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一般質問 3 「公共交通に求める市民の願いは湊線の延伸で達成されるのか」質問と答弁  6月20日

2024年06月23日 | 日記

大項目3 公共交通に求める市民の願いは湊線の延伸で達成されるのか

戦後の経済発展のなか、車での移動が前提の地域社会が形成され、その車社会を生きてきた方の高齢化が進んでいます。日常生活をどう保障するかが、今後のまちづくりの大きな課題と言えます。

そもそも公共交通、地域交通、生活交通は、高齢者に限らず誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるという持続可能な地域、まちづくりの土台として充実させる必要があり、その観点から本市の公共交通の現状、課題、湊線延伸の是非についても議論する必要があると考えます。

本市が本来税金をつぎ込むべき、市民の切実な要求に根差した公共交通施策は何なのかが問われています。そこで、以下質問します。

 

(1)本市の公共共通に対する市民の満足度が低いことについて

「行きはあおぞらバスを使えても帰りはちょうどよい便がない」「医療費よりも往復の交通費のほうが高い」「運転免許証を返納したくても、その後の生活のことを思うとなかなか返納できない」など、特に高齢の方の公共交通に対する不満、不安、要望は年を追うごとに強くなっていると感じます。

本市が毎年行っている「まちづくり達成度調査」でも、令和5年度の結果は公共交通の満足度が他の施策に対して最低であり、今後の充実希望度が高く、市も重点取り組み領域に「公共交通機関」を挙げています。そこで、

 

1点目 現在の市の公共交通に対する市民の満足度の低さについて、市はどのように認識しているのか伺います。

 

2点目 あおぞらバスの運行経費は1億5千万円から大幅な増額はなく、あおぞらバスに代わる、あるいは補完する交通手段の検討も進みません。充実への要望の強い公共交通について、市はどのようにお考えか伺います。

 

(2)湊線の延伸について

湊線延伸計画の最初の動機は、今のままではいずれ経営破綻してしまう。廃線にしないためには延伸により収益を上げることが必要というものでした。市は、延伸による効果として、交流人口の拡大、地域の活性化、CO2削減や渋滞の緩和など様々挙げていますが、それは延伸を合理化するための後付的な理由にすぎず、120億円以上かけて延伸しなければ得られない効果とは思えません。

しかも、延伸すれば、本当に収益があがるのかは全く不透明であり、ますます補助金頼みの経営に陥るのではないかとの懸念もあり、湊線の延伸は多額の税金を使ったギャンブルとしか思えません。

海浜鉄道湊線の延伸計画は、2018年に立案され、計画通りであれば、2024年、今年の春には全線開通の予定でした。しかし、コロナ禍を経て、計画の延期、事業費高騰等による計画の変更などが重なり、現在に至っています。そこで、以下何点か質問します。

 

1点目 最初の計画では、総事業費に対する負担割合が、国と事業者と地方自治体がそれぞれ1/3ずつとする、地方自治体とは県と市のことであり、よって市の負担はさらにその1/2の13億円である、という事業計画で出発したはずでした。

 その後いつの間にか1/3ずつの負担というスキームは消え、現在は新たな補助制度を検討しているということです。そこで、事業費負担割合のスキームの変更の理由、現在検討している補助制度について、伺います。

 

2点目 総事業費126億円について、どのような経費が積み上がっての額か、その根拠について、伺います。

 

3点目 総事業費が当初計画78億円から126億円に跳ね上がりましたが、その負担割合について、事業者分を当初の26億円のまま据え置いていますが、その理由について、伺います。

 

4点目 計画当初の78億円がわずか6年で1.6倍の126億円に跳ね上がったことから、今後さらに総事業費が膨れ上がる可能性は否定できません。その場合の事業者の負担については、どう考えているのか、伺います。

 

5点目 事業者の負担額26億円については、市が全額貸し付けるのか、伺います。

 

6点目 損益収支については延伸区間開業後1年目から黒字になるとしていますが、運賃収入、事業経費をどのように見積もっているのか、その根拠を伺います。

 

7点目 資金収支については、開業30年以内に黒字転換するとしていますが、1年でいくら返済の予定なのか、また30年で黒字転換する見込みの根拠について、伺います。

 

8点目 事業者の負担は据え置いたまま、あとはすべて市の負担として、しかもどれだけ補助金が使えるか未定のまま計画を進めるお考えでしょうか。

総事業費が今後膨れ上がれば、市の負担もどこまで膨れ上がるかわかりません。延伸のために市の財政を支出し続けることにより、当然他の施策への支出を圧迫することにならざるを得ません。市の財政状況を踏まえたうえでの様々な必要な施策とのバランスを欠いているのではないでしょうか。それでも、他の分野に支出するより延伸によるメリットのほうが上回ると言えるのか、そのような合理的根拠が湊線の延伸にあるのか、伺います。

 

