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日本共産党・宇田たか子です

ひたちなか市議会議員、現在3期目 奮闘中。
武力で平和は守れない、東海第二原発廃炉
守りたいものは、いのち。

12月議会 討論(議案・請願・陳情)

2025年01月07日 | 日記

日本共産党の宇田貴子です。通告に従いまして、

議案第100号 茨城租税債権管理機構規約の変更について、反対の立場から討論します。


 本議案は、今年度から課税される森林環境税について、滞納があれば徴収業務を機構に移管できるようにするというものです。

 森林環境税は、それまで東日本大震災の復興財源として市民税・県民税の均等割に各500円上乗せして課税してきた復興特別税の課税期限が終わるのをもって、今度は森林環境税と名称を変え、同額を国税として引き続き市町村に徴収させようとするものです。

 そもそも国税は、国において徴収すべきものであることから、その滞納について、茨城租税債権管理機構に移管できるようにすることには反対します。

 

日本共産党の宇田貴子です。通告に従いまして、

陳情第15号 はなのわ幼稚園前市道の陥没調査及び豪雨等による周辺冠水への対策について

請願第16号 医薬品や医療機器の安定供給確保並びにイノベーション推進に係る意見書採択を求めることについて

請願第17号 訪問介護費の引き下げ撤回と、介護報酬引き上げの再改定を早急に行うことを求めることについて

以上3件について、討論します。

 

初めに、陳情第15号 はなのわ幼稚園前市道の陥没調査及び豪雨等による周辺冠水への対策について、は採択すべきとの立場で討論します。

 

 現在、市では、中丸川流域浸水被害軽減プランとして、雨水対策事業を進めており、令和10年度の完了を目指しているところです。しかしながら、現在も大雨が降れば、市内の様々な地域で冠水被害が生じることから、その対策の要望は市民からさまざまな方法で執行部に届けられ、対応が待たれているところです。

 本陳情には、813名の署名が添えられ、わが子の通う幼稚園前の道路環境の整備、改善、安全に対する強い願いが示されました。大雨の中にあっても、迎えに行った保護者が安全に子どもと帰れるようにと求めることは、親として、市民としてあたりまえの要求であり、議会において否定されるべきことではないと考えます。

 

次に、請願第16号 医薬品や医療機器の安定供給確保並びにイノベーション推進に係る意見書採択を求めることについて、は不採択にすべきとの立場から討論します。

 本請願の趣旨である、現在の医薬品等の供給不足に対して、早急な対応が必要だという点については、私も同じ立場に立つものです。しかし、本請願事項については、同意できません。

 同意できない点は、請願事項中の「薬価制度の見直しによるイノベーションの推進」という文言についてです。

 「イノベーション」という意味は、革新的な技術やアイデアによって今までにない変革をもたらすというような意味合いで、現在、様々な分野で使われています。

いっぽう、医薬品分野で、国が進める「イノベーションの推進」といった場合、製薬会社の新薬開発と高い薬価算定のための財源として、新たに患者負担増を伴う政策を意味する言葉として使われています。

実際、今年10月から、先発薬と後発薬の価格差の4分の1に相当する額を、患者から保険外の療養費として徴収する新しい制度が導入されました。この患者負担によって、後発薬への移行を進め、浮いた財源を使って製薬会社のイノベーション支援にまわすというのが、厚労省の説明です。政府と同じ文言を使用した意見書を上げることで、この政府方針を推進することになりかねなません。

 現在、医薬品の供給不足を引き起こしている大本の原因の1つには、国による社会保障費抑制の政策があります。政府は、医療費抑制の方策として、医療費総額中の薬剤費削減のためとして、2015年骨太方針で、後発医薬品の使用をそれまでの2倍の80%としました。しかし、後発医薬品製造会社の多くは中小企業であり、十分な設備も人材育成もままならない状態で増産を強いられ、結果、複数の企業で不正行為が相次ぎ、供給破綻を招く結果となりました。後発医薬品の急激な増産を強いながら、先発薬・画期的新薬等を優遇し、後発薬や基礎的医薬品の薬価を下げ続けてきた、国の責任が問われます。

日本の医療費に占める薬剤費の割合は、他の先進国と比べても異常に高く、その最大の要因は、新薬価格の高騰と先発品薬価の高止まり、それを容認・促進する薬価制度にあるというのが医療団体の指摘です。

現状打開のためには、この高薬価構造を根本的に見直すこと。そして、後発医薬品企業の体制強化、財政支援が求められますが、本請願には、財政支援において、国の責任が明記されていません。本来なら、患者負担ではなく、公費で財政支援することこそ明記すべきです。

以上の理由から、本請願には賛成できません。

 

 次に、請願第17号 訪問介護費の引き下げ撤回と、介護報酬引き上げの再改定を早急に行うことを求めることについて、は採択すべきとの立場から討論します。

 本年4月の介護報酬改定で、国は、効率よく回れる集合住宅での訪問介護事業所などの利益率を引き合いに出して、他の介護サービスよりも高いことを理由に訪問介護の基本報酬を引き下げました。国は、介護職員の処遇改善のための報酬を引き上げたので、基本報酬引き下げても減収にはならない、としています。

