕劇だ。

 それにしてもホリエモンマクベスはどんな「魔女の予言」を聞いてあそこまで突っ走ったのか。「魔女」と呼ぶのが適当かどうか分からないが、実はホリエモンは年頭に日本で最も有名な(つまり稼ぎ頭ということ)女性占い師に未来を予言してもらっているという。その番組は「仇敵」フジテレビの「幸せって何だっけ カズカズの宝話 新春緊急スペシャル」(1月6日放映)。その中でこの「大占い師」はホリエモンを「日本を変える良い魂と腹を持っている」と絶賛したという(ゲンダイネット1月23日)。さらに「いつ(時価総額)世界一になれるか」というホリエモンの問いに、この先生「私の言うことを聞かないとなれない。十中八九なれる要素はあります」と回答したという
 マクベスの魔女ほどとは言わないが、ホリエモンももう少しいい「予言者」に金を払っていれば運命も少しは好転したかもしれない。いや、それでもマクベスと同じ運命だったかもしれないが。

 マスコミのホリエモン評価は昨年とは文字通り手のひらを返したように、もう攻撃一辺倒だ。持ち上げて視聴率を稼ぎ、今度は突き落として世間の喝采を浴びてさらに視聴率を稼ぐ。一つのコンテンツで「二度おいしい」、いつものマスコミの荒稼ぎのパターンだ。ホリエモンは自分にゾロゾロ付いてくる取材陣を従者のように思っていただろうが、実は「バーナムの森」だった。六本木ヒルズの「丘に攻め上って来」る敵軍のように今は彼に襲いかかる。
 もうほとんどリンチ状態なので、ホリエモン嫌いの小生でさえ援軍でも出してやろうかという気持ちになるが、すでにこのBlogで書いたように、「BC級」の範疇外になってしまう。ここでは視点を変えて、「play backホリエモンを絶賛したお偉方」。いかに権力者の「言葉」が軽いものであるか、イカロスの翼をくっつけていたロウのように頼りないものであるか、「日本を変える良い魂と腹」を持つためにもじっくり味わってほしい。

【財界】
 と言えば経団連だ。ライブドアは滑り込みで経団連への加盟を果たしている。これも経団連会長の覚えめでたかったおかげだ。「個人的に付き合えば(堀江君は)まじめな人。あれだけのお金を運用して利益をあげている。若いが情熱をもった人として付き合っている」(05年10月19日の奥田碩会長の会見) 「まじめな人」が粉飾決算をやりますか。奥田会長は「堀江無罪論」を展開すべきだ。経団連として大弁護団を組織すべきでしょう。

【政界】
<武部勤幹事長>
 前回の衆院選で民主党もアプローチしたが、結局ホリエモンは自民党を選んだ。公認候補ではなかったが、応援演説にきた武部幹事長はホリエモンを「わが弟、わが息子」と呼んだ。 幹事長、「息子」が逮捕されたのに何もしなくていいのですか?
 幹事長のホリエモンへの入れ込みようは尋常でない。ライブドア社の広報誌「livedoor 2005 winter」で武部氏はホリエモンとの対談でこう絶賛する。「堀江君は素晴らしい青年だと思うな。奔放に広がっていく」、「経験も豊富だし、勉強もしているし、ネットワークも広い」(北海道新聞1月21日 「奔放に広が」り過ぎたのでしょうか。

竹中平蔵総務大臣
 昨年のホリエモン選挙応援で、「郵政民営化、小さな政府づくりは小泉純一郎、ホリエモン、竹中平蔵の3人でスクラムを組んでやり遂げる」と締めくくった(8月30日)。 改革「3人衆」の一人がこけたのですから郵政民営化に暗雲が立ちこめてきたのではないでしょうか。

<小泉純一郎総理大臣>
 ホリエモン立候補について、「新しい時代の息吹というか、若い感覚をこれからの日本の経営に与えてくれるんじゃないか。反発もあるけど、時代の変革期という感じがする」(2005年8月16日) ご自身は今ホリエモンに「反発」は感じておられますか?

 ちなみに上記の占い師の先生はこの番組で、ホリエモン選挙再出馬について「絶対、出ちゃダメ。こんな口下手な人はいないの。結果しか言わないから。政治はやめなさい。風評が悪くなる。」と言ったらしい。もう出たくても出れません。確かに【政界】の先生はホリエモンよりも口はうまいですね。自分の言ったことになんの責任も取らずにスルリと逃げておしまいになられた。さすがのホリエモンも政治家の要領のよさには唖然として言葉もないだろう。「政治はやめなさい」と言われるまでもなかった。

 マクベスの魔女たちは劇中不思議な歌を歌っていたことを覚えておられるだろうか。
 「♪綺麗は穢い、穢いは綺麗」というのである。そう、世間というのはあるいはマスコミというのは、あるいはお偉方というのは、一瞬にして「綺麗は穢い」と評価を180度転換するものなのだ。喝采は罵倒に、六本木ヒルズは東京拘置所に、時価総額1兆円は買手なしに、一瞬にして変わる。「人の心は金で買える」と豪語したホリエモンだったが、「人の心を変える」ものについての理解は足りなかったのだろう。

「小泉改革」に便乗の振り込め詐欺

2006-01-21 16:00:29 | 詐欺
 たぶん世界の数ある喜劇の中で、ウクライナの天才ゴーゴリが書いた『検察官』ほど可笑しい作品はないだろう。帝政ロシアの官僚制度の腐敗を題材にしているが、いわば人間の弱さ卑屈さを普遍化していて現在の日本社会の風刺作品としても通用する。だから、いま日本にゴーゴリがいたら、例えばあの姉歯事件を題材にしたらどんな可笑しい作品に仕立て上げたろうと思うといささか残念ではある。

 帝政ロシアに負けず劣らず腐敗しているのが官僚制日本だ。日本にはゴーゴリのような天才はいないが、笑いのめすべき不祥事は同じくらいあるはず・・・と思わせる事件が昨日明らかになった。巧まずして記事自身が『検察官』の滑稽味を帯びているのだ。(以下は毎日新聞産経新聞の記事から抜粋)

◆またまた新手の振り込め詐欺

 「あんたの悪いことしてるの知ってるよ。金出さなきゃバラすよ」というごくありふれた恐喝事件、振り込め詐欺なのだが、この手紙を受け取ったのがみんな公務員の「幹部クラス」だったという。
「農林水産省とその出先事務所に約200通▽都市再生機構(横浜市)に97通▽厚生労働省山梨労働局(甲府市)に1通▽北海道・釧路市役所に14通▽滋賀県・彦根市役所に6通――など。数は不明だが、日本郵政公社の職員にも送られている。」(毎日)