答弁 森山企画部長

(1)本市の公共共通に対する市民の満足度が低いことについて

 まちづくり達成度調査については、令和4年度より市民の生活実態やまちづくりに関する意識について把握し、今後の施策推進の基礎資料とするため実施しています。調査概要としては、市内在住の18歳以上の方々の中から毎年異なる方を抽出し、本市のまちづくりに関するそれぞれの取り組みについて満足度を5点満点の5段階で採点をしていただいています。

 令和5年度の公共交通機関への満足度については2.76点であり、全項目の平均値3.05点を下回る結果となっています。この質問においては、バスや鉄道といった交通機関ごとの評価は得られていませんが、この2.76の評価、5段階の評価ですが、中間を示す3段階目を評価した方が全体の約半数を占めております。また、年齢・性別といった属性別に見ますと40歳未満の男性は満足度が高く、高齢者や女性において低い傾向が見受けられています。

 現在市では、公共交通の施策を実施するうえで指針となる地域公共交通網形成計画の計画期間が令和7年度までとなることから、今年度より新たな計画策定を進めています。この計画を策定するにあたり、公共交通利用者の代表や交通事業者、学識経験者など様々な立場の関係者が参加するひたちなか市公共交通活性化協議会において協議を行ってまいります。スケジュールとしては、今年度現計画の評価を実施し、来年度基礎調査を実施したうえで、基本方針施策を協議していきたいと考えています。協議を通じて、さまざまな立場のご意見を伺いながら、今後の公共交通の在り方について検討していきます。

 

(2)湊線の延伸について

1点目 これまで国等の支援については、様々な制度の活用を検討しながら進めており、計画策定当初については、鉄道事業者・国・地方自治体が各3分の1を負担する「幹線鉄道等活性化事業費補助」の活用を検討していましたが、その他の補助制度についても継続的に検討をしてきたところです。そのような中、コロナ禍によって国内の地方鉄道を取り巻く環境はこれまでの輸送人員の減少に加えさらに悪化しました。この状況を鑑み、国においては交通経済学が専門の大学教授やまた日本で初めて本格的ライトレールを導入した元富山市長などの有識者を構成員とした検討会の提言を踏まえ地方自治体が鉄道事業の再構築に関与し、国と共同で再構築を支援する施策について、「地方公共交通の活性化及び再生に関する法律」を改正することで制度化しました。

 この概要としては、地方自治体等が、鉄道事業を支援するための施策として上下分離方式の導入により自治体の負担が伴う事業構造の変更、および新たな利便性向上施策、この2項目の実施を盛り込んだ、「鉄道事業再構築実施計画」を鉄道事業者とともに策定をし、国の認定を得ることで国の支援が得られるものであり、令和5年4月28日に改正され、10月1日に施行されました。

 この支援体制の構図を延伸事業に当てはめると、事業構造の変更については、現在上下分離方式の一形態である自治体が鉄道施設の整備費や維持管理費を負担するみなし上下分離の方式をすでに導入しています。そして利便性向上施策として、需要が期待できる場所に新駅を設置する延伸事業を実施しようとしています。このように基本的要件はすでに取り組んでいたことから、支援制度として、活用するため鉄道事業再構築実施計画の策定および関係機関と協議を進めているところです。

 引き続き他の補助制度の活用も含め関係機関と協議を重ねながら、より多くの財政支援につなげられるよう努めていきます。

 

2点目 概算事業費の内訳としては、用地保障費として約8億円。高架構造物や軌道駅舎などの工事費として約100億円、設計調査費などのその他の経費として約18億円となっています。

 

3点目 本年3月4日の全員協議会においてご説明をしました通り、鉄道事業者の負担額については、負担増加について検討したものの、運輸収入については、新駅1の位置変更による利用増が期待できる一方で、海浜鉄道の経営状況はコロナ禍からの回復途上であることを踏まえて当初計画と同額にしたものです。

 なお今後収支の見通しが好転した場合には、負担額の引き上げについて海浜鉄道と協議をしていきたいと考えています。

 

4点目 事業者負担については3つ目で述べた通り、損益収支では需要増が期待できるもののコロナ禍からの回復途上であることを踏まえ据え置いたものであります。したがって収支見通しが好転すれば、この負担額の変更についても協議していきたいと考えています。

 

5点目 現在の計画においては市が全額を貸し付けることとしていますが、金融支援策は多様ですので最適な方策を選択していきたいと考えています。また、この点についても、ただいま3つ目4つ目で述べた通り収支の見通しが今後好転すれば負担額の変更または貸付額の変更を総合的に判断して協議していきたいと考えています。

 

6点目 損益収支については、同一年度の収入から支出を引いた収支の算出を減価償却費と法人税を差し引いた金額です。この収入の内訳として、運輸収入・運輸雑収入・その他収入などがあり、また支出の内訳として人件費・動力費・修繕費・その他経費などがあります。この算出方法に基づき計算しましと、運輸収入の算出に新駅設置による収入増は反映されますが、支出の内訳に建設費は含まれないため開業後1年目から黒字となるという見通しです。