しかし、請願趣旨には、この報酬改定が事業所に与える影響は深刻で、経営難に陥り、在宅介護が崩壊しかねないとまで言っています。本市が行った市内23の介護事業所に対する調査でも、経営が厳しくなった、減収になったと9事業所が回答しています。

 訪問介護というのは、超高齢化社会を迎える日本において、だれもが住み慣れた地域で、人生の最後まで自分らしく暮らし続けられる社会を目指すとした、国が進める地域包括システムの要を担う職種です。 

 しかし、現在、ヘルパーの給与は、全産業平均を6万円も下回っています。介護関係団体の調査では、介護職員の今年度の賃上げ率は、正規職員で2.25%、対して今春闘の賃上げ率は連合のまとめで、5.1%ということでした。介護職員と他業種との賃金格差は深刻で、国の処遇改善加算は一桁足りません。このような状況のなか、介護職の求人倍率は異常に高い水準が続いています。本市のアンケート調査でも、23事業所中、21事業所において人材が不足していると回答しています。

 以上のことから、本市の事業所の状況からも、3年に1度の介護報酬改定を待っている余地はなく、直ちに、国に対応を求めるとした本請願は採択すべきと考えます。

 

日本共産党の宇田たか子です。

議案第106号 医薬品や医療機器の安定供給確保並びにイノベーション推進を求める意見書提出について 反対の立場から討論します。

 

現在の医薬品不足の状況は深刻で、実効性のある対策が求められていることについては、同じ立場です。しかしながら、先ほど請願に対する反対討論で述べた通り、本意見書の中身では、今の状況を招いた国の政策の誤り、その打開策に対する国の財政支援が明確ではないことから、患者、地域の調剤薬局や医療機関の“医薬品不足”の解決策にはならないと指摘し、本議案には反対します。

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一般質問「大項目4 「生理の貧困」対策について」 12月11日           質問と答弁

2024年12月19日 | 日記

大項目4 「生理の貧困」対策について                        質問と答弁    未定稿

コロナ禍をきっかけに、経済的な理由などにより生理用品を購入できない「生理の貧困」が可視化され、本市においても、生理用品の無料配布や学校保健室に常備して、必要とする子どもに支給するなどの取り組みが進みました。

生理の問題は、貧困ゆえに対応が求められるというだけではなく、ジェンダー平等の視点から、決して一過性の一面的な取り組みとしてはならず、とりわけ、初潮を迎える時期からの思春期の女の子に対する学校でのきめ細やかな対応は非常に重要だと考えます。そこで、以下、質問します。

 

(1)生理用品の無料配布について

 月経のある女性にとって、生理用品がなければ、学校にも仕事にも行くことがでず、日常生活すらまともに営むことができません。これは、その時期の女性だけに課せられた試練でもあり、ジェンダー平等の観点から個人の自己責任ではない対策が求められます。

 本市では、コロナ禍から、災害備蓄品として保管していた生理用品を福祉課や社協などで無料配布する取り組みがされてきましたが、在庫がなくなったことをもって終了とされました。取り組みの意義を考えれば、今後も継続することが必要と考えますが、これまでの取り組みをどのように検証しているのか、伺います。

 

(2) 学校での生理用品の配布の取り組みの状況について、伺います。

 

(3)学校女子トイレに生理用品を常備することについて

 女子トイレに生理用品を常備することは、必要とする子どもが保健室に生理用品をもらいに行くということとは別の意義があります。

トイレに行って初めて初潮を知る可能性のある年齢の女の子や、月経の周期がまだ定まらない思春期の女の子にとって、トイレに行って初めて生理が来たことに気づいたときに、自分で持っていなくても近くに生理用品があれば、どんなにほっとするでしょうか。

 美乃浜学園では、小学校4年生から9年生、いわゆる中学3年生が使う女子トイレの洗面所に生理用品が常備されています。この取り組みは、もう3年も前から始まっていますが、なぜいまだに他の学校に広がらないのか、疑問です。

 美乃浜学園での取り組みの実績と効果をどのように検証しているのか、また、今後の市の考え方について伺います。

 

答弁 大和田保健福祉部長

(1)生理用品の無料配布について

生理用品の無料配布については、防災備蓄品等を活用し、令和3年7月から開始し、令和6年9月末までに870セットの生理用品を配布し、用意した数量に達したため無料配布を終了したところです。配布については、福祉事務所各課、介護保険課、女性生活科、那珂湊支所、社会福祉協議会の合計11か所の窓口で行いました。受け取りの時には、お困りの方が受け取りやすいよう各窓口に設置してある案内チラシの指差しやスマホ画面等で市ホームページを提示してもらうなど、言葉に出さなくても受け取れるようにし、できる限り女性職員が対応するなど配慮を行ったところです。

 また、様々なご事情によりお困りの方が次の支援につながる一助となるよう各種窓口を一覧にしたチラシを生理用品に同封しました。この事業の性質上受け取りを希望する方には、事情をお伺いすることなくお渡ししましたので、必要になった事情などの検証はできていません。

 防災備蓄品等を活用しての配布でしたので、今後についても市民・企業等からの寄付の申し入れや、防災備蓄品の入れ替え等により一定数の生理用品を確保できた場合には、無料配布の再開を検討します。

 

