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憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

―アマロ― 16  白蛇抄第15話

2022-09-07 07:39:15 | ―アマロ―  白蛇抄第15話
よってきたリカルドにジニーを抱いていた男は慌ててその場を譲ろうとする。「かまわしねえぜ」ゆっくり、待ってられねえほど飢えてるわけじゃない。ロァの補佐でもあるリカルドはその地位を考えれば、ロァのように特定の女を囲うこともできる。だが、リカルドはそれをしない。多くの手下ともども女をなで斬り切りにするばかりである。はあっという男の声がせつなくもれると、男は自分の体液を手の中に受止めリカルドにジニーの場所 . . . 本文を読む

―アマロ― 17  白蛇抄第15話

2022-09-07 07:38:49 | ―アマロ―  白蛇抄第15話
船があらたなる獲物、輸送船を襲った後だった。すっかり様変わりしたあの娘はもう、叫ぶ事もなく新入りの女達も同様、大人しく男にだかれるようになっていた。リカルドが船倉にあらわれると、女達を並ばせ始めた。ジニーを含め18人の女はのろのろと立ち上がる。ジニーの前にたったリカルドは「お前はおしい。だが、惜しい女ほど高くうれる」と、つぶやいてみせた。それで、ジニーに判った。リカルドはシュタルトの船に渡す女をえ . . . 本文を読む

―アマロ― 18  白蛇抄第15話

2022-09-07 07:38:29 | ―アマロ―  白蛇抄第15話
あの娘がリカルドを選んだのはリカルドの背景のせいだけじゃない。恋人の名を呼んだと聞かされたとき、ジニーは胸のすく思いをあじわったけど、これも違う。あの娘はリカルドに恋人を重ね合わさせられはじめている。ジニーの考えは事実とはちがうかもしれない。でも、リカルド以外の男にだかれても、あの娘はきっと、恋人の名前を口にだしたりしない。胸の中で恋人を呼ぶだけで充分だろう。ところが、リカルドに抱かれた時胸の中の . . . 本文を読む

―アマロ― 19  白蛇抄第15話

2022-09-07 07:38:11 | ―アマロ―  白蛇抄第15話
ロァの側に寄ってきた男におぼえがある。いつか、甲板を歩いたアマロに声をかけた男にちがいない。あの時と同じように男は親方の女にだって遠慮会釈なく好色なまなざしをむける。男はアマロを舐めるようにみつめると、ロァと話し込み始めるが時折、ロァの後ろに居るアマロを盗みみる。アマロは嫌な男だと思った。ロァも気がついているだろうに、その所作を咎めようとしない。ロァがその男の存在を重要なものとしているせいか、自分 . . . 本文を読む

―アマロ― 20  白蛇抄第15話

2022-09-07 07:37:53 | ―アマロ―  白蛇抄第15話
「と、いうわけで」リカルドはあっさりとジニーに要求する。「お前はここに残れ」「そう?」冷たい笑いがおきるのは、アマロへのふがいなさのせいではない。「何のために、私をのこそうっていうのさ?」リカルドの性欲を漱ぐため?ならば、そんなに特別な女なら、オンリーにすりゃあいいじゃないか?『あんたの魂胆はみえてるよ』リカルドの計略。それは、この船の男達の気持ちを自分に惹きつかせるためだけ。もし、リカルドがジニ . . . 本文を読む

―アマロ― 21  白蛇抄第15話

2022-09-07 07:37:35 | ―アマロ―  白蛇抄第15話
「なんだって?もう一度・・いっておくれでないか?」ジニーはたずねなおさずにおれない。「だから・・・、多分・・・まちがいないよ。あの娘は・・身ごもってる。だから・・・」皆まで、言われなくてもジニーなら判る。 娘は恋人の子をはらんでいる。ソレは、間違いない。なぜなら、この船の男は商品を孕ますどじはふまない。ふむとしたら、あえて、女をバシタ(女房)にするための手段だろう。だが、あの娘に本気になってる男 . . . 本文を読む

―アマロ― 22  白蛇抄第15話

2022-09-07 07:37:17 | ―アマロ―  白蛇抄第15話
「アマロ・・・」ジニーは呟く。事実を話せば・・・アマロはあるいは、リカルドの手におちることを承諾するだろう。だけど・・・。それは、裏を返せばアマロの裏切りに成る。何も知らせずにおけば、何も知らず脅しと策略に載せられたアマロでしかない。それとも、何もかも承知してあえて、ロァを裏切る・・・。「ううん・・」そんなアマロにさせたくは無い。愛する人間を裏切る痛み愛する心を裏切る痛みそれは、ジニーが一番良くわ . . . 本文を読む

―アマロ― 23  白蛇抄第15話

2022-09-07 07:37:00 | ―アマロ―  白蛇抄第15話
錨を下ろした船は凪のままにただよう。この前から、このあたりから船を動かさないのはシュタルトの船とコンタクトする場所だからだろう。シュタルトの船が隣接したら、男達はおおいそがしになる。分捕ったお宝をシュタルトの船に移すとそれらは金にかわり、食物にかわり、衣類にかわる・・。板一枚をわたして、シュタルトの船と自船を往復する作業は単調で単純だが、労力と多大な時間を費やしシュタルトの船が離れる頃には男達はホ . . . 本文を読む