◆「小泉改革」に便乗

 面白いのはその文面で、「小泉内閣の構造改革による内閣府の命を受けて、公務員の緊急調査を行った」として「貴殿と取引先民間業者との癒着、公金横領が明らかになった」と、ちゃっかり「小泉改革」に便乗している。「詐欺は世に連れ」というか、詐欺師も時流に乗り遅れてはならないことがよく分かる。<「国家公務員犯罪摘発強化委員会」から公務員の調査依頼を受けた
>(産経)とあるそうで、ギクリとした幹部公務員も多かったはずだ。

 「実際に振り込んだ例は報告されていないが」とあるが、ククク・・当たり前でしょ、警察に「私振り込みました」と被害届を出した途端、「容疑者」に変わるわけだから。<「処分費用と口止め料」として1週間以内に50万円>を振り込んだ汚職幹部の人数は従って不明と言わざるを得ない。
 ホントなら、というか本人が清廉潔白なら一笑に付すべき中味なのだが、日本のお役所は深刻にとらえていて、厚生労働省などは「全職員にメールで注意を呼びかけたという」(毎日)。つまり「身に覚えがあっても振り込まないように」ということだから、厚生労働省のお偉いさん相当”汚れて”いるんだね。「取引先民間業者との癒着、公金横領」ウィルスが蔓延しているらしい。早急に治療薬の開発が必要だ。

 それにしてもこれが事件の全容だろうか。なにせ「小泉改革」の旗手?とも言うべきこの詐欺犯のこと、幹部公務員だけでなく、政治家にも同様の文書を送りつけているのではないだろうか。そしてすでに何人かの政治家が振り込んでしまって・・・・(当然「先生この件内密にしときますからご配慮よろしく」と警察幹部の暗黙のサイン)と考えると、あまりにもありそうな次のような妄想が浮かんで来るのを止められないのだが。


◆「姉歯」と汚職政治家の対話

 ああ弱った弱った。この思わせぶりな書き方は何か証拠を握っているに違いない。バラされたらオレの政治生命は終わりだ。

 「フフフ、先生らしくもありませんな。そんなことでお悩みとは。」
 そ、そういう君は、ま、まさか・・
 「フフ、鉄筋なきマンションこそ我が理想。そう、建築界のブラックジャック、姉歯秀次です。この前は証人喚問の時にお会いしましたかな。」
 あ、姉歯君、偽装の天才の君なら分かるだろう。政治資金収支報告を何とか誤魔化さないといけないんだ。ワシに力を貸してくれ。
 「どうして偽装する必要などあります? ワイロは政治の潤滑油、いや、むしろ鉄筋と言った方がいいかもしれません。これを無くすことは許されません!ワイロの”低減”こそ犯罪でしょう。」

 そんなことを言っても、日本は法治国家だ。法律に違反すれば逮捕される。
 「自分だけが”悪”をしょい込むのはお止めなさい。私の場合は、建築主・施工者・検査機関、みんなグルになったからごまかせたのです。日本の良き伝統である政・官・業の癒着構造をどうして活用しないのです。」
 ちゃんと買収しなかったのが悪いと言うのか。しかしワシはホリエモンではない。そんなカネがどこにある?オヤジが政治家だったから「世襲」で当選。苦労知らずのボンボン育ち、そんなワシにマネーゲームの才能などあるわけないじゃないか。
 「いずれにしても、収支報告の偽造はお勧めできません。”専門家が見ればすぐに偽装が分かる”シンプルな方が騙しやすいのですが、政治資金はそれ自身が複雑ですから、下手に細工するとかえって墓穴を掘ります。」

 しかし正直に公表するとマスコミが書き立てる。野党は証人喚問だと騒ぎ出す。
 「証人喚問はお受けになればいいのです。そのコツについては小嶋社長を紹介しますよ。マスコミからはしばらく姿をくらましてください。私の設計したホテルが、いまは全室”空き室”になってますからご自由にお使いください。地震の時?もちろん倒壊しますが、なに、上の部屋に泊まっていれば命は大丈夫でしょう。ただし、ヘルメット被って就寝してくださいね。」

 あ~あそれでも心配だ。姉歯君、君の立場でどうしてそれほど元気でいられるのかね。ワシは不思議でしょうがない。
 「先生は昨日のニュースをお聞きになっていないのですか?アメリカ産の牛肉に”危険部位”が残っていましたよね。”背骨”を抜き取るのを忘れてたんですよ。まったくアメリカ人というヤツは本当に大雑把で困ります。日本の消費者の”安全”をどう考えているんでしょうね。そこで”骨抜き”は私の得意技。この妙技をアメリカ人に教えてやろうと企んでいるのですよ。そう言えば、先生も政治資金規制法を骨抜きするのに暗躍されたとか。どうです。いっしょにアメリカに渡って”安全な”牛肉を日本人に供給するのに暗躍、いや活躍しませんか?」

250人の誕生日が同じ日で論文偽装バレる

2006-01-16 22:11:56 | 詐欺
 韓国の黄禹錫ファン・ウソク ソウル大学教授の論文捏造事件の後を追うように、日本でも東大教授のグループが英科学誌ネイチャーなどに発表した論文について捏造の疑いが出ている。再実験で論文の結果が再現できなかったとして、東大では教員懲戒委員会に審査を依頼するかどうか判断するという。

 そして今日もまた論文捏造のニュース。「ノルウェー・ラジウム病院(オスロ)は15日、同病院の医師(44)が昨年10月、英医学誌ランセットに発表した口腔(こうくう)がんに関する論文が架空のデータに基づいていたことを明らかにした。」(ロイター共同1月16日)というが、バレた理由が何ともお粗末で、「論文でサンプルとされた908人のうち、250人の誕生日が同じ日だった」というから、完全な手抜きだ。

◆「この中に同じ誕生日の人が必ずいる」

 この記事を読んで思い出したのが、確率の入門書などには必ず出てくる「誕生日の問題」だ。今、あなたが参加者30人のこぢんまりしたパーティに出席しているとしよう。そしてそれぞれお互いのことをよく知らない。「皆さん、ここで賭をやりましょう。この中に同じ誕生日の人がいるかいないか。私はいる方に賭ける」。「いる」確率をpとすると、この場合p=0.706・・程度なので賭に勝つ確率は7割と高い。(どの日も均等に生まれると仮定した。実際はそうでない。この点は記事末の【付録】参照)

 計算方法は、なぜかWebにはやたらとこの「誕生日のパラドックス」問題を解説したページが多いのでそちらを参照されたい(たとえばここ)。高校で習う確率論の、「積事象」と「余事象」の概念を知っていれば計算方法の理解も容易だ。計算も100円電卓で(関数電卓があればもっと便利だが)可能だ。
 なぜこの問題が「パラドックス」と呼ばれるのかというと、たぶん直感的に予想されるよりも「いる」確率が高いからだ。その場の人数をnとして、n=23でp=0.507..なのでこの人数ですでに「いる」確率の方が高くなり、40人学級だとp=0.891..だから10クラスに9クラスは「同じ誕生日の人がいる」ことになる。