答弁 箱崎教育部長

(2) 学校での生理用品の配布の取り組みの状況について、伺います。

 本市では「生理の貧困」への対策として、令和3年7月よりほっとスマイルプロジェクトと称し、生理用品を学校の保健室に常備しています。養護教諭などから直接配布することにより、経済的な貧困やネグレクトの早期発見につながることを期待しての取り組みです。また、学校のトイレに案内を掲示することにより、保健室に生理用品があることを児童生徒に知らせることで気軽に相談でき、受け取りやすい環境の整備に努めています。さらにこれらの取り組みについては、保険だよりを通じて保護者への周知を図っており、家庭からも必要な時には保健室の取りに行くよう児童生徒に声かけをお願いしているところです。

一方、美乃浜学園では、モデル校として4年生から9年生までの女子トイレの洗面所に生理用品を備えつける方法での配布も行っており、その実態を調査しています。

 

(3)学校女子トイレに生理用品を常備することについて

 美乃浜学園での取り組みの実績としては、月平均20個程度が使用されており、保健室で配布する他の学校より多く利用されています。女子トイレに常備されていることから、より気軽に利用することができるものと考えています。

一方で、だれがどのような事情で使用したのかわからないという課題があると認識しています。保健室での配布は、取りに来た児童生徒への聞き取りや対応時の様子の観察などによって、体面による状況把握が可能となります。中学校の養護教諭に確認したところ、受け取りに来た生徒の中に配慮が必要な生徒がおり、継続的に近況の聞き取りができているというケースもありました。このような事例をふまえると、経済的な貧困やネグレクトの早期発見という当初の目的からは、体面での配布が望ましいと考えています。

 モデル校としていた美乃浜学園についても、今後十分に周知を図りながら保健室での配布としていきたいと考えていますが、切り替えによる影響を注視しながら進めていきます。引き続き美乃浜学園での配布方法の変更による利用状況の変化や各学校の養護教諭の意見を踏まえながらより効果的な方法を検討していきます。

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一般質問「大項目3 国民健康保険税のさらなる引き上げに反対する」 12月11日  質問と答弁   

2024年12月18日 | 日記

大項目3 国民健康保険税のさらなる引き上げに反対する                                                             質問と答弁   未定稿

来年度の国保税引き上げについて、9月議会の私の一般質問では、令和7年度から令和10年度まで、毎年度税率改正が必要になるとの答弁がありました。

その後、9月25日に開かれた市国民健康保険運営協議会では、毎年一人当たり平均9千円 国保税を引き上げる案が了承されました。

市長は、国保制度には問題があるという認識を示し、財政支援の拡大を国に要望すると言いますが、このように国保税が引き上げられては、暮らしもなりわいも成り立ちません。引き上げによる被保険者への影響の大きさとそれに対する市の対応について、以下質問します。

 

(1)引き上げ幅の根拠について

 3年間連続で一人当たり平均9千円引き上げるということについての根拠を伺います。

 

(2)各世帯の引き上げ幅について

実際に、各世帯でどれくらいの引き上げになるのか、典型的なモデル世帯で、具体例を示してください。

 

答弁 大和田保健福祉部長

(1)引き上げ幅の根拠について

 初めに国民健康保険運営協議会については、市町村の諮問機関として国民健康保険法により設置することが定められており、被保険者や保険医、薬剤師、被用者保険の各代表からなる委員から構成されています。この運営協議会では保険税の税率などの重要事項について審議することとされており、令和7年度の税率見直しについて審議していただいているところです。 

 税率の見直しに当たっては、9月定例会において答弁させていいただきましたが、市国保の被保険者数は減少が進んでいる一方で、一人当たりの医療費等の増加により県に収める納付金は高額な状態が続き、税収不足額は年々増大しています。この不足分については、毎年一般会計から数億円を基金に繰り入れ対応しており、国保財政は大変厳しい状況であることから、国保税収の確保が急務となっています。

 また、本年度9月に国から都道府県単位での保険税完全統一の目標年度を令和15年度を目指しつつ、遅くても17年度までとすると、具体的な方針が打ち出されましたが、完全統一時に被保険者の急激な負担増とならないようにするためには、県の示す標準保険税率に段階的に引き上げていく必要があります。

 さらには本年度9月のこども子育て支援法の改正により、こども子育て支援金を被保険者一人当たり令和8年度は3千円、9年度は3600円、10年度は4800円と、段階的に公的医療保険に上乗せして国に納める制度が導入され、これに伴い毎年税率改正が必要な状況となっています。

 このような国による様々な国保制度見直しに対応し、国保事業を将来にわたり安定的に運営していくために、9月に開催した運営協議会において現状や課題を踏まえ、令和7年度以降の税率の引き上げ幅や改正頻度など、見直しの方針について委員の皆様に慎重にご審議いただいたところです。

 税率の引き上げ幅については、税収不足を解消するまで引き上げた場合には、被保険者の急激な負担増となってしまうため、今回の改正の目標としては、本年度の年平均10万6千円と県の示す標準保険税13万円との差額、2万4千円に、令和9年度までのこども子育て支援金の増額分約3千円を加えた2万7千円までとしたところです。また、引き上げ頻度については、3年おき、2年おき、毎年の3パターンをご審議いただき、年度ごとの引き上げ幅をできる限り低く抑えつつ、均等になるよう3年間毎年一人当たり平均9千円増額していくという方針に決定したところです。

