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元・自転車屋のバイシクルライフ

自転車稼業から解放されて、自転車を味わうことにする

初物「太目」バイク・体験

2015-10-27 | 作業日誌

冒険心溢れる小規模事業所が温め

市場が騒めき出した頃

大手が「パクル」・・・あまり良い表現ではありませんネ

どの業界にも言える事かも知れませんが

これもその一つかと。

まあ、そのタイヤのボリューム感に圧倒されちゃいます。

横に、29MTBの2.2装着のバイクを並べると

29MTBが、クロスバイクに見えちゃいます。

FAT BIKE「TREK FARLEY5」

日本では正式ラインナップには入っていないバイクです。

適切なフィールドは「雪上」。

USサイトを見ると、在るわ・在るわ

29インチモデルまで。

知らぬ間に、色んなモノが湧き出て来ている感じです。

FARLEY5(249000円・・税込)は、

FARLEYシリーズ(もっぱら雪上)の

一番下のモデルとなるようです。

タイヤサイズは26X4、7

26なら5インチまで履けるスペースが御座います。

先ず、箱から出してビックリ

前輪のエンド幅がΦ9X135mm

ラッキーな事に

Parkのスタンドの、後輪用で固定することが出来ました。

USサイトから、上位機種は、15mmスルーの150mm

これだと、ウチのワーク・スタンドでは固定不可。

次なる試練

Parkの振り取り台に、フロントは乗れど

リム幅合わず。

セッカクなので、フロントのみディスク板の修正完了。

リヤのΦ12X197mmは乗せることも不可。

そこで、切り札登場

秘蔵の2輪用(多分)振り取り台登場。

先日、古い「ナナ・ハン」まで熟した

こいつですから、楽勝セットOK

無事、チューニング完了。

世間でいうところのプロショップさん

どう料理されているのでしょうかネ~?

このアングルも迫力あり

丁度遊びに来てくれていたM君が、早速試乗。

元BMX小僧の彼ですから

クリッ・クリッとスラローム

先程、初乗りで、怖々の試乗を終えたばかりの

オーナーさん(セガレ)もビックリ

「中々、安定しとるナ~」とのこと。

大雪が降ったら、私に貸してくれるそうです

青山高原の頂上で遊ばせて頂こうと思います。(喜)

 

YADA CYCLE

 

 

 

 

 

 

 

 


特命・・・久しぶりに焦った

2015-07-23 | 作業日誌

先日、某国立高専さんに

SHIMANOの11Speed内装ギヤ用ハブを

お買い上げ頂きました。

今度は、その組立のオファーを頂きました。

使用目的は、「ENE-1 GP」とのこと。

「何時も通りに行くだろう」と気安くお受けしたのですが・・・

作業に取り掛かると

色んな事に

ことあるごとに、壁に突き当たるではないか。

「仕舞った!甘く見過ぎていた~」

マズは、Wheelsmithのスポークレングスシステムで

リム径の測定。

次いで、カーキュレーターに入力するハブの各寸法の測定

リムは14インチ(らしい)

自転車用ではなく

中心から遠く離れた、両サイドに開けたられた

ニップルホール。

しかも、自転車や、モーターサイクル用と違い

真下にドリルで開けただけの方向の無さそうな穴

14インチリムに、大きなフランジのハブ

前回は、ラジアル(鉛直方向)組だったらしいが

駆動&ディスクによる制動を考慮すると、クロス組が

妥当と判断。

マズは3クロスで算出したスポーク長を作製しようと

MIRIZUMIスポークマシンを取り出す

ここで第一の壁

「アッチャー・110mm以下が目盛無」

スポーク長は90mm目標

スポークマシンに小細工をして90mmを何とか

36本カット、それから、スレッド立て

仮組が完了

何時もの、PARKの振れ取り台へON

ここで第2の壁

リム幅が広すぎて、サイドが取れない

ここで、20数年前、何用か判らず買って

後に、「モーターサイクル用(推測)なんじゃ?」

となった、こいつの出番

こいつが働くのは、今春の

40年モノのHONDA CB750の車輪、以来

組み上げていく内、3mm程長いことが判明

バラシて、3mmレスしたものを造り直すことに

再度、組立

長さはOKと思いきや、

ニップル・ベッドの角度が障害となり

ニップルの出口でスポークが首を振ることが判明

3クロスはどうも不安。

ということで、

再度、2クロス用のスポークを作製

今度は、3クロスの経験から数ミリ短くカット

首振りも、許容範囲

2クロスで行けそうです。

スポーク長もマズマズ

依頼者は、センターを気にされていたので

センターゲージ?

14インチのリムに当てられる、センターゲージは

無い!