 なぜこの確率が高く感じられるかというと、この問題を「この場に自分と同じ誕生日の人がいるか」という問題と混同するからだ。後者の場合は、「いる」確率が五割を超えるのは、n=>253だから、相当の人を集めないとダメだ(計算方法は上記URLで)。直感的には180人程度かと思う(n=180ではp=0.39に過ぎない)ので、これもまた誕生日のパラドックスと言えるかもしれない。(実際365人集めるとほとんど確実思えるが、この場合でもp=0.633に過ぎないからあまり自信を持って断言できない)。

◆新「誕生日のパラドックス」

 ちなみに「908人のうち、250人の誕生日が同じ日」という確率はどれほどになるのか?こういう問題も考えておかないと、数学に弱い人は偽装家に「こうなることは確率論的に0ではない」と言われると黙ってしまうかもしれないからだ。
 この計算は「二項分布」の計算だが、nが大きいので、「ポワソン分布」で計算。これらについてはWebでは例えばここを見ていただきたいが、統計学の入門書が必要かもしれない。計算も関数電卓か表計算ソフトが必要なので、何でも自分で計算しないと納得しない方以外は、以下の結果だけを信じてください。

 「250人の誕生日が同じ日」というのは「250人以上の誕生日が同じ日」として考えるのが妥当。それでもこれはあまりにも大きい数字(小さな確率)なので、その無意味さを理解してもらうためにもっと小さい数字で計算してみた。
「908人のうち、ある特定の日に5人以上の誕生日が重なる確率p」  p=0.041
「10人以上」p=0.000059    「30人以上」p=6.8e-12
最後の数字は小さすぎて分かりにくい。だいたい1470億分の一という確率だ。30人にしてこの数字。250人なら pはもう「無限小」、完全に起こり得ないと断言してよい。

 まさしくこの医師の偽装は「誕生日のパラドックス」だった。あまりにもあり得ない数字を持ち出して馬脚を現した。データーを偽造するなら、少しは汗をかけ。誕生日欄を単にコピペで作っているからこういうことになる。姉歯の爪の垢でも煎じて飲めばいい。彼は「専門家が見れば一目瞭然」と”謙遜”しているが、「専門検査機関」が「複雑すぎて見抜けない」ほどの数値の偽装を何十件(何百件?)もやってのけたのである。

【付録】 誕生日の分布
 うるう年を考えないとしても実際の誕生日は1/365の確率で均一に分布していない。厚生省がそのデーターを持っているはずだと思い、Webを検索したが見当たらない。直接問い合わせると、かなり時間がかかっての返答は、「厚生労働省に直接来れば資料を見せてやる。」
 別に担当者が意地悪なのではない。これがお役所発想というものです。つまりコスト概念が全くないのです。一般の人も自分たちと同じく情報を得るためにコストを払わなくていいと思ってしまう。
 しょうがないので、ここでは西日本新聞が厚生労働省「人口動態統計」をもとに作成した1998年の資料を使わせてもらう。
 この年、一番出生者が多かったのは9月22日(4236人)だ。最下位の1月1日(2201人)とは倍近くの差がある。しかしこれは届け出上の数字であることに注意。元日生まれの子供は「お目出たいヤツ」と学校でいじめられるかも知れぬ、元旦と誕生日の祝いが重なるのは面倒だ、などの理由でこの日を誕生日と届けるのを避ける傾向があるのだろう。実際例えば12月24日が26位と上位に来ているのは、誕生日とクリスマスパーティが一緒にできてケーキ代が節約できるという親の配慮があるに違いない。

 厚生省が秘密にしている?この資料を別の方法で集計すれば、日本人の「繁殖期」が突き止められると思うのだが、その様な研究をご存じの方はぜひご教示ください。

黄禹錫ファン・ウソク教授記者会見

2006-01-13 19:36:08 | 詐欺
「黄禹錫ファン・ウソク教授」独占インタビュー:捏造問題は捏造だ

私は正直すぎた

 -お忙しいところインタビューに応じていただいて恐縮です。ファン・ウソクサイ教授。
「サイ」は余分です。人の名前を捏造しないでください。捏造は大きな罪ですよ。

 -これは意外な言葉を承りました。先生は捏造とは無縁だということですか。あの12日の「お詫び」はいったい何だったのですか。
確かに私はあの時「これ以上頭を上げられない(ママ)ほど申し訳なく思う」(中央日報)と申しました。しかしそれは結果として論文が間違っていたことに対してで、私は常に事実のみを記録していました。私が受け取ったデーターが間違っていたのです。私は正直すぎました。
 -つまりあなたは騙されたむしろ被害者だということですね。あなたの言葉を聞いて、日本の耐震強度偽装問題でのヒューザー小嶋社長を思い出しました。
私が間違いを犯していないと言うつもりはありません。しかし偉大な学者はすべて間違いを犯しています。例えば生物学者としても何千年も西洋で君臨し続けたあの大学者アリストテレスは、「小さな生物は自然に発生する。つまりゴミから湧いて出る」と主張しそれを観察したと証言しました。現代から見れば明らかに捏造です。しかしアリストテレスが記者会見で涙を浮かべて弁明したとは歴史書に残っていません。

日本の学者の方が捏造

 -この騒ぎの背景には韓国民の熱狂的な支援と言いますか、何としてもあなたにノーベル賞を取らせたいという愛国心があったと思うのです。愛国心が科学を歪めたのでは・・・
あなた、韓国は異常だと言いますか。私日本にいましたから日本のことも詳しい。言いましょか。幻の「原人」の話、高森原人、秩父原人・・・
 -あれはですね・・「神の手」おじさんが石器を自分で埋めて「発掘」して、単純な詐欺で学問的問題じゃない・・・
それは違います。あの時韓国や中国の学者が、「発掘」された石器に鉄分が付着しているのはおかしい。旧石器時代ならあり得ないと学問的な指摘しました。でも日本の学者たちは、「フン、お前ら、日本人の”祖先”の原人が妬ましいからケチつけようたってそうはさせんぞ」と聞かないふりしました。これは愛国心が科学を歪めたのではありませんか。
 -しかし日本ではあなたほどそれらの「原人」学者を優遇してませんし・・・
私はソウル大学教授を辞職することでケジメつけています。お国はどうです?あなたさっきマンション設計偽装問題言いましたね。誰が責任取りましたか?国会で追求しようとしたら与党が束になって妨害してませんか。国民それ認めてませんか。日本こそ偽造捏造偽証国民ありませんか。