 引き上げ幅を年平均9千円に抑え、被保険者の急激な負担増をできる限り軽減するために生じる令和9年度までの税収不足に対しては、市の一般会計から積み立てた基金を取り崩し補填していくといった負担緩和策を検討しています。この他、現在も実施している国の制度による低所得者の均等割額7割、5割、2割軽減、未就学児の均等割額5割軽減に加え、市独自施策による小学生から高校生までの均等割額5割減免の継続を考えています。

 このように、令和7年度からの国保税率見直しに当たっては、国県や社会動向を踏まえ、被保険者への影響にできるだけ配慮しながら慎重に検討を進めているところです。また、今後も国保運営協議会を12月および1月に開催する予定であり、1月には税率見直しの最終案を諮問し答申をいただいたうえで、3月定例会において、国保税条例改正案を上程する予定としています。

 

(2)各世帯の引き上げ幅について

 本年6月の国保税本算定時における課税対象世帯数は、約18500世帯であり、世帯構成は、単身世帯が全体の65.1%、2人世帯が26.1%と、全体の91.2%が2人以下の世帯となっています。また、加入世帯を所得種類別にみると、最も多いのは年金所得となり、続いて給与所得、営業所得となっています。こうした加入状況を踏まえ、3つの典型的なモデル世帯をお示しします。なお世帯ごとの影響額については、一人当たりの国保税額を年に9千円増額した税率案に負担緩和策を適応させて算出しています。

 1つ目のモデル世帯としては、70才単身世帯で年金収入110万円の所得0円の場合、現行は年額15300円、税率改正後は年額16900円、影響額はプラス1600円となります。この世帯は、低所得者の7割軽減が適用された税額となっています。

 次に2つ目のモデル世帯としては、70歳夫婦2人世帯、世帯収入は,世帯主が年金収入200万円、所得が90万円、妻が年金収入110万円、所得0円の場合、現行は年額94400円、税率改正後は年額101800円、影響額はプラス7400円となります。この世帯は、低所得者の5割軽減が適用されています。

 次に3つ目のモデル世帯としては、40歳夫婦、小学生1人の3人世帯、世帯収入は世帯主が営業所得300万円、妻は給与収入120万円、所得65万円の場合、現行は年額456000円、税率改正後は年額499100円、影響額はプラス43100円となります。こちらは、小学生の均等割額5割軽減が適用されています。

 以上のように税額の上げ幅については、世帯所得や世帯人数により異なりますが、約18500世帯の全世帯のうち、71.5%で千円から9千円台、26.9%で1万円台から4万円台、1.6%で5万円台から7万円台とすべての世帯において増額となる見込みです。そのため、被保険者の皆様に来年度の税率改正についてご理解いただけるよう、市ホームページ、市報、国保全世帯への案内チラシ配布などにより、丁寧かつ分かりやすい周知に努めたいと考えています。

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大項目一般質問「大項目2 海浜鉄道湊線の延伸計画は再考を」 12月11日 質問と答弁

2024年12月14日 | 日記

大項目2 海浜鉄道湊線の延伸計画は再考を                      質問と答弁 未定稿

海浜鉄道湊線の延伸計画のうち、先行する第1工区の工事施行認可が11月18日におりました。工事期間は来年度から令和11年度までの5年間、現在終点の阿字ヶ浦駅から海浜公園南口近くまでの1.4㎞の延伸に約60億円です。実に100mの延伸に4億2千万円の経費がかかることになります。

全くの第3者的な立場なら、ローカル鉄道の延伸に夢やロマンを感じるかもしれませんが、市の財政状況のことを真剣に考えれば、そんな無責任なことはできません。

老朽化した図書館の建設計画が40億円の予算規模で始まっています。市庁舎の改築も議論が始まりました。先日特別委員会で視察に行った人口16万人規模の大垣市の新庁舎建設費用は、物価高騰が始まるコロナ禍前で約100億円ということでした。市内の小中学校の校舎の多くは老朽化してあちこち不具合を起こしていますが、修繕が追い付いているとは思えません。高齢化が進む市民の暮らしを支える交通施策や様々な福祉施策も求められます。

「自治体の役割は住民福祉の増進」であるとする地方自治法に定められた自治体本来の役割に照らして、決して潤沢とは言えない市の予算を何に使うのかが、問われています。

私は、現在の湊線自体に反対しているわけではありません。現在の湊線を維持するということと湊線を延伸するということを切り分けて、延伸することに市の税金が優先的に使われるのであれば、そのメリットは何か、それは投資に見合った効果なのか、将来にわたって正しい選択と言えるのか、冷静に詳細に検討されなければならないと考えます。

そのような立場から、主に12月5日の全員協議会に提出された資料を基に以下質問します。

 

(1)湊線利用者の状況について

1点目 過去3年間の通学・通勤定期利用者、定期外利用者の人数とその傾向について、さらに運賃収入の推移とその傾向について

2点目 観光シーズンに阿字ヶ浦駅から海浜公園に行くための、令和5年度のシャトルバス利用者の海浜公園入園者数に対する割合について

3点目 令和5年度のシャトルバス運行にかかる経費と、それに対する補助について、伺います。

 