困った!

昨夜、寝る前に、頭の中がグルグル

で、思いついたのが

コレ(笑)

今回のミッションは

6本は組める、時間を要したゾ

以降、この手のお仕事を受けるときには

代金は明確にお答えしないことにしますネ

 

YADA CYCLE

 

 

 

 

 

 


「特命」を再び頂きました

2015-07-13 | 作業日誌

同じお客様から、今年、2回目の特命を頂きました

先日は、当店では珍しいピスト用ホィール

今回は、ロードですが

私にとっては初物の登場です。

SHIMANO DURA-ACEの初期のフリーハブ

こんなのが、新品で存在しているのが驚きですネ。

ヤフオク、恐るべし・です。

30年位前のモノと思います。

今のHG(ハイパー・グライド)ではなく

UG(ユニ・グライド)、刃先をヒネッたギヤ板が特徴

TOPギヤが、締め付けナットの役目を果しています。

この時代は、ボスタイプ(フリーボディが別体)が主流で

今は亡き、SUNTOUR(前田工業)も

HIMANOとガチ勝負していた時代です。

このモデルは、6・7段兼用で

7段化が始まった時代の物です。

この時は、リヤエンド幅126mm

(リヤエンドが130mmになったのは8段から)

個人的には、フリーハブ(当時、ウサン臭かった)派

では無く、ボスフリー派でしたので

従いまして、恥ずかしながら、私にとりましては

初めてお目に掛かったモノになります。

当時は、現在の様に、フリーハブもしくは

似た様な発想のモノが主流になるとは

思いもよらず・・でした。

当時、カンパの地位が揺るぎ始めた時ですが

まだまだ、「カンパに、追いつけ追い越せの時代」

カンパ・ハブは

ハブボディーの中心に穴があり

そこからグリスを注入する機構だった様な

バラさずに、メンテが出来る工夫がありました。

SHIMANOも負けじと、アイデアを絞った

痕跡が見られます。

フリー体の小さな穴

これは、潤滑油を注入する為の物だったんじゃ?

(違ったら、御免なさい・・・・ボス派だったんで)

「OPEN」と「CLOSE」

これは自信あり(ボスタイプにも装備されていたので)

穴をズラシて、グリスを注入

古いグリスは、軸外周から押し出され

分解せずに、グリスUPが出来るんです。

ここは、カンパの発想のパクリかも?

この時代、カンパのボス・フリーは無く

確か、REGINA(イタリア)を使っていた様な

気がします。(これまた、曖昧)

6段と7段では、スペーサーの位置を入れ替える

指示が御座います。

当時、まだ、既存の6段ユーザーが、多かったことが

伺えます。

WheelSmithのスポークレングスシステムに

入力する数値の測定です。

計測結果、既存の記載データ通りでした。

最新のデータBOOKを見てみたいものです。

別冊になっていそうな気がします。

測定すれば答えは同じなので、購入す気は御座いませんが。

リムは、ハイ・ハイトのモノが御希望で

当方が入手可能な

DT SWISS社のRR585にして頂きました。

「585」は重量だそうです。

でも、実測は625gでした。

フルクラムのRACING3のリヤ

540gより重いなんて

記録更新です。

最近、決まったモノしか組まないので

お客様の情報が頼り

ハイ・ハイトなモノは2種類位しか

見つからなかったそうです。

時代は「完組」ですからネ~。

先ず、リム径を計測

SAPIMの15Gスポークを

スポーク・レングスシステムで算出した

3種類の長さにMORIZUMIマシーンでカット

それから、ネジ立てです。

MORIZUMIスポーク・マシーンは絶好調

惚れ惚れする、スレッドでしょ?

脱脂して、スポーク・プレップを塗布

乾きが遅いので、一晩寝て頂きます。

組立完了

マアマアのスポーク長に、一安心

明日「組み上がりました」って、お客様に電話しなきゃ

 

YADA CYCLE

 

 

 

 

 