 -ちょちょっと待ってください!このインタビューはあなたを追及するためであって、日本人を追及するのが目的ではありません。話題を変えましょう。今後も先生は「研究」を続けていくおつもりですか。
もちろんです。日本では報道されていないのですが、12日の会見で私は重大な成果も発表しているのです。それは世界で初めてクローン狼を作ることに成功した(中央日報)のです。これでオオカミは絶滅から救われます。

「宇宙人」にも手を伸ばす

 -それは本物なんでしょうな。どうも心配ですが、もちろん「その先」の研究も・・・
おっしゃりたいことは分かります。あの「神の領域」の話ですね。ここだけの話ですが、我々はすでにクローン人間を作る技術を手に入れており、今や「クローン宇宙人」の作成にまで進んでいるのです。これにはある日本人の貴重な貢献がありました。
 -い、今、ヒジョーにイヤーな気がしたのですが、その日本人というのはひょっとして出版関係に携わっておられ・・・・いやそんなはずはないですね。
活字にしないことを条件に発表しましょう。宇宙人問題の世界的権威 韮沢潤一郎氏です。宇宙人と親交を結んでいる数少ない地球人です。
 -あ-やっぱり!「たま出版」のニラサワ社長!・・・教授はひょっとしたら誤解されているのかもしれませんが、韮沢氏は日本では詐欺師とは申しませんが、いわゆるお笑い系の人物でして・・

捏造国家日本にあって例外的に清廉潔白な方で、私とは肝胆相照らす仲です。何より捏造が大嫌いな性格で、最近ではモーツァルト遺骨問題で義憤を感じておられました。モーツァルトは金星人で、葬式のあと金星に帰っちゃったから「遺骨」なんてあるはずはない。とんでもない捏造だと怒っておられました。韮沢さんは何でも、モーツァルトにCMソングの依頼をするということで金星まで会いに行かれたそうですよ。その時に手に入れられた彼のDNAが・・・
 -今先生の手元にあって、要するにクローンモーツァルトをお作りになると。ハイハイお好きなように。でも「金星人」はもうとっくにクローン技術を持っているはずでしょう。今さら先生が手がけなくても、
地球人の独自技術が必要なのです!韮沢先生によると、金星人は「BSE発見どんぶり」を開発していて、その技術は地球人に教えてくれるというのです。アメリカ産BSE牛肉を使った牛丼を盛るとピピピと警告音が出るたのもしいどんぶりです。しかしクローン技術は決して!韮沢さんによると、地球人が金星人をたくさん培養して金星を攻めることを警戒しているそうです。安全保障上の問題と言いましょうか。

 -どうもどうも説得力のあるお話ありがとうございます。ま、金星人はともかく、地球人のクローンでも出来たらすごいですね。でもいいんでしょうかね。
日本のとくにオバサン達が喜ぶでしょう。クローン「ヨン様」を1000人でも1万人でも作ってあげますよ。
 -え-!どこへ行ってもあの意味のない「微笑み」ですか。あまり気持ちよくないですね、個人的には。
もっと日本人に重要なことあります。私知ってます。「お世継ぎ」問題。男系?女系?大変な議論になってますが、クローン作ればもう関係ありません。遺伝子途切れることありません。お妃も子供産まないといじめられることもありません。「側室」の人件費もいりません。まもなく必ず日本の宮内庁が私の所にやってきます。彼らはひざまずいて言うでしょう。「ファン先生!私どもは昔からあなたのファンでした。どうかあなたのクローン人間技術をお与えください」とね。ファーハッハッハッハッハッハッハッハッ・・・・・

 ファン教授は笑い声と共にソウルの繁華街に消えていった。「お礼」を渡す暇も与えなかった。なぜか懐はだいぶ暖かそうだった。
 それにしてもタフな性格である。思わぬ逆襲に面食らってしまった。まさか秩父原人の「恥部」まで暴かれるとは・・・・学者にしておくのはもったいない。日本に来れば第2の「ムネオ」として国会で暴れられるだろう。新党「大恥(だいち)」というクローン政党を作って。

 テレビで見るよりもはるかに若々しいのには驚いた。・・・これはあるいはひょっとして、ファン教授のクローンだったのか?成長促進剤を使って促成栽培された「ファン・ウソク教授」に言いくるめられたと思うと悔しいが、それではこのインタビューが捏造になってしまう。その不名誉を避けるためにこのインタビュー記事ではタイトルに「 」を付けざるを得なかったことをお断りしておく。

【付記】2006.1.18 18:23PM

 ロイター通信が伝えるところでは、地球人は「宇宙人」のクローンであると信じる有名なカルト集団が、黄禹錫(ファン・ウソク)氏にクローン人間製造の仕事を依頼しているという。
 ファン、宇宙人、クローン人間の3題話がすでに現実のものとして動いているのだ。上記「インタビュー」が荒唐無稽なものでないことがお分かりになるだろう。

「奥さんが学校で暴力」:振り込め詐欺

2005-12-18 11:35:43 | 詐欺
 「犯罪は世に連れ、世は犯罪に連れ」と申します。次にご登場いただくのは、「振り込め詐欺」にあった小学校教諭のお父さん。詐欺師の口車に乗せられついつい振り込んだ190万。帰って来いよと叫んでも、呼べど答えぬオンライン、こんなIT誰がした、鬼嫁故に信じてしまった「暴行事件」、万感の思いを込めて教育者として皆に警鐘鳴らします・・・それではお父さんどうぞ!

  ええ、あれは十六日正午すぎのことでした。私は小学校に勤めておるのですが、職員室に電話がありました。出ると、県教育委員会職員を名乗る男が「奥さんが生徒を殴り、鼓膜を破った。」と。ええ妻も同じく小学校で教鞭を執っています。その瞬間私の頭をよぎったのは、「まさか」ではなく、「ああついに」ということでした。
 大声では言えませんが、家内は世間で言う「鬼嫁」の部類でして、・・・ええ実はその前の晩も私は妻に激しく打擲されました。私は妻に殴られる度に、「ここでストレスを発散してくれればいい。学校で生徒に暴力を振るったらクビだからな」と思い我慢してきたのです。
 この「職員」は「保護者が告発すると言っており、逮捕されるので和解で済ませたい。百九十万円振り込めますか」と言ってきました。それくらいで済むのならと私はすぐに「よろしくお願いします」と言って、その日のうちに市内の金融機関から振り込みました。相手の口座が県外であったのは少し不思議な気がしたのですが、これで家内の家庭内暴力が少しでも収まるならという気持ちがあったので、むしろ心は弾んでおりました。ええ、この事件に感謝するとでも言いますか・・・。