(2)延伸後の需要予測について

1点目 通学定期利用の見込みについて

 全協に提出された資料によれば、延伸後においても通学定期が増えることはなく、年々減少していくと推計されています。その理由について、伺います。

 

2点目 通勤定期利用の見込みについて

令和11年度に15万9千人にまで減少した通勤定期利用者が新駅1開業後に5万6千人増えて21万5千人と推計しています。この推計の根拠について、伺います。

 

3点目 定期外利用者の見込みとして、新駅1開業後1年目に76万2千人と推計し、前年の38万人から倍増しています。この推計の根拠について、伺います。

また、新駅1開業後、阿字ヶ浦土地区画整理地内の住民が新駅1を利用する見込み数について、伺います。

 

4点目 新駅2開業後の推計において、通勤・通学定期ともに減少傾向としているなか、定期外利用者の見込みが、4万5千人増となっています。この試算の根拠について伺います。

 

(3)延伸後の損益収支及び資金収支の推移について

1点目 開業後の税の優遇措置などが終わった後の損益収支について、年間どの程度と見込んでいるのか伺います。

また、優遇措置などが終わった後においても損益収支を黒字にする主な要因について、伺います。

 

2点目 資金収支について、金利と毎年度の返済額の見込みについて、伺います。

 

(4)100億円にふくれあがった市の負担について

 当初、延伸計画の事業費は78億円、国・自治体・事業者で3分の1ずつの負担割合なので、市の負担は13億円だとして始まりましたが、コロナ後の物価高騰などの影響を受け、事業費126億円と試算しなおされました。

現在、国県の補助の確約もない中、事業者負担を26億円に据え置いたことで、市の負担は100億円に膨れ上がりました。しかも、事業者負担分の26億円も市が借金したうえで事業者に貸し付けるともいわれています。このような借金が、本来あるべき市民サービスに長期間にわたり与える影響は計り知れないと考えますが、いかがでしょうか。

 

答弁 森山企画部長

(1)湊線利用者の状況について

1点目 過去3年間の通学・通勤定期利用者、定期外利用者の人数とその傾向について、さらに運賃収入の推移とその傾向について

 まず、過去三年間の通学定期・通勤定期、定期外の利用者数についてお答えいたします。項目別に申し上げますと、通学定期は令和3年度61万5350人、令和4年度60万780人、令和5年度59万9172人となっています。通勤定期は、令和3年度18万3158人、令和4年度17万1674人、令和5年度は、17万332人となっています。定期外は、令和3年度28万7444人、令和4年度34万3896人、令和5年度39万8740人となっています。合計では、令和3年度108万5952人、令和4年度111万6350人、令和5年度116万8244人となっています。

 それぞれの傾向としては、通学定期については、沿線に所在する高校および美乃浜学園の通学者に加え、沿線に住む生徒や学生の利用です。美乃浜学園の開校に伴い、令和3年度に大きく利用者が増加したものの、直近の3年間の推移をみると少子化の影響により微減傾向となっています。通勤定期については、令和元年度まで微増傾向でしたが、コロナ禍以降テレワークなどの勤務形態の変化などの影響により通学定期同様に微減となっています。一方、定期外利用については、コロナ禍からの観光需要の回復に伴い、各年度とも5万人を超える増加となっています。 

 次に、過去3年間の運輸収入について、通学定期は令和3年度4961万9千円、令和4年度4739万4千円、令和5年度は4796万1千円となっています。通勤定期は令和3年度3015万5千円、令和4年度2871万5千円、令和5年度2780万7千円となっています。定期外は令和3年度7891万6千円、令和4年度9623万2千円、令和5年度1億1084万3千円となっています。合計では、令和3年度1億5869万円、令和4年度1億7234万1千円、令和5年度1億8661万1千円となっています。運輸収入の傾向としては、全体としてコロナ禍からの観光需要の回復に伴い、定期外収入が増加し、コロナ禍前の令和元年度と比べ、92.4%まで回復しています。また、定期外が全体の半分以上を占めている状況となっています。

 

2点目 観光シーズンに阿字ヶ浦駅から海浜公園に行くための、令和5年度のシャトルバス利用者の海浜公園入園者数に対する割合について

 観光シーズンにおける湊線利用者に対するシャトルバスの運行については、海浜公園来園者のハイシーズンとなるネモフィラの開花時期、そして秋のコキアの紅葉時期に合わせて、阿字ヶ浦駅から海浜公園海浜口の間を無料シャトルバスとして平成24年度より海浜鉄道が実施しています。令和5年度のシャトルバス利用者については、春が27日間の運行で16920人、秋が14日間の運行で5076人、合計21996人となっています。

 公園来園者数に対する割合については、シャトルバス運行日の公園来園者数の合計は約84万人であり、シャトルバス利用者の割合は約2.6%となります。

 

3点目 令和5年度のシャトルバス運行にかかる経費と、それに対する補助について、

 令和5年度のシャトルバス運行経費については、506万1千円となっています。それに対する補助については、市が負担金を拠出している湊鉄道対策協議会から57万5千円を拠出しています。

 

