金持ち日記

金持ちなるまで続く男の日記

仲間Ⅳ

2007年07月02日 01時01分53秒 | Weblog
 私にとって仲間がどんなに大切なものなのか痛感する出来事があった。いなくなってからでは感謝の気持ちは伝えられない。今日はそんなことを教えてくれた私にとって大きな存在であり、大きな憧れであった仲間を紹介したい。

 その人とはアルバイト先のホテルのレストランで知り合った。私の上司である。まだ20代だというのにレストランの副料理長を任されており仕事の遅い人には容赦なく暴言をはく。彼が元暴走族であったと聞いたときは、やけに納得したものだ。最初見たときには、この人だけには近づかないでおこうと心に誓った。

 数ヶ月が経ったある日、彼がフットサルをしようと話しかけてきた。天下の副料理長に声をかけてもらえることが信じられなくて「私はボール役でしょうか」といったのを今でも覚えている。そんな怖い人とフットサルなんかしたくなかった。しかし、彼の申し出を断る勇気がなかったために一緒にやった。・・・・仕事を離れると、人はこうも変われるのかと思うほど優しかった。そしてどんどん仲良くなった。

 「今日暇だろ?」彼がこういう時は、ホテルの地下にある居酒屋に行こうという意味である。バイトが終わるとほぼ毎日そのまま地下に行き、飲みまくるのであった。彼と行くと何も言わずに料理が出てくる。食べ物はすべてタダである。店が閉店してもまだ終わらない。入り口のドアを閉めた店長が、一升瓶を持って我々と一緒に飲み明かすのである。こんなことを何度やったか数えられない。

 フットサルは意外にもはまり、定期的にやるようになった。そんなある日彼がまじめな話があると言って呼び出された。そしてこのようなことを言った。
「俺は今まで、どれも中途半端だった。幼い頃空手をやったこともあるけど、すぐやめた。中学校ではサッカーやったけど、ちょうどそのころからグレはじめてまともに練習にはいってない。でも、今回のフットサルだけはまじでやりたいんだ。今さらだけど、何かを本気になってやってみたいんだよね」
その日フットサルのチームを結成した。その後ユニフォームもつくった。最初は仕事が終わって、夜の11時から漁港で練習をした。その後、近くのグラウンドで朝の7時から練習するようになった。そんなことをしてから、今ではもう1年になる。彼との思いでは尽きることがない。

 先日、用事があって彼に電話をした。何度してもつながらない。3日間かけ続けたが一向につながらない。仕事にもきていなかった。心配になり料理長に聞きに行くと「彼は辞めた」といった。理由は料理長も分からないということであった。最初は冗談だと思ったが、勤務表は1週間空白であるのをみて、本当だと悟った。

 私には何も言わずに去っていってしまった。私にとっては尊敬する上司であり、頼れる兄であり、仲間であった。あんなに仲良かったのに、どうして私に何も言ってくれなかったのだろうか。

 フットサルの試合も組んでいた。飲みに行く約束もしていた。冬になったらスノーボードに連れて行ってくれるっていってた。その約束をはなすことなく、私の前から突然去っていった。もう二度と会えないかもしれない。ただ、私の人生に大きな影響を与えてくれた彼を忘れぬよう、このブログに残しておきたいと思った。


 久々に落ち込んだ。久々に涙がでてきた。最初はこんな人には近づきたくないと思っていたが、今となっては、私にとってこんなにも大事な存在になっていたのかと、いなくなって気づいた。彼に何があったのかは分からない。ただ、伝えることができるなら言っておきたい。

 今までありがとうございました。

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