 以上、大分合同新聞12月18日夕刊の報道に従って事件を再現してみました。実は幸いなことに、この振込先の口座が「凍結」されていて、この事件は金銭的な被害はなかったというのです。
 しかしこのお父さんにとっては「幸い」であったかどうか、家に帰ってこの「鬼嫁」に何と言われてどのような仕打ちを受けたかを考えるとむしろ憂鬱にならないでもありません。

 一昔前は「オレオレ詐欺」、今は「振り込め詐欺」と言われる犯罪、徹底的に捜査して残らず逮捕して欲しいのは言うまでもないのですが、この犯罪の「進化」の過程を見ていると、非常に興味深いものがございます。
 今では単純な「オレオレ」は絶滅して、主流は家族の「不祥事」になっています。教諭の家族の場合なら「旦那さんが生徒に性犯罪」というのが現代の主流。上のケースでは、それよりも一歩進んで、「奥さんの校内暴力」になっているところに進化の跡が見えます。もちろん奥さんがどこの小学校の教諭をしていることまでちゃんと調べた情報戦の様相も見せています。しかもこのケースの場合、「マスコミが家に押し掛けるので、振り込んだ後は家に帰らないように」と指示しているなど偽装にも世相を織り込んでいます。
 このように「知能」をフルに働かせることの出来ない単なる模倣犯は次々と逮捕されるか、稼ぎが悪くて絶滅に向かう。ここでもダーウィンの適者生存survival of the fittestの法則が働いています。

 それにしても、教育者の家族に対する、「ご家族が暴力・性犯罪」の電話に対する最初のリアクションが圧倒的に、「まさか」でなくて「ああやはり」というのは嘆かわしいというより恐ろしいことではないでしょうか。

従業員「全員参加」の着服:JR西子会社

2005-12-15 10:11:25 | 詐欺
 
(写真はトワイライトエクスプレスのサロンカー)

 ほぼ満席に近い列車の中で人が殺された。当然目撃者は多いはずだが、乗客の誰一人としていかなる異常にも気付かなかった。この謎を解け、という推理小説があった。答えはバカバカしいもので、乗客みんながグルだった。
 ご存じのように、こういう「全員参加」型の犯罪はミステリーでは禁じ手。犯人は幽霊でした、というのがトリックにならないように、全員が犯人では推理の醍醐味はない。

 しかし仮構の世界ではバカバカしすぎて相手にされないような犯罪が、現実世界ではいとも当然のように行われる。よくあるカラ出張で資金捻出や、最近次々と明るみに出る警察の「裏金」疑惑などもそうだが、組織ぐるみの犯罪だ。「和をもって貴しとなす」日本社会ではこういう「全員参加」型の犯罪が可能である。一人の「抜け忍」、つまり告発があっても崩壊するのだからある意味想像を絶する悪の帝国だ。

 それにしても昨日公表されたJR西日本子会社の着服事件は、その規模と年月の長さで、日本型犯罪に不感症になっている人をも驚かすものだ。期間は17年間、「犯人」は従業員34人全員、のべ人数(退職者含む)では100人を超えるという。金田一少年張りに容疑者を一堂に会して、「犯人はあなた・・」と名指ししていくと番組が終わらない。と言うか、ほとんど犯人大集会になってしまうほどの規模だ。

 事件を一言で言うと、寝台特急「トワイライトエクスプレス」の車内で販売するコーヒーの代金を、同社の子会社「ジェイアール西日本フードサービスネット」の社員が常習的に着服していた(共同)。具体的な手口は、「乗客が夜景などを見ながら自由にくつろぐ4号車の「サロンカー」では、隣の食堂車の従業員がコーヒー(1杯420円)の注文を受けている。この際、売上伝票を発行せず、受け取った代金をそのまま着服、チーフパーサーが管理、分配していた。」(毎日新聞)。
 よくあるワンマンカーの運転手が料金を直接受け取ってポケットに入れてしまうという、あの「コツコツ」着服だ。しかし塵も積もればで、「稼ぎ」は一人年間36000円程度、トータルでは1400万円超という。

たった一人の”抜け忍”が「”和”の犯罪」を崩壊させる

 この犯罪は1989年のトワイライトエクスプレス運行開始直後から行われていた。「全員参加」だから「参加者」には犯罪の意識はなかった、と言うより「それは犯罪じゃない?」と異議を唱える者こそ”犯罪者”とされるのだ。
 よく独裁国家の官製選挙で大統領の「信任」投票で99%の支持などと公表される。しかしこの日本社会型「和」の犯罪では、100%でなければ崩壊だ。日本社会の「和」は、「99%」では失敗という完璧な「独裁」を意味しているのだ。

 今回の発覚は「今月9日、従業員からの内部告発で表面化」(毎日)という。百数十名の中からたった一人の「カムイ」、”抜け忍”が17年の不正を経て登場したということだ。「内部告発」は日本語では辞書の中だけで存在する言葉なのか。


ニセ医師8年間:プロより「有能」?

2005-12-09 11:30:08 | 詐欺
 「本当に親切でいいお医者さんでしたよ」というのが患者の声。「症状に合った的確な処方戔を書いていましたよ」と薬剤師。
 8年間の間ニセ医師として20か所以上の医療機関を渡り歩いていた男が12月6日ついにお縄となったが、大学の医学部さえ一度も通ったことのない男がどうしてかくも長期間見破られなかったのか。東京新聞がその深層を取材(9日記事)している。

 逮捕された病院では当直専門の医師として勤務。「専門」は外科だが、手術は常勤医が担当する決まりのため、彼は手術はしたことはないという。彼は都立病院で「見学生」という待遇で一年勤務(無給)。この間に医学知識を身につけたのだろうというが、「素人が一年間見学しただけで、診断名を付けたり、処置したりできるとは思えない」と病院。
 彼は「慶応大学医学部と北京大学医学部卒」と経歴を偽っていたが、実は定時制高校を中退が最終学歴だった。医者という仕事の大半が素人の物まねで通用するほど簡単なのか、この男が”ブラックジャック”のような天才なのかどちらかだろう。

 この記事に出ている医療ジャーナリストのコメントが悲しいほど示唆的である。
 「問診して話をするだけなら、ニセ医者でもばれない。ニセ医者は人柄が良くて、口がうまく、技術がいいのが基本。そうじゃないと、すぐばれるから。」(富家孝氏)
 「自分が新聞記者時代にニセ医者を取材した時も、患者はみんな、あんな親切な人はいないと言っていた。偉そうなニセ医者はいない。」(水野肇氏)
 医療ミスを隠蔽するプロ医師を選ぶか、ミスなく無難で親切なニセ医師を選ぶか、私たちは「究極」の選択を迫られつつある。