―アマロ― 24  白蛇抄第15話

2022-09-07 07:36:40 | ―アマロ―  白蛇抄第15話
操舵室うしろのロァのキャビンをのぞきこむと、ロァは相変わらず海図を広げている。「またかい?」声をかけたリカルドにわずかな一瞥をくれると「ああ」と、言葉少なく、腕を組む。何を考えているのか判らないが海図が途切れてしまうあたりをデスクの上においているから、地中海にまわりこむつもりなのかもしれない。アトランティスの財宝でも探す気か?けれどリカルドの興味はロァにそってゆこうとしない。なぜならば、どこに眠る . . . 本文を読む

―アマロ― 25  白蛇抄第15話

2022-09-07 07:36:23 | ―アマロ―  白蛇抄第15話
わざわざ、第3倉庫にあつらえた鍵により、ロァの宝玉は掠め取られる。まさか、その鍵がリカルドの懸想をかなえる『鍵』になるとは、ロァもおもってもいなかっただろう。扉をあけると、同じ鍵で内側から鍵をかけることが出来る。つまり、一度中から鍵をかけたら、外から、開けることは出来ない。鍵は長いくせに胴は太い。だから、鍵穴から、中を覗くことが出来るくらい、鍵穴も大きい。鍵穴に鍵をつっこんでおかないと、まずいだろ . . . 本文を読む

―アマロ― 26  白蛇抄第15話

2022-09-07 07:36:04 | ―アマロ―  白蛇抄第15話
マストまで追っかけていけないと、溜め息をついてアマロはロァの部屋に戻り紅茶を立てた。大事に保管されていた紅茶の高い香りが部屋の中にみちていく。ケジントンの休日、昼下がりに立てた紅茶は庭先のチェアで楽しんだ。やわらかい風が紅茶の湯気をゆらし・・子供達がテーブルのスコーンを食べによってくると、ケジントンはアマロに目配せをする。ミルクを温めておやりと。過ぎ去った日々が胸の中に沸いてきたのはこの暖かな日よ . . . 本文を読む

―アマロ― 27  白蛇抄第15話

2022-09-07 07:35:47 | ―アマロ―  白蛇抄第15話
後ろを付いてきたジニーの言うとおりに梯子を上がりきったアマロの足元からむこうに向かい細長い通路が伸びていた。一番奥がジニーたちのいる船底の上層にあたるのだろう。「一番、奥の部屋に甲板から荷物を下ろせる天窓のような扉があるんだよ」甲板からその部屋に分捕った品物をおろすと、「どういう風に区分けするのか、わからないけど、今度は手前の部屋に品物をわけるんだけどね・・」梯子を昇りきったジニーが今度はアマロの . . . 本文を読む

―アマロ― 28  白蛇抄第15話

2022-09-07 07:35:29 | ―アマロ―  白蛇抄第15話
「どうぞ・・、そうすればいいわ。でも、そうなれば、あたしは、アンタがしでかしたことをロァに告げるよ。アンタ・・どうなってもしらないよ・・」その時、実に楽しげにリカルドがわらいだした。「俺の目ン玉は節穴だとおもってるのかい?お前が妙な仏心をだしたのは、あの女が孕んでるからじゃないか。あの女を俺のオンリーにさせといて、シュタルトの船をやり過ごす。こういう手はずだったんだろう?涙が出るような優しいジニー . . . 本文を読む

―アマロ― 29  白蛇抄第15話

2022-09-07 07:35:09 | ―アマロ―  白蛇抄第15話
リカルドがアマロを離したのは、アマロの醜態によりこの関係がこの先も保証されると確信したせいもある。あくめを味あわされたアマロではないといいつくろえるのは、ジニーに対してだけでしかない。外見をいくらとりつくろってみても口でどんなにごまかしいいわけをしてみてもリカルド自身の局部に応え見せられたアマロの登頂の印は鮮やかすぎる。アマロのその場所がぐいぐいとリカルドの肉ははみ、リズミカルな伸縮が繰り返されア . . . 本文を読む

―アマロ― 30  白蛇抄第15話

2022-09-07 07:34:51 | ―アマロ―  白蛇抄第15話
「リカルド・・」瞑想から現実に引き戻すジニーの声でリカルドはやっと、アマロを離した。もちろん、その耳元に「俺の女」になったアマロを引き込んでおく事を忘れはしない。「また・・こいつで、かわいがってやるさ」アマロの手を己の股間のものにふれさせる。とっくにはりつめた存在感がアマロの体にさきの高揚をよみがえらせると信じた男はアマロの顔に浮かんだ苦渋さえ、リカルドの手管に抗えなくなった女の悶えに見えた。 . . . 本文を読む