(2)延伸後の需要予測について

1点目 通学定期利用の見込みについて

 通学定期利用者が減少傾向となる理由としては、少子化の影響により通学定期の利用者である児童や生徒学生が減少するため、低減していくと見込んでいます。

2点目 通勤定期の利用者の見込みについて

 新駅1の開業に伴い通勤利用者が増加する根拠については、隣接する工業団地への利用者と阿字ヶ浦土地区画整理事業の進捗に伴う区域内の住民の利用者を見込んでいます。

3点目 定期外利用者の見込み数について

 まず、新駅1の開業に伴い、定期外利用者が増加すると見込んでいる根拠については、新駅1が海浜公園南口ゲートに近接する位置にあることから海浜公園の来園者を見込んでのものです。

 次に土地区画整理事業区域内の住民の利用者数については、約4千人の増を見込んでいます。

4点目 新駅2開業後の定期外利用者の見込みについて

 新駅2開業に伴い、定期外利用者が増加する根拠については、新駅2が海浜公園西口ゲート前に位置していることから、海浜公園来園者のさらなる利用増を見込んでいます。

 

(3) 延伸後の損益収支及び資金収支の推移について

1点目 開業後の税の優遇措置終了後における損益収支の見込みについて、

 損益収支の算出過程で計上する税は、固定資産税、不動産取得税、法人税等が対象となります。そのうち固定資産税においては、鉄道事業の新たな営業区間に対する特例措置があり、税額が軽減されることとなります。特例措置の期間は、対象となる固定資産の引き渡しを受けた翌年から10年間であり第1工区分については新駅1の開業翌年から10年間、第2工区分については新駅2の開業翌年から10年間となります。

 現在の収支計画においては、その特例措置を考慮して試算を行っており、固定資産税の特例措置が終了する新駅1の開業後17年目の損益収支は約40万円の黒字を見込んでおり、以降も黒字が続くと見込んでいます。

次に、優遇措置などが終わった後においても損益収支を黒字にする主な要因について、

損益収支は、収入としては運輸収入の売上高を計上し、支出としては人件費や動力費等の営業経費を計上したものです。固定資産税の特例措置が終了した後においても、延伸に伴う利用者の増加によって運輸収入等の売り上げ高が、人件費等の営業経費を上回る見込みのため黒字となります。

 

2点目 金利と毎年度の返済額の見込みについて

 現在の収支計画においては、海浜鉄道が負担する約26億円について、市が金利なしで貸し付ける想定をしていますが、金融支援策は多様ですので今後最適な方策を選択していきます。なお、収支の見通しが好転すれば、貸付額の変更などを総合的に判断し共有していきたいと考えています。

 次に、毎年度の返済額の見込みについては、延伸事業に伴う借り入れは、建設費総額を一括で行うのではなく、事業期間において年度ごとに必要な建設費を借り入れることを想定しています。このため年度ごとに借り入れる金額は異なり返済額も一定ではありません。

 

(4)100億円にふくれあがった市の負担について

 湊線の延伸は、単なる大型の公共事業ではなく様々な相乗効果による市全体の活性化によるまちづくり事業であると認識しています。市では、ひたちなか海浜鉄道の開業後まちの活性化等に大きく寄与する地域資源であるとともに、道路などと同じく公共的なインフラ施設であるという考え方のもと国や県をはじめおらが湊鐡道応援団や商工会議所など多くの関係者と連携しながら様々な支援を行ってきました。

 しかし、廃線の危機を一度は乗り切ったものの沿線住民の人口減少が著しく進むことは予想され、再び存続の危機が訪れることが危惧されています。

 そのため国営ひたち海浜公園来園者の需要や現在造成が進められている工業団地の通勤者の需要を湊線利用に取り込むことで鉄道会社の経営の安定化を図り、地域生活に欠かせない基幹交通である湊線を将来に引き継ぐために湊線の延伸に取り組んできました。

 ひたちなか地区への湊線の延伸は、沿線住民をはじめとした市民の移動手段としての利便性の向上をはじめ、国営ひたち海浜公園のアクセス性の向上、また沿線の観光施設や商店街などへの来訪者の回遊を促すことになる交流人口の拡大や地域の活性化などを目的として進めてきたものです。

 市としては、引き続き国の補助制度を活用するなど、より多くの財源確保に努めながら湊線の延伸事業を支援していきます。

 

再質問 宇田議員

(2)2点目で、通勤定期利用の見込みについて伺いました。延伸後新駅1ができてから通勤定期5万6千人増えますということですが、そのうち新駅1を利用して近隣の企業に通う定期利用者の見込みの実数について、伺います。

 

答弁 森山企画部長

 新駅1開業時の通勤定期利用者のうち、開業した際の工業団地への利用者数は年間4万8千人を見込んでいます。

 

再質問 宇田議員 

 年間4万8千人ということは、同じ人が定期券を使って毎日毎日使ってその合計が4万8千人という計算だと思いますので、実数にすると4万8千人というのは何人になりますか。

 

答弁 森山企画部長

 年間利用者数4万8千人については、出勤日数を240日、往復2回という想定の下、利用者数を100名と見込んでいます。

 

再質問 宇田議員

 実数にすると100人程度だということがわかりました。

 次に、(3)の延伸後の湊線の経営を黒字にする要因ということで伺ったわけですが、これは実際には主に観光客の利用だということの理解でよろしいでしょうか。

 

答弁 森山企画部長

 定期外利用者による大幅な増加の見込みのうち、その内訳としては海浜公園等の観光客を見込んでいるものです。

 