 とにかく偽医者はプロを超えていた。ここでもゲーテの「種の中で完全な個体はその種を超越する。」という言葉が思い出される。

 プロの一級建築士が構造計算書を偽造して日本中を恐怖に陥れている。弁護士で国会議員という法律の二重のプロが詐欺で逮捕された。今、プロの責任と倫理は地に落ちている

 新聞記者だってそうだ。どの新聞も警察発表をまとめて、その最後に「偽造をチェックする態勢が望まれる」と判で押したように書いているだけ。これなら中学生にも書ける。報道のプロたる所以は、読者の「なぜ」に答えられるまで深く真相を取材する点にあるはずだ。なぜニセ医師は8年間「医療行為」を続けられたのか、依然としてナゾは残ったままだ。

君のおしっこ貸して:海自尿検査逃れで

2005-12-01 13:16:17 | 詐欺
 2004年アテネオリンピック。ハンマー投げの競技中日本の室伏選手は奇妙なことに気付いた。最大のライバル ハンガリーのアヌシュ選手が落ち着かない。「なんだまた便所か。そんなトイレが近くなる年でもないのにな」。周知のようにこの時アヌシュは金メダルを獲得したが、後に薬物再検査を断りメダル剥奪となった。
 アヌシュはオリンピックの尿検査では陰性だった。彼の不審な行動は尿のすり替えが原因だった。しかし我々が病院で受ける尿検査のように服を着たまま個室でというような甘い検査ではない。選手はまず裸になってなにも隠していないことを証明してから自分で尿を採取するという。他人の尿を持ち込むことは不可能だ。ここでMr.マリック顔負けの?トリックが登場する。(お食事しながらの方は、いったんここで読むのを中断してください)
 当時の読売新聞によると、「別人の尿を、肛門(こうもん)内に隠したコンドームなどの袋の中に入れ、採尿の際自分のものとすり替えるなどが一般的」という。なるほどアヌシュがアヌスanusを活用したわけか。

 この事件を思い出したのは、朝日新聞の「海自の薬物汚染、検挙10人に」という記事を読んだから。最近次々と自衛隊員の大麻や覚醒剤使用が明らかになっている。今までのところ海自が一番多く、6人が懲戒免職、4人が停職処分という。陸自や空自からも逮捕者が出ている。
 外部の者から見て不思議なのは、集団生活の自衛隊員では薬物使用は難しいはずなのにと言う点だ。「自衛隊にだけは入りたくない」という理由に「プライバシーがないから」を上げる人が結構多いようだ。
 しかし最初事件の発覚を受けて海自が行った「内部調査」はまさしく「プライバシー重視」だった。ある大麻を所持していた隊員の証言では、「調査」に部屋を訪れた上司が、「お前、大麻やってるか?」、「いいえ自分は見たこともありません」で終わってしまった。実は冷蔵庫に入れていたので、「部屋に入ってちょっと調べさせてもらうよ」で発覚していたはず(11月12日 読売新聞)。
 もちろん一番確実なのは抜き打ちの尿検査。実際には実施されなかったが隊内にその噂が広まった。
 困ったのは合成麻薬MDMAをやっている隊員。「おいどうする?」「他人のおしっこ借りればいい」と相談しあっていたという(上記朝日)。アヌシュのような"テクニック"を持っていなくても大丈夫。隊内の「調査」は完全になめられている。集団生活であるが故にかえって集団での誤魔化しがやりやすい。将来自衛隊にもっと汚染が蔓延したら、自分のおしっこを売って小遣い稼ぎするものも出てくるかも。いや、肛門に隠せるようにカプセル化した尿を隊員専門に販売する新たなる「防衛産業」さえ登場するかもしれない。

 今回の事件で逮捕者の多くが潜水艦の乗務員だったことはショックだ。密室で独立して行動する潜水艦だから、例えば汚染隊員が幻覚を見て「神が攻撃せよと命令された」と魚雷でも発射して某国の軍艦を撃沈でもしたらどうなる?上官はやめろと言う。「神」は撃てという。ブッシュじゃないけど、ふつう「神」に従います。

 「危機管理」が専門のはずの防衛庁だが、自らの「危機」にはのんびりのお役所仕事。そのことは誰でも自分で確認できる。防衛庁のWebで検索キーワード「尿検査」ではひっかからないので、色々考えてようやく<「薬物問題対策検討会議」における検討状況について-中間取りまとめ->なる今年10月の文書を発見。自衛隊の幹部が豪華総結集して「対策」を協議している。

 しかしそこで出された「対策」は・・・・・かつての「B-29には竹槍訓練」でを思い起こさせるお粗末なものだった。
 そもそも"ヤク”になど手を出すのは悩みを抱えているからだ。上官の心の指導が必要だ。<准尉・曹(いわゆる「優しい鬼軍曹」)を活用してきめ細かい身上把握・服務指導等を充実>させればよい。えっ?「優しい鬼軍曹」って・・・そして暇だから悪いことに手を出す。だから<サークル活動の奨励>で、スポーツに汗を流すのが良い。つまり「青春の巨匠」が登場して「貴様らーっ!あの夕日を見てみろ!美しいじゃないかぁー!。よ-しあの夕日に向かってランニングだ」と"青春"している自衛隊員をあちこちの河原や海岸で見かけることになるわけだ。疲れ果ててしまい、帰ってからとても"ヤク”に手を出そうという隊員はいなくなる?
まあそれはいいとしても肝心の抜き打ちの尿検査については、「実施を検討」、つまりやらないか先延ばしということだ。

 「なにやってんだ、こんな簡単なことでしくじって」と大声で怒鳴りながら、自分が同じミスをやると、「まあ誰でもよくやることさ。ドンマイドンマイ」となぜか自分を励ます人がいる。他人に厳しい人は自分に優しいという法則だ。
 自衛隊という組織は軍隊だから「他人」には当然厳しい。しかし内部にはまさしく「優しい鬼軍曹」であることがよく分かる。この「優しさ」が内部を蝕んでいるのだが、組織防衛のお役所論理で改善ができないようだ。
 自衛隊を「自衛軍」にしようという動きがあるようだが、どっちにしてもらをることが隊(軍)の第一目標では、5兆円の血税が血尿になってしまう。

野中「時刻表トリック」破れる:献金裁判

2005-11-26 11:43:25 | 詐欺
 小生は再放送しか見たことないのですが、「火曜サスペンス劇場」"女弁護士高林鮎子 Part○"は、真野あずさと橋爪功のコンビが犯人のトリックを時刻表を駆使して崩していくシリーズもの。マンネリではありますが、まだ続いているところを見ると、時刻表という誰でも入手できるアイテムを活用して、知能犯を追い詰めて立ち往生させるその瞬間に喝采を叫ぶという心理なのでしょうか。

