風韻坊ブログ

アントロポゾフィーから子ども時代の原点へ。

アントロポゾフィー指導原理 (54)

2008-11-03 22:03:21 | アントロポゾフィー指導原理
54.次の期間は、過ぎ去った地上の人生の約3分の1の時間を要する。そこで人間の心性はさまざまな「霊性の体験」をもつことになるが、それによってこの期間に一つの作用が生じることになる。これは、倫理的に公正なる宇宙秩序に照らして、過ぎ去った地上の人生が受けなければならない作用である。この体験の最中に、次の地上の人生全体を、この体験に照応するかたちで、これまでの人生を補うために形成しようという意図が生ずる。(訳・入間カイ)

54. In einer Zeit, die ungefähr ein Drittel des eben vollendeten Erdenlebens umfaßt, wird in Geisteserlebnissen, welche die Seele hat, die Wirkung erfahren, welche im Sinne einer ethisch gerechten Weltordnung das vorangegangene Erdenleben haben muß. Es wird während dieses Erlebens die Absicht erzeugt, das nächste Erdenleben zum Ausgleich der vorangegangenen so zu gestalten, wie es diesem Erleben entspricht. (Rudolf Steiner)


前項(53項)は、
死後、生命体が剥がれおちていく時期のことでしたが、
この54項は、人間の心性にかかわる時期について述べています。

心性(魂)というのは、
一人ひとりの思いや感情の次元、個人的なところです。
その個人的なところに、
霊性の体験、つまり普遍的・客観的作用が働きかけるのです。

「倫理的に公正なる宇宙秩序」というのは、
いかにも大げさな言葉に聞こえますが、
実際、霊性というのは、
一切の好き嫌いや共感・反感を超えた、
普遍的で、公正な次元なのです。

これまで地上で生きてきて、
その時々の自分勝手な思いや考えで行動してきたことが、
普遍的な観点から照らし出されるわけです。

すると、
過ぎ去った地上の人生のなかで、
自分が抱いた感情や考え、
自分が行った行為が
新しい光のもとに見えてきます。

そして、
次に地上で生きるときには、
どのようにしてこれまでの偏りや過ちを補うことができるかという、
ひとつの意図が生じるということです。



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1 コメント

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Unknown (shouko)
2008-11-04 03:45:35
ある隠したい想いを遂げるために使う、
口実について、友人と意見を交わしていました。
その中で「もし口実の方が大事なことで、ある隠したい想いが、大きな自己から小さな自己への口実として与えられたモノだったら?」と、友人が言いました。
結論は出ていませんが、
内なるモノが死後、外側になり、
外側にあったモノが内なるモノとして感じられる・・
と、前の項であったのを思いだした私は、
この項で言う、普遍的な世界から照らし出された真実が、
友人の言ったことなのかしら?・・・
などと、彼女の言葉を深く考え始めています。
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