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12月議会一般質問 「教育機会確保法」の立場に立った学校環境・教育の充実を」

2019年12月16日 | 日記

大項目2 「教育機会確保法」の立場に立った学校環境・教育の充実を

子どもの数が過去最低となったにも関わらず、小中学生の不登校は統計開始以降初めて14万人を超えたと、文科省は2017年度の速報値として、この10月に発表しました。

決められた学校に通うことが義務づけられている学区制のもとでは、そこに通うことになる全ての子どもの多様性を受け入れなければならないのは学校側です。学校には最大限その努力を求めるものです。しかし、学校へ通えなくなった子の対応については表面的な学校復帰を前提とせず、その子の気持ちに寄り添い、安心できる居場所や不登校であっても学習権を保障すること、それも行政の務めだと明文化したのが、3年前に成立した「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会確保等に関する法律」略して「教育機会確保法」であり、その徹底を各教育委員会や自治体の長に向けて求めたのが、今年10月25日発出の文科省通知、「不登校児童生徒への支援のあり方について」です。 

そこで、その立場に立った、本市の教育のさらなる充実を求めて質問します。

 

(1)「教育機会確保法」の周知徹底を

「教育機会確保法」は、戦後「学校教育法」一本で行ってきた教育行政「子どもは学校で学ぶ」という発想を根本的に見直す内容となっていますが、3年たった今でもあまり周知されているとは思えません。そこで、今後この法律について教育関係者にどのように周知・徹底していくのか、伺います。

 

(2)トイレでのプライバシーを守るための施策を

学校でのトイレの使用が非常に子どものストレスになっている、そのことを訴え、改善を求めるものです。トイレでのプライバシーを守るための流水音の装置は公共施設等のトイレで今では普通に使われていますが、学校にはありません。そんな中「トイレで非常に緊張する」「トイレに行けない」「そのために生理が止まってしまった」、そんな訴えがよせられています。「トイレで2回水を流してはいけません」そんな決まりもあるようです。決まりは守らなければならない、そう感じる生徒ほど苦しんでいます。流水音の装置は簡易型もあり簡単に取り付けることができます。今、毎日学校へ通えている生徒の中にもこんな悩みをかかえ、体への深刻な症状が出ている子どもがいることを受け止め、学校のトイレに流水音の装置を取り付けていただきたいと思います。いかがでしょうか。

 

(3)教室に入れない子どもの居場所を学校の中に確保すること

不登校とカウントされないけれども、教室には入れない子どもたちがどの学校にも少なからずおり、教室以外の安心できる居場所づくりに、学校はさまざまな努力をしています。しかし、限られた人員配置の中では限界もあり、学校内で子どもを守るための体制づくりを困難にしています。そこで、教育委員会として、どのような支援ができるのか、伺います。

 

(4)いちょう広場の金曜チャレンジデーを廃止し安心できる居場所としての機能の充実を

今年の6月議会ではいちょう広場について、「心から安心できる居心地のよい場所となるように努めていく」「学校登校を目指した活動目標ではなく,社会自立を目指した活動目標であると掲げ,やっているところだ」との教育長の答弁をいただき、非常に心強く思っております。

わたしは、学校へチャレンジすることを子ども本人が希望した時まで否定するものではありません。ただ、それを毎週金曜日の日課に位置付け、チャレンジできない子どもはいちょう広場を休まなければならないというのは、問題だと感じます。そこで金曜日も通常通りの開所日としていただくことを求めます。いかがでしょうか。

 

(5)枝川小学校を小規模特認校にし、学校選択の機会を

枝川小は現在全校生徒25人の超小規模校となっていますが、地域に根をおろし小規模のメリットを最大限生かした特色ある教育を行っています。私は、学校教育というのは適正規模・適正配置だといって、大勢の中で切磋琢磨できないと社会性が育たない。よってクラス替えができる規模が必要だというような価値を、一律に当てはめるべきではないと考えます。特に今、学校に通えず苦しむ小中学生のことを考えると、枝川小のような小規模な学校の魅力は改めて見直されるべきと考えます。そこで、枝川小の魅力を全市に発信し、「そこなら通えるかもしれない」「通ってみたい」「我が子を通わせたい」そんな子どもや保護者が選択できるよう小規模特認校制度を利用し、市内どこからでも通える学校にしてはどうかと考えます。いかがでしょうか。

 

答弁 野沢教育長

(1)「教育機会確保法」の周知徹底を

国においては2016年に不登校児童生徒の教育機会の確保等を総合的に推進するために「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」、いわゆる「教育機会確保法」を制定しました。本法律については、本市においても各学校に周知をおこない不登校児童生徒の多様な学習活動への支援や学校における環境の整備等について継続して助言を行ってきたところです。