再質問 宇田議員

 そうしますと、最初に延伸前の現在の湊線の利用者数と運賃収入の傾向について伺ったわけです。現在は、定期外利用者の方が通期通学定期利用者よりも少ないけれども、運賃収入は定期外収入の運賃収入が半分以上になっていると、現在でもそういう傾向だということでしたが、延伸後は観光客の割合がさらに増えるということになると、湊線の全体の運賃収入に占める、定期外主に観光客の利用による運賃収入というのは、全体の何割くらいになると見込まれているでしょうか。

 

答弁 森山企画部長

 新駅1開業後の開業年度ですと、総運輸収入のうち何割程度が定期外収入かということになると、割合としては約4分の3、75%程度になると見込んでいます。

 

再質問 宇田議員

最後に市長に答弁を求めますが、延伸後、運賃収入は、湊線を黒字にするのは圧倒的に定期外、観光客の収入に頼るということになるわけです。しかし、観光客の収入に経営を依存するということは、非常にリスクが高いというふうに思うわけです。

新駅2まで延伸して、126億円かけて延伸しても、地元の方の利用や通勤通学に使うなど地域住民にとっての利便性の向上はわずかだということがわかりました。それにもかかわらず、この先、20年、30年と安定的に、観光客が湊線に乗ってくれることをあてにして税金を投入するのか、それが本当に自治体として正しい税金の使い方かと思いますが、いかがでしょうか。

 

答弁 森山企画部長

 一般的に観光収入に頼る懸念というのはあるようですが、本事業をみた場合観光地としての国営公園の持つポテンシャルと、そして新たな終着点は国営公園とする海浜鉄道の運行ルートを勘案すると当てはまりにくいのではと考えています。

 一般的には、安定性、季節性、乗車率等の懸念がありますが、国営公園の性質上そこが経営上移転してしまうということは非常に想定しにくいものでして、また、始発から終点までの観光ルートであるということは非常に乗車効率性の高い観光収入、定期外収入としては利点があると思うと見込んでいます。

 そのうえで先ほども申し上げましたが、この事業を進めていくためには、私どもも含めて国に支援をいただきたいと考えています。現在、その前提となる「鉄道事業再構築実施計画」を海浜鉄道と策定していますので、市としては国の支援が得られるよう引き続き計画策定に注力していきたいと考えています。

 

意見 宇田議員

国の支援が得られるようにということですが、補助金が得られると確証がある前に新しい予算をつけて事業を進めるのは、ちょっと市民の理解が得られないと言っておきたいと思います。

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一般質問「大項目1 来年は戦後80年、平和への強い決意の年に」 質問と答弁   12月11日

2024年12月13日 | 日記

大項目1 来年は戦後80年、平和への強い決意の年に                     質問と答弁  未定稿

来年は戦後80年となります。1931年から中国大陸に軍隊を送り出して戦争していた日本が、1941年にはアメリカにも戦線布告し、戦場となったアジアの国々では、2000万人以上の人々が犠牲になったといわれています。戦争末期には、日本への攻撃が激しくなり、沖縄本島の地上戦では4人に1人が犠牲に、日本各地への大規模な空襲により多くの都市が焼け野原になり、広島・長崎はたった1発の原子爆弾で数十万人の市民が犠牲になるなど、一般人を含め310万人を超える国民が犠牲になりました。

このような、悲惨な戦争の反省の上に、2度と戦争はしない、そのための軍隊も持たないと憲法で定め、日本は戦後、平和の歩みを始めました。

国際的にも、平和を維持することを目的とした国際連合が新たに作られました。しかし、実際には、軍事に頼る大国間での緊張関係はより激しくなり、核開発が続くことになります。

そのようななか、2017年、国連で採択された核兵器禁止条約、そして、今年のノーベル平和賞に、「二度と自分たちのような犠牲者を出してはならない」「核兵器は人道に反する」と世界に訴え続けてきた、広島・長崎で被爆した人たちで組織する日本原水爆被害者団体協議会が選ばれたことは、希望です。

一方、当の日本政府はといえば、アメリカの核に守られることを正当化し、世界情勢の不安定化を理由に、平和憲法をないがしろにして、敵基地攻撃能力を軸にした防衛力の強化を進め、軍事費はうなぎのぼりとなっています。同時に、戦前の国家総動員体制のように、国民や地方自治体のあらゆる情報・権利・権限を政府や内閣総理大臣に集中させ、統制できるような法律を次々に作り、戦争できる国への準備を進めているように思われます。

このような中で迎える来年の戦後80年、地方自治体が教育や住民の兵役の事務などにより戦争の一翼を担った反省のもと、戦争の歴史を学びなおし、憲法にもとづく平和な日本をこれからも守っていく決意を新たにする年としなければならないと考えます。そこで、以下質問します。

 

(1)「核兵器廃絶平和都市」としての新たな取り組み

本市は、自治体の意思として、「日本国憲法の恒久平和の理念に基づき」、「核兵器の廃絶と人類永遠の平和を希求」すると明示して、平成8年4月1日に核兵器廃絶平和都市を宣言しました。この宣言にもとづく具体的な取り組みとして、来年、戦後80年の節目をどのように迎えようとお考えか、伺います。 

 

