調整オッズ比を元にワクチン有効率を算出したところ、2回接種後5ヶ月以降では35% (95%CI -4-60)、3回接種14日-3ヶ月では65% (95%CI 42-79)、3回接種後3ヶ月以降では54% (95%CI 28-71)であった(図)。
調整オッズ比を元に2回接種と比較した3回接種の相対的なワクチン有効率を算出したところ、3回接種14日-3ヶ月では46% (95%CI 21-63)、3回接種後3ヶ月以降では30% (95%CI 3-49)であった。
※
本報告では2022年7月のBA.5流行期におけるワクチンの有効性を検討した。
〇BA.5流行期においては、2回接種後5ヶ月後には発症予防効果は低程度であった。
〇一方で、3回(ブースター)接種により発症予防効果が中〜高程度まで高まる可能性が示された。!!
〇2回接種と比較した3回接種の相対的な有効率についても同様に、一定程度見込まれることがわかった。
〇本調査結果では、BA.1/BA.2に対する有効性と比較して一定程度有効性が減弱する可能性が示唆されたが、信頼区間も重なっており、解釈に注意を要する。
〇ただし、BA.5流行期においても、2回接種から半年弱後の有効性は低下した一方、
※※ブースター接種によりワクチン有効率が高まることから、ブースター接種を検討するとともに、場面に応じた適切な感染対策を継続することが重要である。!!
海外の報告からは、BA.1/BA.2流行期における重症化予防効果は発症予防効果よりも高い値でより長期間維持されることが報告されており、未接種者も速やかに接種を検討することが重要である11。
※ただし、度重なる免疫逃避能を有する変異株の出現および免疫の減衰の可能性から、オミクロン株を含めた変異株に対応したワクチンの早期の開発および導入が待たれる。
本調査は迅速な情報提供を目的としている暫定的な解析であり、今後も解析を適宜行い、経時的に評価していくことが重要である。