1 新中央図書館について 宇田たか子 未定稿
現在の中央図書館は老朽化しバリアフリーなどの対応もできないため、早く新しくしてほしい、そして新しい図書館にはこういう機能が欲しいなど多くの市民が期待して待ち望んでいます。
しかし、平成31年3月に新中央図書館整備基本計画が示されてからすでに4年、その間、議会の中では、候補地の問題などで様々な議論がされ、説明も受けていますが、市民レベルでは、これまで何が問題で、今は何が問題なのか、一向にわからない状況が続いています。
図書館は誰が使うのか、市民です。それなのに、市民不在の状況が何年も続いていることは問題です。そこで、以下質問します。
(1)新中央図書館についての議論の情報公開と市民参加を求める
基本計画が示されてからこれまでの議論の経過について、公の会議の場で示された資料や議論された内容については、少なくとも図書館のホームページなどでは、まとまった形で公表すべきではないでしょうか。図書館は言うまでもなく、市民のための社会教育施設であり、これから何十億円もかけて建設するにあたっては、多くの市民の理解と協力が必要です。しっかり情報公開して、市民参加で新しい図書館をともにつくっていく、そういう取り組みが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
(2)新中央図書館の建設地決定について
中央図書館に限らず本市の多くの公共施設が老朽化しています。今後ますます少子高齢化が進むなか、老朽化した公共施設をどうするのか、そして市内の公共施設の配置をどうするのか、本市の大きな課題です。
スポーツ審議会は、今年3月、4つの市民プールを含めた8つのスポーツ施設を「総量コントロール」の対象とした答申を市長に提出しました。それを受けた市は、特に老朽化の激しい石川町プールについては今年度の開設を最後に廃止の方針としました。
石川町プールは、現在新中央図書館の候補地として最適地だとされている東石川第4公園敷地内にあることから、図書館建設地として決定するにあたっては、石川町プールを含めた市民プールの今後についてどう考えるのか?そういったことを、それぞれの所管がそれぞれに検討する体制のまま、図書館建設だけ先に進めようとしても、全体のまちづくりの今後のビジョンがみえず、最適な解は導き出せないと考えます。そこで、今後どのようなプロセスを経て候補地を決定するのか、伺います。
答弁 岩崎教育部長
(1)新中央図書館についての議論の情報公開と市民参加を求める
中央図書館の建て替えについては、平成31年に基本計画を策定し、新中央図書館の整備に向け、検討を進めているところです。これまでの検討においては、基本計画を策定するにあたり、高校生や一般市民を対象としたアンケート調査や中学生への聞き取り調査、市民ワークショップを開催するなど多くの市民からご意見を伺ってきました。
コロナ禍の令和3年度は、子育て世代や学生などからの意見、市民対象のワークショップを開催するなど、コロナ禍における市民ニーズの変化をとらえながら整備計画の見直しを行ったところです。
また図書館協議会においては、会議を原則公開として、市民の皆さまの傍聴をいただく中で、新中央図書館の検討状況などを示し、委員の皆さまからご意見を頂いております。
このように幅広くご意見を頂き検討してきた新中央図書館の整備計画については、外部有識者からの意見や検討経緯を今後ホームページなどで公表していきます。今後も引き続き市民の皆さまへの情報提供につとめご意見を頂きながら新中央図書館の新築に向け取り組んでいきます。
(2)新中央図書館の建設地決定について
新中央図書館の建設場所については、最適地としている東石川第4公園内のグラウンド敷地またはプール敷地、いずれかに整備することとして検討を進めています。このうちプール敷地については、この夏の開設をもって石川町プールを廃止することを決定し、施設を解体するとの方針が示されたところです。
このことから石川町プール廃止後の敷地については有力な図書館の建設場所として検討できるものと考えています。
こうした状況を踏まえ具体的な建設場所については、7月中に庁内の新中央図書館整備検討委員会に置いて横断的に検討を行い、8月には図書館の整備地を決定していきたいと考えています。
再質問 宇田
情報公開は取り組むと、ホームページにアップするというお話でしたけれども、ぜひ早急に取り組んでいただきたい。で、その情報公開は何のためにするのかといえば、市民参加を促すためです。市民とともに新しい図書館をつくっていくためです。だとすれば、候補地を決定してしまってからの情報公開ということでは、あまりにも市民を置き去りにしている、ということになります。
平成31年の基本計画発表から4年たち、現在の計画は、施設規模が5500㎡から4500㎡と2割も縮小され、図書収蔵冊数は50万冊から40万冊に減っています。その経過と現在の考え方をしっかり説明することがまず必要だと思います。
建設候補地についても、市民はさまざまな思いを持っています。有識者や議会の意見だけでなく、市民の意見に耳を傾けてほしいと思います。市民は、どの候補地がどういう理由でいいと思っているのか、どういう理由で困ると思っているのか、丁寧にその声を聴くべきではないでしょうか。結果、多数決で決め直せと言っているわけではありません。行政と市民が、お互いの思いをしっかり伝えあう、そしてともに学び合い、知恵を出し合って新しい図書館をつくるという取り組みが必要だと思います。
候補地を決定する前に、そういう取り組みが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
答弁 岩崎教育部長
先ほどご答弁申し上げました通り、これまでの検討において図書館協議会をはじめ多くの方々からご意見を頂きながら検討を進めてきたと考えています。コロナ禍の令和3年度においてもできる限り市民の意見を聞く機会の場を作ってきました。こうした段階を経て今後整備地の決定に向けた取り組みであると考えていますのでご理解をいただきたいと思います。
再質問 宇田
これまでも多くの方から意見を聞いたと、令和3年度も市民の意見を聞いたと、だからこのまま決めていくということだと思いますが、その辺の認識が一致してないんですよね。多くの方から本当に聴いたのかと、例えば令和3年度に市民の方から聞いて、ワークショップですか、やられたと言っていますが、
全然ホームページとか、何の情報もないんですよね。図書館のホームページを開くと、平成31年の基本計画、それだけです、アップされているのは。それに向けて行ったワークショップも出てますけれでも、そこから4年間、何の情報も公には公表されてないんです。で、意見聞きました、やりましたと言っていますけれども、その状態で8月に整備地を決定してしまうということは、本当に市民が置き去りにされているというふうに思うわけです。
図書館は言うまでもなく、法律に定められた社会教育施設です。社会教育は何のためにあるのかといえば、市民一人一人が主権者として育つためです。そういう社会教育施設の中でも中心的な役割を担うのが図書館であり、そうであるなら、スピード感も大切ですが、単に新しいステキな建物ができたということではなく、その取り組みの中で、社会教育施設にふさわしい取り組みがなされなければならない、そういうふうに思いますけれどもいかがでしょうか。
答弁 岩崎教育部長
議員ご指摘の通り、図書館は市民のための図書館ですので、市民の声を聴くということが大切だと言うふうに思います。情報公開については今後早急に精査を進めて情報公開を行ってまいりたいと思います。今後も基本設計等の中で、市民の意見については十分に伺っていきたいと思っています。
意見 宇田
情報公開は早急に行うということですが、スケジュールについては、8月に整備地を決定するということはあくまでも突き進むということかと思いますが、ほんとに図書館は何のためにあるのか、新しい図書館、素敵な図書館を建てるためだけじゃなくて、そこに多くの市民がかかわって、成長していくものだと思いますので、建物ありきではなくて、その取り組みの段階から多くの市民との協働の参画、必要だと思いますので、禍根が残らないように、図書館建設に対して取り組んでいただきたいと思います。