 市の校長会や教頭会、生徒指導主事の研修会、不登校いじめ対策研修会など各種研修会や学校訪問指導において、それぞれの個に応じた適切な支援をおこなうように具体的な指導助言を行ってきました。さらに文部科学省から、本年10月にこれまでの不登校施策に関する通知を改めて整理した「不登校児童生徒への支援のあり方について」が通知され、教育委員会においては教職員への内容の確実な伝達と通知に基づいた適切な支援ができるよう理解と周知を図ったところです。

 教育機会確保法については、制定後3年を経過したところですが、今後も引き続き教職員研修等を通じて、本法律や通知の内容についての理解の徹底をはかり不登校児童生徒への適切な対応を行えるよう指導していきたいと考えています。

 

答弁 福地教育次長

(2)トイレでのプライバシーを守るための施策を

 小中学校施設のトイレについては、清掃が容易で衛生的なドライ床方式とすると共に、近年の生活様式の変化に対応して便器の様式化と内装の全面改修を進めているところです。災害時の避難所ともなる体育館については平成27年度にすでに整備を完了しており校舎を含めた全ての整備は来年度完了する計画ですが、現在行っている改修工事においては流水音装置の設置は含まれていません。

 学校トイレの個室の数は、小学校で1064か所、中学校で563か所です。仮に一般的な流水音装置をすべての小中学校に整備する場合概算事業費は約3300万円と見込まれます。単価の比較的安い簡易型の場合は耐久性に劣り電池の入れ替えやメンテナンス、機器交換等に費用や管理負担が生じてきます。学校においては環境教育の観点から水を大切にするということは指導していますが、トイレで水を流す回数を制限しているものではないと認識しており、現在のところ学校施設のトイレに流水音の装置を取り付けることは考えていません。

 

答弁 野沢教育長

(3)教室に入れない子どもの居場所を学校の中に確保すること

本市における現在教室の入ることが困難な児童生徒については、すべての学校で保健室や相談室、空き教室等において対応しています。保健室では主に養護教諭、相談室では生徒指導担当者や心の教室相談員、絆サポーター、さらに放課後に登校する児童生徒には担任や学年の教職員などが支援しています。茨城県独自の学級編成による加配や生徒指導学習指導の加配等により本市ではさらに県から88名が増員配置されています。また市独自で、教職員以外のサポーターとして、スマイルスタディサポーターや心の教室相談員、きずなサポーター18名を配置しています。

 市教育委員会としましては、このサポーターなどの人員の配置を継続するとともに、各学校において別室で対応している事例を市内で共有し、個々の不登校児童生徒の状況に応じた必要な支援や安心して教育を受けられる学校の環境つくりに取り組んでいきます。

 また教職員等の増員については、引き続き国や県に要望していきます。

 

(4)いちょう広場の金曜チャレンジデーを廃止し安心できる居場所としての機能の充実を

いちょう広場では心の居場所つくりと、児童生徒一人一人の自立支援をめざしながら、キャッチ・トライ・チャレンジという段階的な目標をもって支援をおこなっています。

 金曜日のチャレンジデーについては、学校への登校が出来そうな段階にある児童生徒に対し、その背中を押すきっかけとして設定しました。今年度は金曜日以外にも自分で目標を定めて学校へ行っている児童生徒もいますので、金曜日のみをチャレンジデーとはしていません。

 今までは相談員が児童生徒と一緒に学校に登校するなどの支援を金曜日におこなっていましたので、いちょう広場を開設していませんでした。しかし登校するのが難しい段階の児童生徒にとって、いちょう広場が居場所となるように、今年度途中より金曜日も開設しています。

 今後は金曜日もいちょう広場を開設していることを保護者や児童生徒、教職員に広く周知できるようにパンフレットの内容等についても見直しを図っていきたいと考えています。

 

(5)枝川小学校を小規模特認校にし、学校選択の機会を

一般に特認校といわれるのは従来の通学区域は残したままで特例の学校についてその市町村全域から就学を認めるというものです。近年通学区域に関して弾力的な運用が求められる中で、学校選択の一形態として主に小規模校の存続を目的として全国的に導入されるようになってきており、それらは小規模特認校といわれています。県内でも水戸市や日立市など6市村が導入しています。

