植物生態学者の見た「自然と山の幸」

刻々と自然は移り変わり,人工の景観が,自然の植生を破壊する。さあ!大変。せめて食べられる野生植物のすべてを次世代へ残そう

ウラジロマタタビの実り

2008-08-04 14:32:07 | ワイルド・フードなどの料理,その他利用法
●サルナシ(シラクチヅル,コクワ)Actinidia arguta (Sieb.et Zucc.)Planch.ex Maxim.
樹木や岩などに絡み,幹は高さ30m,径10-15cmに達する落葉性木質のつる植物。葉柄は長さ2-8cm,しばしば淡紅色を帯び,葉は楕円形,広楕円形,広卵形など,短鋭尖頭,基部は円形か浅心形,長さ6-10cm,幅4-7cm,細鋸歯縁,厚質,上面は緑色,光沢があり,下面は淡緑色。
花は5-7月,白色5弁,径10-15mm,雄花の雄しべは,葯が暗紫色。両性花と,雄花と,雌花があり,
単性花と両性花が雑居する雌雄混株,雌雄異株がある。液果は広楕円形,長さ2-2.5cm,緑色→帯黄緑色に熟す。
北海道,本州,四国,九州で,低山帯の林縁にはえ,南千島,サハリン,ウスリー-中国-朝鮮に分布。

◎春の新芽を葉をつけたまま摘みとって,あえもの,煮びたし,きんぴらに。新芽,新葉を天ぷらにする。
◎果実は初秋から熟しはじめる。9-10月に摘みとって,生食,砂糖煮,料理の付け合せ,デザートなどにする。
野生の猿梨の実には,おなじ属のキウイ・フルーツと共通する味覚があり,果実は小さいが,果肉は,質が緻密で,味が濃厚。果物としては,キウイにおよばないが,リキュールの味は数段上。

●ウラジロマタタビ Actinidia hypoleuca Nakai
葉の下面が粉白色を帯び,萼片は,ほぼ無毛。本州(関東以西),四国,九州に分布。(写真はウラジロマタタビ)

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