goo blog サービス終了のお知らせ 

憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

ー銀狼ー 終  白蛇抄第17話

2022-09-10 13:39:16 | ー銀狼ー   白蛇抄第17話

「たつ子が山の神に戻る前に、いそぎましょう」

たつ子が山の神にあえば、

ひょっとすると、さまに、怨念がほどけるかもしれない。

ほどけてから

銀狼を白石もろとも、打ち砕いては

銀狼の「魂」ごと、消滅してしまう。

山の神の怨念は、銀狼をくるしめるために

「不死」を与えている。

そのおかげで、体がきえうせても、その魂が消滅することがない。

だが、そのままでは、銀狼の魂の殻の中にいづながとじこめられたまま

さまようことになる。

体とおなじように、銀狼の魂のうちくだき、

いづなをひっぱりだす。

それが、できるのが、雷神の一撃である。

不死の念誦がほどければ、

銀狼ごと、いづなも消滅することになる。

「わかっておる」

雷神の答えはすでに中空よりきこえていた。

その手に破壊の電撃である稲妻をよせあつめていた。

そして、

破壊がおわれば、銀狼から浮かび上がった創痍の魂に

癒しの稲妻をおとしていくのであろう。

白石からたつ子をすくいだしたように・・。

 

激しく砕ける白石の破壊を背に聞きながら、

澄明は黒犬に問うてみた。

「頭がおらぬようになるが・・」

黒犬はぐいと首をふった。

かまわぬとも、

しかたがないとも

言うようにみえた。

 

白銅と二人、黒犬からおりたてば

そこは二人の住まいの外

裏庭におろされた。

「念のいったことだ」

白銅がつぶやく。

「念がいっている?」

「そうだろう。裏口におろしよるのだから」

なにが念入りなのか、やはり、わからない。

「わしは、はらがへった」

「ああ・・」

裏口をあければ、そこはすぐ、くどである。

確かに念入りだとおもうが、やはり、気にかかる。

 

「うまく、いったのでしょうか」

雷神はいづなを無事にすくいだせたのだろうか?

「大丈夫じゃろう。

で、なければ、悟るに早い黒犬は我らを琵琶の湖にたたきおとしておろう」

「そうですね」

確かに裏庭におろすは、念のいったことだとおもいながら

くどにはいりこむと、

そこに、大きな影がゆらめいた。

「白銅、どうやら、また、新手ですよ」

「襲ってこぬなら、さきになにか食わせてくれ」

まずは、生きている人間が大事。

白銅の言いたいことはそこかもしれない。

判りました。と、答えると澄明、いや、ひのえはくどに灯しをいれた。

                          終



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。