(2)艦砲射撃の歴史を風化させない取り組み

本市の戦争被害として忘れてならないのは、戦争末期の1945年7月17日未明の艦砲射撃です。軍需工場のあった旧勝田に向けて、海からのアメリカ艦隊による攻撃は、軍需工場にとどまらず周辺の民家にも大きな被害を与え、一般市民が犠牲になりました。

 このような地元の歴史を風化させず語り継いでいくことについて、以下質問します。

1点目 戦争遺物の保管、活用はどのように行われているのか。また、課題は何か、伺います。

2点目 地元の戦争について、子どもたちにはどのように教育されているのか。また、課題は何か、伺います。

3点目 戦後世代が大半であるなか、記録と記憶を風化させないための新たな取り組みが必要と考えますが、いかがでしょうか。

 

答弁 大谷市長

(1) 「核兵器廃絶平和都市」としての新たな取り組み

本市は、日本国憲法の恒久平和の理念に基づき非核三原則の堅持を求め、あらゆる国の核兵器が完全に廃絶されることを心から願い、核兵器の廃絶と人類永遠の平和を希求することを目的に、平成8年に核兵器廃絶平和都市宣言を行いました。平和への願いを広めていくため、本市では平和パネル展示や小中学生向けの平和推進のための作文コンクール、戦没者追悼式などの事業を継続的に実施してきました。

来年度は、戦後80年を迎えます。平和推進事業においては、これまで実施してきた取り組みを継続するとともに、戦後80年を契機として様々な機会を通じて幅広い世代の方が平和の尊さについて考える機会を提供していきたいと考えています。

 

答弁 小倉総務部長

(2) 艦砲射撃の歴史を風化させない取り組み

1点目 戦争遺物の保管、活用はどのように行われているのか。また、課題は何かについて、

本市ヘの艦砲射撃については、勝田市史によると昭和20年7月17日、勝田地区の軍需工場が攻撃されたとあります。砲弾は工場敷地のほか住宅地などを直撃し、110名をこえる死者・重傷者が出るなど甚大な被害を受けたと記録されています。この艦砲射撃を含む戦争遺物の保管については、発掘調査で出土した砲弾の破片や機関銃弾の薬莢などを埋蔵文化財調査センターに保管しています。

 そして毎年実施している平和パネル展示で、艦砲射撃の模型とともに実物の破片を紹介しています。また、今年の夏に埋蔵文化財調査センターで開催しました『出土した太平洋戦争の爪痕』という企画展示において砲弾の破片や艦砲射撃の着弾あとの写真を展示するなど戦争関係遺物を展示し、戦争の悲惨さや平和の尊さを考えていただく取り組みを行っているところです。

 課題としては、戦争を体験していない世代が人口の大変を占める中で、艦砲射撃も含む戦争の歴史を風化させないことであると認識しており、引き続き平和推進事業に取り組んでいきます。

 

答弁 秋本教育長

2点目 地元の戦争について、子どもたちにはどのように教育されているのか。また、課題は何かについて、

本市の艦砲射撃の歴史については、市内の小中義務教育学校の約半数の14校において、社会科や総合的な学習の時間を活用し学んでいます。小学校では、艦砲射撃を目撃した方や後世に語り継ぐための団体の方から話を聞く会を設定しています。地域のことを調べる学習において、かつて自分たちの住むエリアに砲弾がふり注いだ事実を知る取り組みを行う学校もあります。中学校では歴史学習の際に本市作成の社会科副読本を活用し、掲載してある艦砲射撃について扱っています。一方、こうした学習を実施できていない学校においては、その理由として、教材として活用できる資料が少ない、入手が困難であるといった声が挙げられています。これらの状況をふまえ、教育委員会としては写真や映像、図書、紙芝居等の資料をリスト化し学校に提供していきます。また、艦砲射撃等戦争についてのお話を聞く会については、目撃者等の高齢化に伴い実施が難しくなってきているので、お話の録画を視聴することを進めていきます。加えて、平和を維持するために、国際情勢を学び市民としてどう行動していけばよいか、考え議論する場を社会科等の授業においても続けていきます。多くの尊い命を奪う戦争を二度と起こさないために、地元で起きた戦争の歴史を学ぶことを契機として、子どもたちが平和な未来をきずく主権者となるようその育成に努めていきます。

 

答弁 小倉総務部長

3点目 戦後世代が大半であるなか、記録と記憶を風化させないための新たな取り組みが必要ということについて、

今年度の平和推進事業については、7月の第1週から8月15日かけて本庁舎の市民ホール、那珂湊支所、ふぁみりこらぼ、市内3か所の図書館で平和パネル展を実施しています。近年では、艦砲射撃のコーナーの拡充などに取り組んでおり引き続き効果的な展示に努めたいと考えています。

 また、夏休みに小中学生を対象とした平和推進の作文コンクールを実施しており、今年は860人の応募がありました。引き続き応募者の増加を図るとともに、戦争を経験していない世代にも平和の尊さについての認識を深めていただけるよう努めていきます。来年度は戦後80年を迎えることから、市報の内容を拡充するほか新たに市の公式SNSを活用するなど幅広い世代に対し平和事業の案内や戦争の歴史や平和への取り組みについて、一層発信できるよう取り組んでいきたいと考えています。

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