小学校の発達段階では、中学年以降になると集団の中の自分を意識し自分の事も客観的にとらえられるようになります。そのため集団の規則を理解したり集団活動に主体的に関与したりすることが必要になってきます。学校の規模が小さくなっていくと、子どもたちが集団の中で多様な考え方に触れ、認め合い協力し合い切磋琢磨する中で資質や能力を高めていくことや学校行事・部活動などの集団活動を通じて人間関係を広げ社会性をはぐくむことが難しくなっていきます。集団における役割の自覚や主体的な責任意識の育成は重視すべき発達課題です。こうしたことから本市では適正規模・適正配置基本方針の中で子どもたちにとって、望ましい教育環境を整えるために、一定の学校規模を確保する方策として統廃合や通学区域の見直しなどを示しています。

しかしながら、保護者や地域との十分な協議やお互いの共通認識や理解無くして市が一方的におこなうものでもありませんし、基本方針の考え方を押し付けるものでもありません。

児童数が減少している枝川小においては、地域や保護者の皆さまとの話し合いの場を持ってきましたが、今後も理解を深めていくことが必要だと感じています。

ご存知のように枝川小学校は、長い歴史の中で培われた伝統を大切にしながら地域・保護者・学校が一体となって特色ある教育活動を行っています。

議員の学校へ通えない子どもたちの選択肢としてはどうかとのご提案ですが、特別な事情により学校を変更することが必要な場合、本市では法令に基づいて本人・保護者・学校・教育委員会の間で丁寧かつ十分な話し合いの機会を設け、必要な場合には就学する学校を変更するなどの対応をしていることから、特認校とこうした問題は切り離して考えるべきものと認識しています。

何よりもまずは保護者や地域との協議を今後も重ねながら共に枝川小学校の将来の姿を具体化していくことが先決であると考えています。

 

再質問 宇田

(2)トイレでのプライバシーを守るための施策を

一律にやったら3300万かかる、いろいろあってその施策は考えていないというご答弁でしたけれども、私がこの質問で訴えたかったことの本質は、学校という本来子どもがのびのび安心して育つ場が、そうなっていない、苦しみながら学校へ通っている子どもがいるという問題提起でもあります。

 そのことについて、教育長、どういうふうにお考えか伺います。

 

答弁 野沢教育長

毎日学校に通っている元気な児童生徒も、そして苦しみながら学校に通っている生徒も心の中はさまざまな悩みや迷いを抱えているということを教職員はしっかりととらえながら、子どもと向き合う必要があると考えています。学校では相談ボックスや意見箱を設置して無記名で自分の悩みなどを訴える機会をつくったり、生活アンケートや振り返りアンケートなどで自分の意見を言ったりするようなことがなされています。教職員ができるだけ子どもたちに声をかけ、他愛のない会話から子どもたちの心の中の声を聞こうとしたりして努力しているところです。

今後においてもさらに意識をして子どもたちの声を聞くとともに、教師と児童生徒の一方向だけでなく、保護者や地域の方々の力もいただきながら、いっそう子どもたちに寄り添った対応ができるような体制つくりや対応の方法を助言指導していきたいと考えています。

 

再質問 宇田

学校に通っていても苦しむ子どもがいるということについて、本当にその各学校で子どもの悩みに寄り添い、子どもがそれを言えるような環境整備といいますか、そういう先生との関係が構築できるように、教育委員会としてもいろいろな場面で支援をお願いしたいと思います。

次に(3)教室に入れない子どもの居場所を学校の中に確保すること

これは市長に伺いたいと思います。

先ほどの教育長の答弁でも、県からの加配もあります、市独自でも様々配置していますということでしたけれども、でもそれでもなおかつ、学校現場では、教室に入れない子どもを目の前にして、毎日毎時間、その子の居場所をどこにしたらよいのか、誰がその子についていられるのか、大変な努力をしています。

しかし、各学校の裁量ではもうどうにもできないところまで来ているという状況があるのではないかと思います。この問題に関して学校に希望をもたらすのは、各学校のあるいは各教員の工夫や努力ではなく、さらに必要な予算をつけることではないかと思います。市長はどのようにお考えでしょうか。

 

答弁 大谷市長

 教職員の加配等に関しては引き続き国・県の方に要望していくということになるかと思います。

やはり子どもさんにとって、しっかりと学校、また居場所、自身が安心していられる場所を確保するということは極めて重要な課題であるというふうにも認識しています。

先ほど教育長の方からも話があったように、それぞれの教職員の工夫というものは継続してつなげていかなければいけないと考えておりますが、さらに何ができるのかということも含めて、しっかりと現場の声を聞きながら検討していきたいと考えています。

 

意見 宇田

本市の教育について、さまざまな観点から質問したわけです。苦しみながら学校に行っている子、行けなくなってしまった子の苦しみを何とかしたい。一人一人かけがえのない子どもの命がもっともっと輝くように。それはすべての大人の共通の願いであり、大人の責任だと思っています。本市の教育のさらなる充実を求めるものです。

 

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