 

7点目 1年でいくら返済なのか、につては、延伸事業に伴う借り入れについては、建設費の総額を一括で借り入れるのではなく事業期間において年度ごとに必要な建設費を借り入れることを想定しています。このため年度ごとに借り入れる金額が異なり、返済額も一定とはなりません。

 資金収支が30年で黒字転換する見込みの根拠について、

資金収支とは、建設に関する費用を支払うための財源を、用語で源泉、そして支払い費目を使途とし、この源泉から使途を差し引いた金額です。源泉、財源ともいえると思いますが。この源泉の内訳としまして、損益収支の黒字額である償却前損益、それと借入金、補助金などがあり、使途の内訳として、建設費、設備投資、借入金返済などがあります。この算出方法に基づき計算しますと、使途に建設費が含まれるため長期的な計画となり、開業後27年目に借入金の返済が終了し黒字となる見通しとなります。

 

 8点目 湊線については、民間地方鉄道として廃線の危機にあった湊線を市民団体をはじめ市議会、茨城県、商工会議所など多くの方々の支援ご協力をいただきながら第3セクターとして平成20年4月に再出発しました。基幹交通である湊線については、まちの活性化等に大きく寄与する地域資源であるとともに、道路などと同じく公共的なインフラ施設であるという考え方のもと、国や県をはじめおらが湊鐡道応援団や商工会議所など多くの関係者と連携しながらこれまで様々な支援を行なってきました。

 そしてこれまで平成23年に発生し甚大な被害をもたらした東日本大震災を乗り越え、着実に利用者を増加させてきた湊線ですが、沿線住民の人口減少は著しく今後再び存続の危機が訪れることが懸念されています。そのような中ひたちなか地区への延伸は、沿線住民をはじめとした市民の移動手段としての利便性向上をはじめ国営ひたち海浜公園へのアクセス性の向上また、沿線の観光施設や商店街などへの来訪者の回遊を促すことになる交流人口の拡大や地域の活性化などを目的として進めてきたものです。

 また海浜公園の来園者や新たに造成される工業団地の通勤者等の需要を湊線利用に取り込むことで鉄道会社の経営の安定化を図り、公共交通として鉄道という地域の生活に欠かせない基幹交通を将来に引き継ぐための取り組みです。このようなことから、湊線の延伸は単なる大型の公共事業ではなく、様々相乗効果による市全体の活性化につながるまちづくり事業であると認識しています。

 

意見 宇田

 損益収支が1年目から黒字になるということの根拠が、ちょっと全然わからないんです。

新駅1がですね、経費削減のために、これまでは阿字ヶ浦の区画整理事業地内にあったので、区画整理で新たに住んだ人たちも駅を利用できるという期待もあったと思うんですが、新駅1がずーとこの研修センターのほうにずれたことによって、もう阿字ヶ浦の区画整理地内に住んできた人はもうほぼそれを利用するっていう利便性はなくなったんじゃないかと私は思っているんです。

 じゃ、企業の通勤に使えるかっていうと、確かに県が施工する工業団地はすぐ近くにあるわけですが、JX金属などは1㎞も離れているんですよね。どれだけ企業の通勤に便利になるのかっていうのも、今後ちゃんと検証していただきたいというふうに思っています。

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1 コメント

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ひたちなか海浜鉄道利用促進に関して (匿名(湊在住者))
2024-07-12 09:12:29
(このコメントは貴議員宛てで他へは非公開でお願いします)
日ごろの議員活動お疲れ様です。
那珂湊在住の者です。
海浜鉄道湊線の延伸に関する貴議員の記事を読ませて頂きました。
延伸で経営は安定するか、との問いかけですが、まず地域住民にとっては湊線は必要欠くべからずの交通インフラであることをご理解ください。その上で観光資源である海浜公園との接続は歓迎したいと思います。特に春秋のネモフィラ、コキア、夏の大型フェス他公園利用者の利便性は飛躍的に向上すると思います。ただ相当額の投資を回収できるかは経営判断になると思います。これに関して一住民の目線では、もっと湊線を活用すれば赤字も減って改善すると思います。
今那珂湊には休日に収容しきれないくらいの観光客が車で流入しています。大型連休中などは大小隅々の生活道路まで埋め尽くし、生活に影響を来しています。もっと湊線を活用すれば交通事情も改善して、客側、受入れ側、住民側も余計なストレスを感じることなく、全員がメリットを享受できると思いますが、幾度か行政側に進言しても一向に改善されているように思えません。
そこで貴議員が湊線に関心を持っておられるようなら、地域住民や鉄道運営側との問題意識を共有して、改善をご提案戴けないでしょうか。
市場の観光水産資源を生かしつつ、鉄道利用者も増え、地域住民が負担なく生活できれば最善だと思います。
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