 「サスペンス劇場」ほどドラマチックではないのですが、25日法廷で政界の大物の「アリバイトリック」が"時刻表"によって崩されるという展開がありました。
<野中証言は偽証か、「見舞った」親せきは入院せず>という読売新聞の記事

 登場人物は野中広務。日本歯科医師会(日歯)側から自民党旧橋本派への1億円ヤミ献金事件、つまり1億円のワイロ小切手を橋本龍太郎、青木幹雄の二人とともに受け取ったとされるいわゆる日歯連事件。
 橋本、青木の両名はこのワイロを受け取った「らしい」が「全く記憶にない」と証言しているのに対し、野中は当日のアリバイを主張。現場にはいなかったと授受を否定。
 
 そこで検察側は公判で「アリバイ崩し」をするのですが、残念ながら実際の裁判は相手の野中がいないので、ドラマチックに進みません。ここでは野中証人に登場いただき、検察提出の新事実に基づき「サスペンス劇場」台本風にその瞬間を演出してみましょう。

検察「野中証人にうかがいます。証人は1億円の授受があった2001年7月2日夜には、赤坂の別の料亭で別の会合に出た後、新幹線で名古屋に移動したと主張されていますね。なにかそれを証明できるものをお持ちですか」
野中「ここに秘書の当時の手帳があります。これを見ますと、その日に私は20:13東京発ののぞみ157号に乗車しております。名古屋には21:55に到着しております。」
「なるほどそこまで正確に記録が残っているなら間違いありませんな。ちょっとお手数ですが、この時刻表で(野中に時刻表を開いて渡す)ご確認いただけますか」
「(眼鏡をかけながら時刻表を見て)え~と20:13だから・・あっ間違いありません。のぞみ157号これです(と指差す)」
「ありますか。恐れ入りますが、こちらの時刻表でもご確認いただけますか」(と別の時刻表を渡す)
「(怪訝な顔で検察官を見やってから)年寄りに視力検査ですかな・・・えーと20:13ですから・・・・・・ん??な、ない?この時刻表古いんじゃないですか?」
「確かに古いのです。表紙をご覧ください」
「(時刻表を裏返して)2001年7月号?・・・あっ!!(目を見開いて検察官をにらむ)」
「そうですよ、最初にお渡ししたのは現在の時刻表。当時は20:13発ののぞみはなかったんですよ。(指差して大声で)その手帳は現在の時刻表を見てあなたが書き込んだんですね!」
(狼狽して)いや・・この手帳・・・まちごうて新しいヤツ持ってきてしもうたんや・・・秘書のアホが・・」
「(勝ち誇って)まあいいでしょう。さらにお聞きしますが、名古屋で下車されてあなたは”なぎゃー病院”に行かれたとのことですが、お見舞いされた相手はどなたです?」
「私の遠縁にあたる山田田吾作という方です」
「なるほど・・(書類の束を取り出して)ここに”なぎゃー病院”の当時の入院患者の記録をいただいたんですが、(ページをめくりながら)当時は・・山田田吾作さんという方がおられたという記録は・・・(急に顔を上げて野中をにらんで)どこにもありません。(書類で机を叩き)あんたの証言はまったくデタラメなんですよ!!」

法廷内騒然。「野中先生~!」、「ああもうアカン」などの悲鳴。「静粛に、静粛に!」と言う裁判長の声。ダラリと両手を下げて立ち尽くす野中の足元に、"秘書の"手帳が落ちている)


 とまあ、あまりの「単純ミス」なので盛り上がりに欠けますが、「火曜サスペンス劇場-胸ポケットに消えた1億円」の台本ならこんな感じでしょうか。

 それにしても登場人物のお粗末さはどうですか。青木、橋龍の両名は1億円を完全に「覚えてない」認知症状態。野中はあまりにも杜撰な「アリバイ工作」。橋本派の巨頭が揃ってこのありさまですから、小泉に「ぶっ壊された」のもあまりにも当然。
 これじゃ「火曜サスペンス劇場」というより吉本新喜劇状態だ。最近テレビでも政治ドラマが不作なのも無理のないことでしょう。【文中敬称略】

【追記】
 小生本放送を見ないものでご指摘を受けるまで知りませんでしたが、「火曜サスペンス」は今年の秋に終了しているのですね。じゃあもう橋爪功ー眞野あずさコンビの「時刻表」は見れないんですね。
 何とかスペシャルでやって欲しいっすね。もちろん主演は野中広務氏。贈収賄事件に絡んだ与党の大物役で。もう政界を引退されていることですし、球界からはイチローが古畑任三郎に主演で出るということもあるので、政界からはやはり悪役的存在感のこの方で異論ないでしょう。彼と対立する首相役には老けさせた小泉孝太郎君
 真野ー橋爪コンビが野中氏の時刻表トリックを追い詰めていくお約束ストーリーということで。何ならシナリオを書きましょうか((笑))。


「節約生活」の著者逮捕:経歴すべてウソ:とんだ「裏ワザ」

2005-11-25 10:38:20 | 詐欺
 「家庭での節約法を書いた本の著者として知られるエッセイストの女が知り合いの戸籍を使って別人になりすまし、婚姻届を出していたとして逮捕されました。」とNHKが報じています。

 逮捕された「山崎えり子」(ペンネーム)は4年前、知り合いの48歳の女の戸籍を使って、同居していた43歳の男との婚姻届を静岡市役所に提出したそうです。逮捕理由は公正証書原本不実記載。ところが実際には彼女には本当の夫は別にちゃんといるそうです。

 実を言うと、なぜ婚姻関係を偽ったか小生には判然としない(ご存じの方コメントかトラバを)のですが、<調べに対し、「本が売れてしまって確定申告をすることになり、そのままの戸籍では素性がばれてしまうと思った」と供述しているということです。>まあ税金逃れということでしょうか。

 調べてみると彼女は90万部を超えるベストセラー『節約生活のススメ』を始めとして、実に多くの本(今年1月段階で21冊という)を出しています。
『みるみるお金が貯まるカンタン節約術』
『いつのまにかお金が貯まる簡単な習慣』
『節約主婦の絶対うまくいく株入門 私が始めた「攻めの財テク」』
『山崎えり子のシンプル節約生活へようこそ。 無駄なく、ゆとりある暮らしをつくる200アイディア』


 だから印税も大変なものだったでしょう。「みるみるお金が貯ま」り、「攻めの財テク」をやって、ますます「ゆとりある暮らし」になって「いつのまにかお金が貯まる」身分になると、もっと税を「節約生活」しようと思って、禁じ手の「裏ワザ」を使ってしまったのですね。