待ちに待って、チューブレス・レディー化

2015-06-23 | 作業日誌

先日組み立てた、偽「XXX-Lite」ホィール

本日、チューブレス化に必要なパーツが揃っちゃいました。

使うのは、やや先のことになりそうなのですが

パーツ達が顔を揃えると、はめてみないと気が済まないんです。

マズは、専用リムフラップとバルブコアをセット。

バルブコアは、純正を使わず、

先日購入して浮いている、NoTube製を試してみます。

タイヤの一片をはめ込み

次に、残りの一方を。

この組み合わせ、タイヤレバーも使う事無く

結構簡単にハメる事が出来ました。

勘合部、全域に石鹸水を塗布。

コンプレッサーのエアーを充填してビードを上げて行きます。

2bar程で、素直に上がってくれました。

バルブコア外しツールで、コアを外します。

エアーを抜いた途端、ビードは元通りに落ちて仕舞いました。

仕方ないので、そのまま

先日購入しておいた、NoTube製シーラント注入器で

バルブからシーラントを注入。

Bontragerのインフォメーション通り

約50ccを注入。

コアを締め直し、再度エアーを充填。

シーラントを床に溢す事無く

スンナリと、ビードラインが顔を出してくれました。

NoTubeの動画の通り

回したり、ひっくり返したり、揺さ振ったりして

シーラントの拡散作業。

ディスク板、カセットスプロケ換装

作業終了

外を見ると、雨が降ってる

従って、明日のダート走行はNGと判断。

また、練習用ホィールに履き替え。

まるで、やってる事は、ガキンチョですナ

YADA CYCLE

 

 

 

 

 

 

 


時代に、逆らってみる!

2015-06-06 | 作業日誌

29インチ・MTB

フィールドはともかくとして、乗って慣れるしかない様です

で、最近の自転車通勤はSuperFlyに跨っています。

ある日、車輪を見ると

ペケ(X)が3つ?

「アレ~!何時の間にやら、リムだけ360gの

“ヤバ・軽い”のに変わってるワ」

「理由はどうあれ、私の激しい(?)オフロードライディング

の常用には、チョイ不安があるな~」

「仕方ない、こいつはイベント用にするとして、普段使いの物を探さねば」

「チューブレス対応で・・・と?」時代は完組です。

色々とリサーチ&思案。

ARAYA(既に、終わった感有)、MAVIC位しか

思い当たらない。

取引の在る、問屋さんのカタログをパラパラ。

遠の昔に終わったブランドと思い込んでいた

SUN・Ringleに、面白いモノがチラホラ

アメリカのモーターサイクル用ブレーキメーカー(だった?)

Haysグループに、吸収され息を吹き返した感じ。

その中で、Stan’s社のNo-Tubeシステムに対応した

リムを発見。

アイデアの具現化、遊びに対するアクティブさは、やはりアメリカン

「無ければ造る」がアメリカの真骨頂の様です。

やり方も、泥臭くて、イイ感じです。

従いまして、こいつを採用すべく、

構成部品を模索。

“道具”と時間(こいつは不味いぞ)はタップリとあることだし

まあ、「時代に逆らうこと(手組)」に決定。

RIM:SUN・Ringle  29in Helix25

488g(実測497g)

HUB:SHIMANO XT(M8010)

SPOKE:SAPIM(Belgium)G15ーcut 

NIPPLE:DT-Swiss Alumi

Other:No-Tube RIM・Tape&Valve

チューブレス特有の、ベッド部両サイドの膨らみがあります。

No-Tube同様、サイド・ウォールが低い。

作業・1  スポーク長の算出です。

WHEEL SMITH SpokeLengthSystem

を使います。

リムの直径を計測。

次に

ハブのフランジ径の計測、前後4か所。

ハブ軸センターから、左右フランジまでの距離を測定

プログラム入り、CASIO関数電卓でスポーク長を算出します。

作業・2 スポークの作成

SAPIMの15Gスポークを

MORIZUMIスポーク・マシーンで、カット。

同マシーンで、スレッドを立てます。

作業・3  スポークスレッドの下処理

長年使い続けて来た、信頼の

WHEEL SMITHスポークプレップを塗布。

乾きが遅いので、一晩寝かせます。

結局、カーキュレーターは、1mm違いで三種類の長さを

算出してくれました。

明けて翌日、バッチリ、乾燥。

作業・4  アッセンブル作業

スポーク・ニップルは、いまだ飛んだのを見たことが無い

信頼のDT-Swissのアルミニップルです。

シルバーに関しては、とてもリーズナブルです。

仮組が終わり、振れ取り台でチューニングの始まり。

縦→センター→横を繰り返して、完成に至ります。

やはり、思った通りあと1mm+が良かったかも。

特に、DTのニップルは首上が肉厚ですから。

次は、+1mmで組もうっと!

Stan’s No-Tubeリムテープです。

これで、ニップル・ホールからのエアーリークを食い止めるらしい?

専用の樹脂成形品のBONTRAGERと違い

工作的な、アバウトなシステムです。

リムのベッドをアルコールで脱脂。

引っ張りながら、貼り付けます。

次いで、ニップル用の穴明け作業。

工作の授業を思い出しちゃいました。

この、シール付きバルブを差し込んで完了。

やっと、完成。

でも、チューブレス・レディー・タイヤ持ってないナ~

 

YADA CYCLE