 彼女は自分のホームページ『山崎えり子の 無知の知』でこう書いています。
 「私は本を書かせていただき、多くの方に読んでいただきました。でも、いろいろなことを調べれば調べるほど、自分の無知さ加減がわかり、恥ずかしくなりました。」
 いいえ「無知」でなくあなたは知りすぎてお金に溺れてしまったのです。「山崎えり子のシンプル節約生活」を実践していればそんなにお金を必要としなかったのでは。世間に公言したのと逆のことをしたのを恥ずかしく思ってください。

【追記】
 彼女のある本の帯には「1964年、神奈川県生まれ。大学卒業後、公務員として、福祉関係の仕事に従事する。仕事で何度もドイツに足を運ぶうちに、少ないモノで豊かに暮らすドイツ流シンプルライフに多くのことを学ぶ。30歳で結婚」とありますが
 実はドイツで暮らしたことなどなかったそうです。公務員もしたことがない。
 「素性がバレる」と言っているのはこのことですね。詐欺師なのか虚言癖なのか。儲けているんだから前者でしょうね。

 産経新聞2005年1月20日に、写真入りの大きなインタビュー記事があります。それによると、結婚してすぐに夫が交通事故で下肢が不自由になった。その「介護」経験もウリなのですが、その「夫」というのはどちらの男性?つまりこれもウソということ。
 しかし有名な「35年ローンを7年で返済」の話は、上の産経の記事によると「5年半で完済」したというから本当以上です。ただこれは節約よりも印税の力です。だから実は読者が彼女に書いてもらったら嬉しいのは『みるみるお金が貯まるカンタン物書き術』なのです。

【追記2】
 Blog「山崎えり子の節約生活」はアクセスが殺到していましたが、今は見れるようです(また見れなくなっている)。24日まで更新されています。
 本を買うお金がもったいないという「節約生活」派のかたは、ここで「楽しみながらできる節約術」をタダで学ぶことができます。

名誉心に訴える新手の「振り込め」詐欺

2005-11-21 13:40:32 | 詐欺
 「あっ、私産経新聞の記者の某と申しますが、実は市民文化祭に出品されたお写真拝見しまして、ハイ、もうまことに素晴らしいの一語です。ええ、つきましては是非ですね、あのお写真を産経新聞の全国紙面で紹介させていただきたいと・・・」
 と、いきなりの電話。こっちはもうすっかり舞い上がってしまって自分の立っている場所が分からなくなった。「それでですね、実は掲載料が必要でして・・・ええやはりカラー印刷ということで44万円程度です。あっ、これから振込先をお教えしますので、なるべくお早く・・・・」
 こっちはすでに冷静さを失っている。ただただ「ありがとうございます」を電話口で繰り返して、「はいできるだけ早く振り込まさせていただきます」と言いながら、口座番号を震える手で書き留めるのが精一杯だった。
 さあ44万円をどう工面するか。それだけで頭が一杯だ。全国紙だぞ。こんなチャンスはもう生涯ないだろう。しかし手元不如意な今すぐには・・・と困り果てて「ご利用は計画的に」の悪魔の機関にTELしようとしたとたんに、電話が鳴った。
 「ああ産経新聞の某でございます。まだあのお振り込みをいただいてないんですが・・・あっ分かります。でも一生ものでございますから。他の方からはすでに掲載料を払い込んでいただいているので。そうですね・・よろしい今回は特別割引で22万円で結構です。」

 えっいきなり半額?そこで目が覚めた。これは話が逆でないのか。著作権はオレにある。オレはむしろ金を受け取る側だろう。

 というのが、産経新聞が<『産経新聞記者』を名乗る詐欺にご注意下さい>という社告で警告している新手の振り込め詐欺だ。新潟県は加茂市に住む男性はすんでのところで詐欺に引っかかるのを免れたらしい。

 まあハッキリ言ってこれまでの振り込め詐欺よりも「単価」が低いので、効率は悪い方だ。ただ、これまでの振り込めが、交通事故、痴漢、治療ミスという負のショックで相手を動転させるのに対し、こちらは相手の名誉心に訴えるという点で「新境地」を開拓している。写真をやる人なら自分の作品が全国紙で紹介されるのはこの上ない名誉だ。心の隙間をつかれた。

経産省、ネズミ講手口をWebで公表

2005-11-16 10:45:19 | 詐欺
 「連鎖販売取引」というと難しいが要するに「ネズミ講」の一種。同じ手口なのにいつまで経ってもなくならない。
 11月15日に経済産業省がWebで公表した「連鎖販売業者【株式会社アリックス】に対する取引停止命令/勧誘者に対する行政処分について」でその手口を具体的に公表しているので、被害に遭わないためにもここで少し紹介しておこう。

 勧誘する側のポイントとしては、最初連絡をつけるのは「友達」だが、決してその友達と被害者を一対一で交渉させないことだ。
「説明してよ」
「私ね、まだ新人だからうまく説明できない。専門の人が説明してくれるから、夜の11時にファミレスに来て。」
 ここに出かけたが最期、「勧誘場所では、勧誘者である上位会員が加わって、言葉巧みに、かつ深夜に長時間にわたり勧誘を行う等して、健康食品等を購入して同社の会員となる契約を締結させている。」
 真夜中に勧誘のプロにぐるりと包囲されて「説得」を受けるのだから素人では抜け出せない
「Xは即決することができなかったので「わかりました。考えさせてください。時間をください」と言って、半分腰を浮かせて帰ろうとしたところ、丙とDは「まあ、まあ」と言って、Xを引き止めた。さらに丙らは「一度帰ってしまうと気が変わってしまうので、決断するのは今しかない。絶対いいからやろう。みんなで儲けて笑おう」等と告げ契約を迫った。」

 以下は紹介されているいくつかの「おいしい話」。

◆私は安い給料をもらってデパートで登山用品を販売していましたが、アリックスと出会い、今ではベンツを買えるようにもなりました。
◆「儲かる」ってどう書くか知っている?「信」じる「者」って書くんだよ。アリックスを信じれば必ず儲かるから」と告げた。
◆この人はかつて土木作業員だったけれども、現在はアリックスの収入だけで食べている。アリックスの仕事をするようになって一括払いでベンツを買ったし現在の年収は8桁だよ
◆私の夢は娘と一緒に体操クラブのジムを経営することです。1億円くらい必要ですが、それも後2年もすれば貯まります。

 さすがにこれを丸々信じる人は少ないが、「契約書にサインしないと帰してもらえないのではないかとYは思った。Yは契約書にサインさえしてしまえば、とりあえずこの場から逃れられると思い、いやいやながらサインすることにした。この時点で夜11時30分ころで結局サインを終えてBの家を出たのは深夜0時を過ぎていた

と。まるで警察の取調室だ。ここから逃げたいという心理をついて無理に契約させるわけだ。